Forestay フォアステイの初期伸び | Fanfare for the common man

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日本テーザー協会より、「普通の人」がTasarをよりディープに楽しむためのサポートをゆるい企画でいきますので、宜しくお願いします。まずは、左のテーマより「はじめに」をご一読ください。

サイドステイと共に、同じくらいの使用年月が経過しているフォアステイも交換しました。

サイドステイ1本の破損に伴い、予防交換などの目的になります。

 

他には、ダイアモンドステイが既に20年以上経過しているのですが、ダイアモンドステイが切れたという事例は聞いたことがありません。プレスしてる部分も両エンド共にマストの中に入っているので、普段確認しにくい場所です。

もし何か事例がありましたら、コメントなどで是非お知らせください。

 

フォアステイに話を戻します。

 

この製作にあたっては、長さが非常に重要になります。クラスルールなどは以前に紹介した通りですが、基本的にシンプルにしておきたいので、トップ側はつぶれにくいセールメーカーズシンブルにして、弓型シャックルにサイドステイと同様に直接通します。バウアイ側アイターミナルにして、シャックルで止めています。

 

 

 

トップ側にセールメーカーズシンブルを使用するのは、ジブハリのブロックを取り付けるためでもあります。ティアドロップ型のシンブルだと取り付けた後に、ジブハリのシャックルが食い込んでしまい、不具合が生じますので、要注意です。尚、ジブハリは大した力も必要としないので、ブロックを省略してセールメーカーズシンブルに直接ロープを通してもいいのでは?と思うのですが、一応、ブロックをつけています。

 

さて、フォアステイの仕様(マイラーセール仕様の場合)は、以上の通りですが、最も重要なのは長さになります。

フォアステイ自体の長さは、ボート毎に、バウアイの高さ、トップの弓型シャックルのサイズなどによって、異なります。計測ポイント間の全長に対して、ルールの範囲内の好みの長さになります。

 

F.1.3 フォアステイの長さは、艤装品を付けた状態で、ステムヘッドからハウンドまでのベアリングポイント 間の長さと、ステムヘッドのベアリングポイントから直下のデッキまでの距離を足した長さが4140+/- 20mmでなければならない。付則2を参照。

 ※附則は計測図

 

F.4.3 フォアステイ、シュラウド、ダイヤモンドステイは3/32" (2.5mm)の径で1x19のステンレススチールワイヤでなければならない。フォアステイとシュラウドはロールドスウェッジを用いてもよい。

 

そこで問題になるのが、ステンレススチールワイヤの初期伸びです。

PSJでは、中村船具のウェブサイトによると、1x19のステンレススチールワイヤ初期伸びは0.1%とのことでしたが、該当の技術情報を探せませんでしたので、他の技術情報を探したところ、やはり0.1%となっています。

 

 

初期伸びが0.1%ということは、今回製作予定の長さが、4085mm前後なので、なんと4mm伸びることになります。

仮にクラスルールいっぱいまでに後傾しようとした場合、4mmも伸びてはルールを超えてしまいます。

 

では、実際にそんなに伸びるものなのか、どのくらい使用するとどのくらい伸びるのか、ここが問題になります。そうすると、一定期間の実験結果が必要になるので、今回は結果を示すことができません。

 

とりあえず、1回セーリングしてみました。

 

まず、未使用の状態のフォアステイを計測します。

 

 

 

 

使用前の状態で、4081mm~4082mmくらいでした。

 

艤装し、サイドステイをプルバックして、テンションを最大にかけ、そこからサイドステイ、フォアステイ共に、弓を引くようにゆっくり何度もテンションをかけて、初期不良の検品とともにステイを伸ばすようにしました。

 

それから3時間弱、今年(2018年)の全日本くらいのコンディションでセーリングしました。

 

 

葉山港のデータでは、上記の感じでしたが、海上では瞬間的には20knot近いブローも入っていました。強弱激しく、平均的には16~18knotといったコンディションだったように思えます。

 

一緒に乗ったクルーが知人が作ったというスマホアプリで航跡などをGPSで記録していました。

最大速度が、13.8knotだったみたいです。

 

ちなみにそのスマホアプリは、「iPhoneなどのAppStoreで<GPS Measure>と調べると出てきます。スマホのGPS機能を使って、経路、速度、距離、時間を測ることができます。機内モードでも利用可能です。最高速度や平均速度、目標距離を移動するまでの時間や、目標速度に到達するまでの時間も測れます。」とのことです。

 

そんなわけで、割とナイスウィンドの堪能できるコンディションでしたが、セーリング後の計測は、4083mmでした。

とりあえず、最初のシェイクダウン程度では、1~2mmの伸びが確認できた程度でした。

 

 

今後、また測ってみたいと思います。

 

 

NOTE

 

交換後の使用状況とフォアステイの初期伸び

帆走回数(帆走時間):伸び ※コンディション(風向/風速(平均・最大)/最大速度)  

 1回目(約3時間):1~2mm ※北~北東 8~9m/sec.(最大10m/sec.) 13.8knot

            使用前:4081~4082mm 使用後:4083mm

 2回目(約4時間):未計測 ※北~北東 6~7m/sec.(最大7m/sec.) 未計測

 3回目(約2時間):未計測 ※北東 9~11m/sec.(最大12m/sec.) 13.7knot

※計測し忘れることが多く、すいません。