【映画】「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

 


フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ
鑑賞日: 2015年2月16日(月)
映画館: TOHOシネマズ渋谷

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 




原題: Fifty Shades of Grey
製作年/国: 2015年/アメリカ
上映時間: 126分
監督: サム・テイラー=ジョンソン
原作: E・L・ジェームズ
脚本: ケリー・マーセル
撮影: シーマス・マッガーベイ
出演: ジェイミー・ドーナン、ダコタ・ジョンソン
あらすじ: 処女の女子大生が金持ち社長にSMを叩き込まれます。

------------------------------------


好き度: ★★☆☆☆ 2.0/5.0点



社長「問題を解決する。」



『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』、なんかエロそうなSM映画っぽい感じの予告だったのでノリノリで観に行きましたが、薄っぺらくて残念な映画でした…(´・ω・`)ガッカリ

去年、古澤監督の「上司がドS♪」みたな『クローバー』っていう映画がありましたが、そのガチ版と言いましょうか。お話は恋愛経験ゼロの女子大生が、大企業の若きCEOを相手に一目惚れ…でも実は彼はドSでした!という、シンプルなお話。

大学生で処女のアナが主人公。ダコタ・ジョンソンちゃんが頑張ってます。

 

 




社長でドS(仮)のクリスチャン。

 

 




これあんまり情報いれずに行ったのでちょっとおしゃれながっつりSMかと思いましたが、どちらかと言えばかっつり少女マンガ的なスタートでした。社長にインタビューに行ったアナが「失礼しまーす」と社長室の扉を開けて入った瞬間ドッテっとこけたり、あれペンがない!アタフタみたいな、けっこうベタなどっかで観たような演出のつるべ打ちでちょっと覚悟をした、そんなスタートでした。

絵にかいたようなドジっこ演出!

 

 




まぁてなわけでなんだかんだありまして、いい感じになって、セックスしようか~ってなるんですが、こっからは爆笑演出ばかりで超笑いましたw まずよかったのが、実はアナちゃんは処女だったと知ったクリスチャン。「えっ!処女なの!?今までなにしてたんだ!よし、問題を解決する。」というアナの処女喪失シーン!「問題を解決する」というセリフが最高で笑いましたよwこんなセリフある?w 最高でした。そっから1回戦終わった後の、2回戦目の入り方も最高でピアノを弾いているクリスチャンのところにひと寝入りしたアナが近づいて上にまたがって駅弁体制でベットに連れて行くクリスチャンというこのフィックスでおさめた絶妙な構図感も最高に笑いました。超おもしろかったな~。

こっから上にまたがって駅弁状態で連れてかれます。爆笑!

 

 




で、この映画セックスがテーマじゃないですか、だから当然期待するわけですが、ツイッターなどでも話題になってるようにモザイクがほんと酷かったです。ザイクに関してはSODに研修にいけといいたいくらいだったな~。

あとこの映画の根幹に関わる一番大事なSM描写。ここははファッションとしてのなんかキレイに漂白されたもので、いっちゃえばすげぇショボいんですよね。だから男のほうにカリスマ性みたいなものがぜんぜん感じられなかったし、これでは女の子は顔と金にひかれた薄っぺらい子という印象しか残らないんですよね。なぜサディストになったのかという男側の業の描き込みもすごく浅くて残念でした。SMって言いながら結果的にただのセックスだったし、いちばん攻めたSMがベルトで叩くだけという浅はかさが垣間見れてどこを楽しんでいいのかわからない映画でした。なにより攻めた、そしてフレッシュなセックス描写がないというのは致命的ではないかな~。アクション映画観てるのにちゃんとしたアクションを見せてくれない、そんなアクション映画楽しいですか?そういうことだと思います。SMやるならしっかりレイティング上げてR18でちゃんとした見せ場をつくってほしかったな~。漂白されたきれいごとで済まされてて残念としか言いようがなかったっす。SMうんぬんというよりも、それ以前の問題で、そもそも『性』というもの一般に対する作者の浅はかさというかなにも考えてなさがくっきり露呈した映画だと思うんですよね。そこがテーマなのにテーマについて何も考えてないんじゃないかな。


期待させる画ですがペシッ程度です。

 

 




SM描写に関しては、例えば鞭でたたきます。当然叩いてる瞬間は見せないし、叩いた部分が赤くなるとかもないし、しかも、ぺしっ程度。


超エロそうだけど、大したこと起こってないです

 

 




SMという病理に真っ正面から石井隆が描ききった『甘い鞭』やSMを批評的な視点から皮肉ったポランスキーの『毛皮のヴィーナス』などには遠く及ばないお子ちゃま映画でしたね。浅はかでうす~いカクテルみたいな映画でした。ただ、主演の女の子はガッツリ脱いで頑張ってたのでそこは評価したいです。やっぱモザイクって失礼だと思うんですよね。覚悟を決めて女優は脱いでるのに、その心意気を台無しにしてない?あとセックス映画なのに男のチンコが出ないのでそこもマイナスです。

てなわけで、まぁそんなにおもしろくなかったかな(´・ω・`)



おわり



石井隆の大傑作です。SMの病理を真正面から描いております。

甘い鞭 [DVD]/KADOKAWA / 角川書店
¥5,076
Amazon.co.jp


ちょっとオマージュがあったよ!
ナインハーフ[DVD]/キングレコード
¥4,104
Amazon.co.jp








にほんブログ村