ぼくたちの家族
5月27日(火) 14:40~ ヒューマントラストシネマ渋谷
好き度: ★★★☆☆ 3/5点
妻夫木夫婦、2人に対するイライラがすんごいw(ほめてます)
石井裕也監督作ということで、それなりに期待はしていましたが難病ものか―って思ってちょっと引いていたというのが正直なところ…。というわけで観てきましたがすごく身につまされた&超怖くなりました。難病によって家族のKI・ZU・NA~絆~を取り戻す系の泣ける映画なんだろうと思ってましたが、意外にもそれ以外の要素がかなり重いのに加えて、絆を取り戻すというよりは家族の闇の部分がどんどん出てくるというバランスでおもしろかったです。
病気になっちゃうお母さんは原田美枝子
はじまってすぐのシーン、あれ、このお母さん、もうどこかおかしいぞ…というシーンがめちゃくちゃ怖い。しかも病気の症状の進み方がすげぇ早い&すげぇリアルなんですよね。暗闇の部屋で何時間もぼーっと同じ体制で静止しているというのとかすげぇ怖かったよ…。
で、どんどんおかしくなっていくお母さんでしたが、一周して少女にもどっちゃうんですよ。何重人格にもなっちゃうんだけど、思ってたことを全部ぶちまけまくる、それによって家族の闇がどんどん見えてくるんですよね。でも悪いことだけじゃなくて、良いこともちゃんとぶちまける。夫の文句を言いつつ、「でもあの人のこと好きなのよね~」と原田美枝子が言うんですがそれがすげぇカワイイんすよ。池松君が「よかったなおやじ!今の本音だぜ(笑)」っていうあのシーンはなんかとても良かったなぁ。
そんな池松君。次男。
池松君演じる次男、ステレオタイプなキャラだけどとてもよかったと思います。ひょうひょうと調子のいい男なんだけど実は一番冷静に家族をみてる。頼りにできるという。まぁありがちだけど、池松君がちゃんと体現できているのですごく説得力のあるキャラになってました。
長男、妻夫木君。
妻夫木君は最近の妻夫木君のなかで一番ピッタリでした。やっぱりこの人受け身で根暗な役がほんとにあってると思いました。この妻夫木君が元引きこもりだったという過去がわかってきたり、お母さんの病気とほぼ同時に自分の結婚と、奥さんの妊娠がわかりその準備におわれる傍ら、お母さんが余命1週間なもんだからもう大変ですよ。
しかもこの妻夫木の奥さんと妻夫木のやりとりがも~うすげぇイライラするんですよ。これはどっちもどっちだぞ!奥さんも嫌だわ!なんなんだ!妻夫木も嫌だわ!シャキッとしろ!ちゃんと言えよ!ほんとこの夫婦には2人ともすげぇイライラしましたよ~。これは奥さんが悪い!っていう意見をかなり見たけど、いや~これは妻夫木も妻夫木ですげぇダメだと思いましたよ。夫婦間でこの空気感は待っているのはブルーバレンタインだぞ!ととてもおもいましたが、この映画のラストでは夫婦ともどもちゃんと成長していてちょこっとは安心しました。
お父さん。これが一番大変。
いやぁこれがほんと一番の問題児というか…。でも怖いのはこの父親の感じ、ぜんぜん他人事じゃないというか、うちの父親にすげぇ似ててw まず自営業だし、経営もどうなってんのかわかんないし、バブル世代だし、見てるうちにすげぇ怖くなっていきましたよ。この計算のできなさというか計画性のなさ、ほんとうちの父親だわ~家を都内に構える、車がやたら良い。しかも扱いがずさんなどなどなどなど。もう…。
たとえ親であっても俺は絶対に保証人にならないと心に決めました。妻夫木君はほんと偉いよ…。でも生きていくしかないんだもんなぁ。
そう考えると、母親も無事に復活して(さらっとネタバレ)ハッピーエンドなんだけど、これからのことを考えるとひじょーに気が重い。これ返せるのかな…。 でですよ、さっきも言ったようにぼくの家も自営業で、それを将来的に継がなきゃいけないんですたぶん。大丈夫なのか!?借金が超あったらどうしよう。。母親の病気云々よりもそっちのほうが他人事じゃなくてまじで怖くなりました(´Д`)それでも生きていかねばならないのが人生なんだよな~!
おわり
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スタッフ
監督
石井裕也
原作
早見和真
脚本
石井裕也
製作
竹内力
小西啓介
狩野善則
堀義貴
木滝和幸
若山泰親
プロデューサー
永井拓郎
アソシエイトプロデューサー
鈴木俊明
撮影
藤澤順一
照明
金沢正夫
録音
小松将人
美術
栗山愛
編集
普嶋信一
音楽
渡邊崇
衣装
馬場恭子
ヘアメイク
田中マリ子
装飾
石渡由美
スクリプター
村松愛香
VFXスーパーバイザー
西尾健太郎
キャスティング
おおずさわこ
助監督
杉田満
制作担当
榊田茂樹
キャスト
妻夫木聡
原田美枝子
池松壮亮
長塚京三
黒川芽以
ユースケ・サンタマリア
鶴見辰吾
板谷由夏
市川実日子
作品データ
製作年 2014年
製作国 日本
配給 ファントム・フィルム
上映時間 117分
映倫区分 G