マネタリーベースが増えればお金の総額が増えているので日 本銀行がお金を刷っている。マネーストックが増えれば、民間にそんなお金が流れ込み、民間全体のお金が増えている。もしくは、流れ込まずとも、民間の中で 金回りがよくて(景気がよくて)マネーストックは改善していることもあります。
だから、マネーストックが良いと嬉しいわけで、マネタリーベースとマネーストックの組み合わせを見るのは、刷ったお金が本当に民間に流れているか確認するためです。
NHKはこんなこと言ってますね
日銀 景気判断据え置き 金融緩和策維持へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150807/k10010181731000.html
では先月7月はどうだったかというと、、、まず全体から。図はクリックすれば拡大します。
マネタリーベースとマネーストックの推移(実額)
実額はこんな感じ。ちなみにマネタリーベースよりマネーストックが多いのは、信用創造で増えているからですね。
では経済ですから前年同月比で見て行きます。
マネタリーベースとマネーストックの推移(前年同月比)
見ての通り、相変わらずマネタリーベースは下がりつつも、前年同月30%増しで増えていることがわかります。すごい勢いでお金刷ってるってことですね。しかしマネーストックは無反応で水平飛行。
そんな傾向はバブル崩壊からずっとなので、デフレ下で金融緩和:お金を刷っただけで景気(マネーストック)が良くなる、なんてことはないのが丸わかりです。財務省や日本銀行って、頭いい人多いんじゃなかったでしたっけ?
さて、%ではどのくらい7月増やしたかわからないのでクローズアップしてみます。
マネタリーベースの推移(実額)
7月は6兆円増やしたみたいですね。年間に直すと84兆円です。消費税が5%から8%で増えた税収は5兆円です。6月の速報では、2015年の消費者物価指数は、8%に増税されて大幅に悪化した2014年よりさらに悪化しました。
一月で代替できるお金がすぐ刷れて、国内景気に何も影響及ぼさないなら、増税しないでよかったですよね。
また、TPPは10年で3兆円の経済効果でしたか?大幅に上方修正(10数倍)して。1年だと0.3兆円です(つまり以前は0.03兆円以下)。それでまだまだデフレなのに業界に競争をもたらして、格差を作る構造改革をするTPP。しかも国内法ではないので、後戻りできない。
メリットは霞み程度。デメリットは計り知れません。TPP、必要ですか???
参考
TPP参加の経済的効果を政府が試算 GDP3.2兆円増のお笑い
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/0089497c11f50cf200b0e7c036d87649
また、地方創生予算は3兆円だそうです。これも月1以下。地域振興の買い物券の値段がしょぼいのはこのへんにありそうです。
オリンピックの会場は2000億円つまりたったの0.2兆円。全体みないでこんなことで騒いでるわけです。
生活に密接な、復活したエコポイント950億円つまりたったの0.1兆円(色つけて)。エコポイントがしょぼいのはこのへんにありそうです。
つまるところ、消費税やめろ、TPPやめろ、もっと国内に支出しろ、お金刷ってるんだから、と言えるんじゃないでしょうか。
では最後に前年同月比の掛け合わせで見て行きます。
マネタリーベースとマネーストックの関係
まぁ、代わり映えもせず、低空飛行が際立ちますね、ということで。
最後に、そんな前年同月比の関係を無視して、総額を単純に比較した見方があり、貨幣乗数(信用乗数)と名前がつけられています。
貨幣乗数(信用乗数)の推移
高橋洋一氏でしたか。一昨年あたりにまで、これがずっと12だー、いや、まだ6ある、大丈夫だ!とか言ってたの。もうさすがにだんまりです。来月とうとう3切るんじゃないですかね?
既出ですが以下の図
1990年までは一見一致しているように見えるため、互いの総額を割り算して、マネタリーベースに12かけるとマネーストックだ~、みたいに言ってたのが貨幣乗数です。昔は、20~40年前はその数字が不動だと思っていたんですね。
なのに最近まで主張する人がいたから知ってるんですけど。リフレ派という経済のカルト学派もよくこういうこと発信していましたね。しかしさすがに貨幣乗数論者は絶滅した感があります。
そしたらまた、結論は変わらず違う主張を始めるわけですが、それだとなにかにつけて言い訳する子どもや、大人だったら適当な言い訳を次から次へと言う人と変わらないですよね。
リフレ派、とくくっても「私がリフレ派です」という人はいないので、そんなグルーピングはしても意味ないわけですが^^; やはり発言を追って人を見ろ、って感じですね^^;
さて、それでマネタリーベースがいくら続けてもだめなら、どうやってマネーストックを、景気を回復するのか?ということですが、以前の記事をご参照ください。
GDPとはなぜ重要?日本のGDP成長率と40年以上連動している各種指標
http://ameblo.jp/tasan-ame/entry-12039571797.html
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今回使ったデータは以下のとおりです。
日本銀行 マネーストック、マネタリーベースはここから
http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html#