さまよう小指
9月18日(木) 21:10~ テアトル新宿
好き度: ★★★☆☆ 3/5点
うれしい『見つけた感』
僕の好きなWOWOWぷらすとというニコ生番組がありまして、そこに出てるダイノジ大谷さん、松崎健夫さん、松崎まことさん、中井圭さんの4人がトークショーをやるということで「海を感じる時」に続いて、テアトル新宿でレイトショー鑑賞。この映画は、今年の夕張ファンタでグランプリ作品。監督は女性の竹葉リサ監督。これが低予算ながらすごい意欲作&とても楽しい映画でしたー!
物語はかなりブッ飛んでますw 5歳の頃からずっと片思いの涼介に付きまとうストーカーの桃子。涼介はヤクザの女を寝取ったせいで小指を詰めさせられ、桃子はその切り取られた小指を手に入れ、クローン人間を作り出します。涼介のクローンを「あかいと こゆび」と名付けた桃子は、小指と一緒に暮らし始めるが……。というお話。
主演二人。
この映画、映画全体のつくりというか作風がとにかく井口昇監督作をものすごく連想しました。「女・井口昇」と言われるのもわかるなぁと思いました。ぶっ飛んでる感じとか、いろんな映画のパロディを入れてきたり、バイオレンス描写の質感(チープ感)など、トークショーでも井口昇監督の名前が挙がってたり。でも決定的に違うところ、それがやっぱ女性監督というところですね。全体のルック、そして凝った美術から、井口昇的ぶっ飛んだ映画なんだけどそこには確かな品と繊細さがあってすごく不思議なバランスというか、観たことない才能きたっ!というとても新鮮な作風でした。
あとビックリしたのが、アクションシーンがすごくよく撮れてたこと。アジョシっぽいナイフアクションとかすげぇカッコ良かったし、バイオレンス描写のアイディアもとても良かったです。板前と戦ったり、そういうアイディアがすごい井口さんっぽいなぁとw井口さんにも見てほしい。
主演のストーカーの女の子。かわいかったです
この映画、いわゆるボンクラ映画ですよ。ブルーベルベッドからターミネーター、ヤクザ映画にブルース・リーといういわゆる”こっち側”の要素をぶち込んだものを女性監督が作って、しかも女性ならではの繊細さと品がある。この唯一無二感はとても新しいなぁと思いました。すごい武器ですよね。この映画、こういう脚本になる前は「原宿ヤクザもの」を撮ろうとしていたと監督が言っていましたし、この感覚はすごい武器だなぁ。
トークショーでもこのリサ監督がすげぇ魅力的で、「映画を撮っているのは、映画祭が好きだからです」とか「私は江戸時代に行ったことがある」とかwとっても面白い人で、トークショーも最高でした。
真ん中が監督。周りのぷらすとメンバー。
おわり
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スタッフ
監督
竹葉リサ
脚本
竹葉リサ
クリエイティブプロデューサー
蔭山周
撮影
釘宮慎治
録音
小牧将人
整音
平間文人
照明
杉本周士
音楽
藤永憲太郎
編集
蔭山周
美術
片桐真理子
アニメーション
沼口雅徳
イラストレーション
くぼたえみ
衣装
増田翠
ヘアーメイク
元木美紗
キャスト
小澤亮太
我妻三輪子
末永遥
かでなれおん
仁科貴
山岸門人
塩田時敏
津田寛治
作品データ
製作年 2014年
製作国 日本
配給 S・D・P
上映時間 63分