私の男
6月17日(火) 16:20~ 新宿ピカデリー
好き度: ★★☆☆☆ 2/5点
核心に迫る直前で寸止めされる感じ…。
予告の雰囲気がすばらしかったり、二階堂ふみが非常にいい感じだったり、しかもテーマが近親相姦ということで、お!なんか攻めてるものが見れるかも!と新宿ピカデリーで観てきました。
良いところもたくさんあるんだけど、個人的には消化不良な映画でした(´・ω・`)
まず素晴らしかったところ。撮影ですね!名手、近藤龍人さんが最高の撮影をしています!時代の流れが4段階くらいあるのですが時代ごとにフィルムからデジタルへと質感を変えていくという撮りかたをしていてどの場面もほんと素晴らしかったです。鍵となる流氷上での場面があるんですが、ときどきどうやってとってるんだ?っていうアングルの場面があったり、主観視点からそのまま海にカメラが入っていったり、すごい撮影ばかりでした!
そしてなにより良かったのが二階堂ふみ!二階堂ふみのための映画でしたな。とにかく妖艶で、悪魔的で、エロかった、とにかくエロかった!本当の父親ではない浅野忠信に育てられたが実は父親で、しかもそうとわかりつつもセックスはとめられないっ!(キリッ 浅野忠信のだらしなさの部分に意識的に飛び込みゆらつかせるキャラクターとして、二階堂ふみはとても説得力がありました。指フェラはほんとエロかったしあのときの小悪魔的な笑い、しかもそのときは浅野忠信の彼女?的な人を意識しての行動な訳でものすごくよかったですわー。セックスシーンもできる限りのところで頑張ってて好感を持ちました。こんだけやってまだ19歳ですからね。フルヌードも時間の問題かなぁと楽しみになりました!良作で脱いでほしいね!
欲ってる熟女は映画でよく出るけど少女は新鮮だったなあ
あと個人的によかったのが、浅野忠信の彼女で二階堂ふみに完敗するあの女のひと。あの人のセックス超エロかったし、事後にうつぶせで寝てる彼女、まじ素晴らしかった!でも、どんなに魅力的でもモンスター二階堂ふみのエロさには勝てず。東京に出て行ってしまいましたね、しかもおそらくろくな仕事はしていない様子で…。相手が悪かった…。この女同士のやり取りの緊張感は最高でした。大好物の気まずさと心理戦。
浅野忠信のとりあい!うらやまですわ。
と、撮影・役者ととても魅力的なんですがストーリーの展開と演出に引っ掛かるところがいろいろあって、個人的には残念な感じになってしまいました。
ストーリー展開がけっこうご都合主義的に進んでいくというか、大事なところでぶつっと展開が切れて数年後…みたいな感じなので確信に迫る前に寸止めされるような消化不良感が常にありました。人を二回殺してるんですが、どちらも殺したその後の、いちばんおもしろいところ=めんどくさいところをぶつっとカットしてるから、どうしても都合よすぎじゃないかって見えちゃいますよね。二回目の殺人なんかアウトだろ、どうやってあの局面を切り抜けたんでしょうか、あの真夏にあの遺体をどう隠したのでしょうか。気になりますよねぇ。
あと、この映画にときどき出てくる非現実的なイメージ的映像の足し算がちょっと冷めるなぁっていうのはありました。なんか、もっとドロドロとしたところに突っ込んでいってほしいと思っているところにポップなものがくるので嫌な中和のされ方をしてて残念でした。この映画のトーン、しかもこの気合いの入ったバキッとした近藤さんの撮影でこういうファンタジックな画面はどうなんだろう。僕は残念でした。
このあと。
このことからもそうなんですが全体的に、もっと攻めたドロドロとしたところにいく寸前のところで止められるというか、核心にせまる直前で寸止めされる残念さというのはありましたねぇ。この映画、近親相姦というテーマですからその業というか、二階堂ふみ・浅野忠信の背負う業をもっと掘り下げてほしいし、ただの禁断の恋愛じゃ意味がないと思うんですよね。もっと怪物的に描いてほしかっあなぁ。
ラストシーンの結婚してもなお…っていうのはよかったんだけど、あそこもファンタジックな世界にいっちゃうみたいな演出は僕は合わなかったです。。
てな感じで僕はちょっと残念でしたが、良いところもいっぱいあって決して嫌いではないです!二階堂ふみの代表作の一本になっていく作品であることは間違いないとおもいます。町長的な人との流氷でのやりとりはものすごくよかったです。「あれは私のすべてだ!!」のところは結構震えました。あれ、やっぱこの映画けっこう好きかもな…。
おわり
------------------------------------------
スタッフ
監督熊切和嘉
製作藤岡修
由里敬三
分部至郎
木村良輔
宮本直人
エグゼクティブプロデューサー
永田芳弘
プロデューサー
西村信次郎
西ヶ谷寿一
ラインプロデューサー
金森保
原作
桜庭一樹
脚本
宇治田隆史
撮影
近藤龍人
照明
藤井勇
録音
吉田憲義
美術
安宅紀史
装飾
山本直樹
衣装
小里幸子
ヘアメイク
清水ちえこ
編集
堀善介
音楽
ジム・オルーク
助監督
海野敦
スクリプター
田口良子
VFXスーパーバイザー
オダイッセイ
ロケーション総括
中村哲也
制作担当
刈屋真
アソシエイトプロデューサー
西宮由貴
小松重之
キャスト
浅野忠信 腐野淳吾
二階堂ふみ 腐野花
高良健吾 尾崎美郎
藤竜也 大塩
モロ師岡 田岡
河井青葉 大塩小町
太賀
相楽樹
三浦誠己
安藤玉恵
三浦貴大
山田望叶 花(10歳)
作品データ
製作年 2013年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 129分
映倫区分 R15+