「オールド・ボーイ(2014年)」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。






オールド・ボーイ
7月2日(水) 17:40~ 新宿バルト9




好き度: ★★☆☆☆ /5点



リメイクの意義が感じられず…。



「オールド・ボーイ」リメイクが作られる、しかもスパイク・リーということで気になっていましたし、タマフルの課題映画になったので新宿バルト9へ行ってきましたよ~。僕は残念でした…(;一_一)

全体的にチャヌク版をマイルドになぞっただけの印象でした。予告で911の映像やオバマの演説の映像があり、「なぜ今、解放されたのか」の文字。これは今でこそできるポリティカルな雰囲気の映画かなあと期待していたのですが、時間の流れを表す記号でしかなく、今しかもスパイク・リーがこのリメイクをやる意義みたいなものがまったく感じられず、ただのリメイクだったので残念でした。。

チャヌク版でもこのバランスはギリギリだなっと思っていた敵キャラクターも今回は非常に残念でした。「復讐にここまでやるか?」という根幹の部分の説得力がすごく弱く感じてしまいました。チャヌク版に比べて、業が軽いんですよね。今回も近親相姦を主人公が見てしまい…というところからというのは同じなのですが、前作と違い今作は敵キャラは当事者じゃなくて、近親相姦をしていたのは妹と父親。そこから主人公のせいでうわさが広がり、一家で逃げるけど父親が狂って家族全員銃殺。なんとか命を取り留めた兄、つまり今回の敵がそもそものうわさを広めた主人公に復讐をするというプロット。これが乗れない。業が軽すぎないですか。これだと、サイコな父親のもとにうまれた不幸な人になってしまってて、この壮大な復讐を仕掛けるという説得力が乏しいと思っちゃいました。




あと、もうひとつの文句はラストシーン。ここもまったく乗れなかった。主人公が勝手にいいように解釈して納得して、ナルシスティックな自己犠牲で娘を守るみたいな、嫌~なヤダミを感じてしまいました。今回は敵の業も弱いから主人公の業も付随して弱くなるのもしょうがないかもしれないけど、また閉じこもることでこれまでの業や罪が解消されることになるの?ってちょっと思っちゃいました。とってもマイルドになっててそれはそれで魅力かもしれないけど、ちょっと乗れなかったです。。


あともうひとつ。あのモザイクはなんなの!?笑 あれはないでしょう。大好きなエリザベス・オルセンが脱いで頑張っているのに、あの処理は頑張ったエリザベス・オルセンに失礼でしょう。というかあの大きさのモザイクは映像としてものすごい違和感とノイズだし、しかもライヴ映像でそのセックスシーンを見るというシーンが入るからもっとノイズ感が増してしまってるんですよね。なんであんなことするかなあ。。


 


まぁでも好きなところもあって、アクションはよかった。今回もトンカチなのですが、奥行きが増していてかつ縦の動きが加わることで新鮮に見ることができました。

 


あとエリザベス・オルセンがカワイイ!
そしてマザファッカおじさんことサミュエルは最高のマザファッカマシンガンを出してくれてとても愉快でした。



というわけで僕は全体的に残念でした。。
1か月前にスクリーンでチャヌク版を見ちゃったってのもあるかもしれないけど…。ごめんなさい。。


おわり




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スタッフ

監督
    スパイク・リー
製作
    ロイ・リー
    ダグ・デイビソン
    ネイサン・カヘイン
製作総指揮
    ジョー・ドレイク
    ジョン・パワーズ・ミドルトン
    ピーター・シュレッセル
原作
    土屋ガロン
    嶺岸信明
脚本
    マーク・プロトセビッチ
撮影
    ショーン・ボビット
美術
    シャロン・シーモア
衣装
    ルース・E・カーター
編集
    バリー・アレクサンダー・ブラウン
音楽
    ロケ・バニョス

キャスト

    ジョシュ・ブローリン ジョー・デュセット
    エリザベス・オルセン マリー・セバスチャン
    シャルト・コプリー エイドリアン/謎の男
    サミュエル・L・ジャクソン チェイニー
    マイケル・インペリオリ チャッキー
    ポム・クレメンティフ 黄色い傘の女(ハエン=ボク)


作品データ
原題  Oldboy
製作年  2013年
製作国  アメリカ
配給  ブロードメディア・スタジオ
上映時間  103分
映倫区分  R15+