国民体育大会冬季大会スケート、略して国体(みんな知ってるって)に出場していた小塚くんが優勝しましたね。その小塚くんが今月30日のスポニチアネックスでこう語っています。
小塚は「フリーで4回転を2度入れられたのは大きな進歩。持ち球が増えた」と満足げだった。視界に捉えるのは昨季の世界選手権王者、パトリック・チャン(カナダ)だ。心強い武器を手にした22歳の挑戦者は「300点台を出す化け物もいる。それを恐れることなくやりたい」と話した。
同日、毎日ではこう書かれている。
危機感があった。昨年の世界選手権で銀メダルを獲得したが、「世界は4回転を2、3回跳ばないといけない域にきている」とも感じていた。今月から、フリーで4回転を2回跳ぶ構成に変えた。
その小塚くん、SPでの4は失敗したそうですが、宣言通り3つの4回転に挑戦してきました。
アスリートなのだから、高い志を持って高難度の技に挑戦するのは、もちろんいいことです。
小塚くんは国内では先輩に大輔さん、織田くん、後輩には羽生くんがどんどん力をつけてきているため、特に意識レベルが高いと言えます。
カナダではPさんが何をやっても銀河点がつくので、レイノルズくんのプログラムにおけるジャンプ構成はいつでも高難度の「鬼構成」で挑むしかないのと、小塚くんもある意味似たような立場でしょう。
それでは、小塚くんの発言通りSPで4回転を1回、もしくは4-3を1回、続いてFSで4回転を2回飛び、成功させたら、小塚くんは大輔さんにはともかく、Pさんに勝てるのでしょうか?
ワタシの答えはNOです。なぜ、NOなのか・・・
Pさんは特別、ジャッジに寵愛されているからです。
どうしてそう言えるのか?
今期に限らない話ですが、日本勢が「まとも」に跳んでも、国際試合となると何故かいきなりジャンンプの採点が厳しくなります(ジャンプに限らないけど)。
美姫ちゃん真央ちゃんにはそれが顕著だったことは、いちいちここで書くまでもないですよね。
大輔さんも、去年はクリーンに降りたフリップジャンプが急に認定されなくなり不可思議でした。
これには八木沼さんも不可解だったようで、札幌に来てお話した時はビデオを回して検証したもののその謎は消えませんでした。検証すればするほど、見事にちゃんと降りているのですから!
Pさん本人に関しては、転倒してもPCSは下がらず、ジャンプの回転不足も取られません。
壁に激突しようが、3回転ぼうが4回転ぼうがまったく採点に影響しない。これが他の選手だとそうはいかないでしょう。重箱の隅を突くような採点をしてきます。
3回の4回転を入れなければ勝てない、これはライターの田村女史も自身のコラムで似たようなことを書かれていましたが、マスコミの人間が安易にこんなことを言ったりもするので、現場には当然そのような空気が流れるでしょう。
でもこれは錯覚に過ぎません。
なぜ錯覚かというと、実際には4回転を跳ばずとも、プログラムの完成度が高いとジャッジが看做せば、高得点が出るからです。NHK杯大輔さんのSPがその証拠です。マスコミはこの現象を無視し、またこの辺りをプロトコルなど見て検証もしていないと読みます。
マスコミだけではありません。解説者も、これで4回転を跳んだらもっと凄い点が出るということですよね、と話をいっきに4回転に持っていってしまう。その前に、4回転を跳ばずともこれだけの点数が貰えるということは、一考の価値ありだな、となぜ誰も思わないのでしょう?
日本は他国よりもジャンプ至上主義です。
演技に4回転を入れていないと、どんなに高得点でも「面白くない」「ダメダメ」と決めつけるファンも多い。
(特にネットで)。スポーツ競技なのだから確かに大技に挑戦し成功させるのは、アスリートとしての使命でもあるし、それは間違いでは決してありません。
ところが今の採点運用では選手のその純粋な思いが、点数に必ずしも反映されないのは、真央ちゃんの3Aで私達は散々見てきましたよね。
バンクーバーの時、佐野氏が大輔さんにプルシェンコの叫ぶ4回転は必要に惑わされるな、あれは罠だみたいなことを言って顰蹙をかっていたみたいですが、プルさまの罠かどうかはともかく(笑)、ISUのしてきたことは、結果的に佐野氏の言う通りとなってしまった。
実際、表彰台の真ん中に立ったのは4回転を跳ばず、プログラムを完璧に滑ったライサでしたね。4回転をたくさん入れることが重要なんじゃない、大事なのはプログラムの完成度だと言い続け、日本のスケ連をバカにしたのがモロゾフです。そのモロも美姫ちゃんで結果を出してますね。
そうやって4回転は3つ必要に惑わされていると、しなくてもいいケガにも繋がる。
心配な点はそこなのです。今期の織田くんはその最も痛ましいケースではないでしょうか。
彼のことを、自己責任と簡単に言う人もいますが、果たしてそう言い切れるでしょうか?
彼が4回転に相当拘って練習していたのは、小塚くんと同等の立場同等の気持ちからで、この錯覚めいてものに、捉われてしまったことも要因ではないかと思われます。
これでは選手生命にもかかわってきます。Pさんはいいのです。ISU認定スケーターなのだから、何をしても採点に影響がない。まあ、それでも彼の凄いところはヨナのように、その上に胡坐をかいていないところですので、その点は素晴らしいと思いますが。
ISUは選手たちに、こんな無用な錯覚を与えて、選手が切磋琢磨したあげくケガをして引退しても、何の労いもないのですから、大層なご身分です。
あっ、ヨナにはロシアの世界選手権で2位の台に上がったヨナにチンクが何か声をかけたみたいですね。その後ヨナがあの太いアイラインがはげるほど泣き出して、隣の美姫ちゃんに怪訝な顔をされた写真が残ってますよね。
しかもこの時手渡された花が1位の美姫ちゃんよりも、でかくて華やかで、表彰台にいる3人と写真を取った時も、なぜかヨナが真ん中(つまり1位)なの?と錯覚するような取り方をしてましたね、だって3位のコストナーが見切れて映ってないんだもの。
選手の競争心を煽るだけ煽って、試合の流れはISUが殆ど実験を握っている、選手生命を疲弊させているのは実はISUなんじゃないの?
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