「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。







ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
9月13日(土) 11:00~ TOHOシネマズ日劇
9月17日(水) 13:20~ TOHOシネマズ日本橋
9月30日(火) 19:30~ TOHOシネマズ日劇




好き度: ★★★★★ /5点



ぼくらのスペースオペラ



『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、ジェームズ・ガンの新作はなんとマーベルの新作!ということで期待はしていましたが、まさかここまでの映画だとは正直思ってませんでした。ほんっとに素晴らしかったし、とても愛おしい映画になりました。今のところ3回観てますが、観れば観るほど良くなっていきます…。今更ガーディアンズの感想、もうぶっちゃけ書けないし、何書いていいかわかんないっすwなんで短めにメモ程度に残しておきます…。

こいつらにまたあいたい…


なににグッときたかって、僕らの生きてる現実世界との地続き感だったりしました。ほんとに生きてる、実在するとしか思えない血の通った生きたキャラクターたち。そして何より、日本版の予告ではぜんぜん出てこなかった大事な大事なキーアイテムであるSONYのウォークマン。遥かかなたの宇宙の話だけど、たしかな地続き感を感じることができるんですよね~。

やっぱりウォークマンという発想がこの映画の勝因の大きなひとつですよね。さっきも書いた僕らの世界との地続き感もそうですが、僕はこれは音楽、というかカルチャー全般への讃歌の映画だ!と思ったくらいです。これは音楽やダンス、そして僕らが大好きな映画もそうですが、それらポップカルチャーは、時に自分を守ってくれる盾になり、時に武器にもなり、そして仲間と団結するための手助けにもなり、そして亡くなった母に思いを馳せるタイムマシーンにもなって、なんというかそういう僕らのポップカルチャーを全肯定して包んでくれているような、そんな映画だったんですよ。だから感動的だったのです。しかもそれは母親から子供へ、というカルチャーの継承という部分がとっても感動的なんだよね~。

今回、美術もほんっと素晴らしい



あとこれは余談ですが、良かったのがやっぱ主人公が好きな女を口説くときの口説き文句がさ、音楽と映画の話で口説くじゃないですか、これ俺らじゃん!笑  マッチョなイズムじゃない、ボンクラの口説きかたですよ(笑) しかもですよ、彼がそこで言う『フットルースという伝説があってね…ケヴィン・ベーコンというヒーローが…』ってこれあの年齢の少年期ピーターはフットルース見てないんですよ。この言い方といい母親から聴かされてたんでしょ?しかもその時の音楽も母親から受け継いだもの。亡き母親から受け継いだ武器で口説いてるんですよ。泣いちゃう!

フットルース [Blu-ray]/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
¥2,571
Amazon.co.jp


ラブーム、サニーときてここでもあのヘッドフェン演出!



音楽の使い方も最高でしたね。まず、アバンの悲しいところから一気にご機嫌なはムードになるタイトルシーン!あんなカッコいいタイトルシーンある!?笑  皮肉な使い方のウガチャカとか、チェリーボムの最高に上がる使い方とか、文字通り音楽とダンスで宇宙を救うウーチャイルド。

最高にあがる横ならびシーンをちゃんと入れてくれるのはさすがとしか!


そして、誰もが涙するであろうラストの2曲ですよね。世界を救い、そして同時に受け入れられなかった母の死を受け入れ、ずっと開けられなかった包みを開くとテープが。それを聴くと流れてくるマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルのエイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフか泣かす泣かす。一言目がさ『Listen baby?』ではじまるんだよなぁ。これマーヴィン・ゲイがタミーに書いた曲だと言われてますが、母から子への曲にしか聴こえないし、サビの歌詞も母から子への思いと、それに加えてヒーローになったガーディアンズたちの決意表明にもとれるとってもとっても奥深い。そしてラストのジャクソン5、ほんっとに愛に溢れた映像と共に!(泣)

こんな愛おしい映像を今まで見たことがいない!


 花くま先生が常々言われてることですが、いいダンスシーンがある映画に悪い映画はない!というのはほんとそうだなぁと思わされました。しかも今回は、繰り返しになりますがそんなダンスや音楽、映画などのカルチャー全般を全肯定してくれる映画だった、しかも僕らの大好きなスペースオペラで!これは僕らのスペースオペラなんです!!


キャラクターの魅力もすさまじいものがありましたね。なによりもグッとくるのが俺たちが大好きな『負け犬映画』だ!ということですよね。全員が大切なものを失ってきて、負けて負けて来た人生。そいつらが団結して文字通り立ち上がり、そして手を繋ぎ、世界を救う、ストレートだけどほんっとに感動的でした。キャラクターのなかでも今後R2とC3コンビのようなポップアイコンにまでなりそうだなぁと思った、グルートとロケットですよね~。普段のやりとりの楽しさ、キャラのたちかたはもちろん、やっぱりラストのグルートの「We are Groot」からのシーンは号泣。そしてそのあとのショボーンなロケットにも号泣。そのとなりに座って頭を撫でるドラックスにもグッとくるんですよね~。自分の悲しみから迷惑をかけてきた男がはじめて他人の悲しみに寄り添った感というかさ。あのときのロケットも良かったですよね「みんな大切なものを失ってきてるんだよ!」っていう。それを見てるから、泣いてるロケットの横に寄り添うドラックスにグッとくるんですよね~。あとビジュアル的に一番萌えたのは『グルートの破片をさした上木鉢を大事に抱えるロケット』だったり。


Tシャツ買っちゃったよ


あとこれ、wowowぷらすとで映画秘宝でお馴染み添野知生さんが言ってたんですが、あくまで妄想ですよという前置きこみで、一番はじめのシーン「なんで喧嘩したの?」という母親の問いかけに「あいつらがカエルをいじめてたんだ」というシーン。あれが実はガモーラを命がけで救うシーンの「なんだかわからないけど、君を助けないといけないような気がしたんだ…」というあのシーンの伏線に見えるって話をしててとてもおもしろかったです(笑)ガモーラ緑だしカエルっぽいのに加えすげぇジャンプ力だったりジャンプするときもカエルっぽかったり…。ま、おもしろ深読みシリーズです。

あと続編も製作GOが出てるみたいなので楽しみですね。母と子の物語だった一作目。次作は父と子の物語になるでしょうね。父親情報もちょいちょいでてきてたので楽しみですよね。すごい古代の血を継ぐものであることがわかったり、ヨンドゥの子分たちが言ってた「だからあのとき依頼主に届けとけばよかったんだ!」とか「父親はマヌケだった」という発言、母親が言ってたようにとてもいい人だったっぽいとか、どんな人なんだろう?楽しみだなぁ。あとこれも深読みシリーズ。これ花くま先生ががwowowぷらすとで言ってたんですが「あの時代、そもそも女の人がミックステープ作る?」「ミックステープって男が好きな女のために作るじゃん。このテープ実は父親が母親のために作ったものなんじゃない?」っていうのもおもしろい深読みでした(笑)



もう好きなところを挙げていくとキリがないのでこれくらいにしておきます。今年の最重要作品であることはもちろんSF映画、というか映画史的にもマスターピースになっていくんじゃないかなぁ。アメリカでは今年の興行収入1位ですよ、日本の入り、ちょっと寂しいなぁ。まだ見てないかたはぜひぜひ!!



秘宝前二冊は必読!
添野さんによる全曲解説が入ってます。最高です。

映画秘宝 2014年 11月号 [雑誌]/洋泉社
¥1,080
Amazon.co.jp


江戸木純、てらさわホーク、高橋ヨシキ、柳下毅一郎、添野知生という信頼できる方々のガーディアンズ評が読めるよ!
映画秘宝 2014年 10月号 [雑誌]/洋泉社
¥1,080
Amazon.co.jp


サントラ。狂ったように聴いてます。
Guardians of the Galaxy/Imports
¥1,220
Amazon.co.jp


思えばこんなにサントラを聴いてる映画も今までにないかもしれないです。これを聴くだけでいつでも俺はガーディアンズの一員になれるんです…。

好きだーこの映画のすべてが好きだー(*´▽`*)



おわり