「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。







映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
4月29日(火) 9:20~ TOHOシネマズ渋谷




好き度: ★★★★☆ 4/5点


ロボ、でもとーちゃん。。


クレヨンしんちゃんの新作、タマフルの課題映画になったので行ってきましたが、とても感動しました。このゴールデンウィークの子供連れで満席の映画館で観れてほんとうによかったです。子供は大笑い、親はグスングスン。そして映画が終わって明かりがつき、手をつないで映画館をあとにする親子の姿。これを見て号泣しちゃいましたよ~(T ^T)上映後こそが涙のピーク!

ある日、ぎっくり腰を治しにマッサージに出かけたひろしが、突然ロボットになって帰ってくる。妻のみさえは驚き戸惑うが、ロボットになったひろしは料理も家事もでき、リモコン操作も可能で便利だった。しかし、それらはすべて、家庭での立場が弱くなってしまった日本の父親たちの復権を目論む謎の組織「父ゆれ同盟(父よ、勇気で立ち上がれ同盟)」の陰謀によるもので、やがて正気を失った父親たちによる「父親革命」が勃発。野原家や春日部市は崩壊寸前の危機に陥るが、ロボットのひろしが息子しんのすけとともに立ちあがる。まぁこんな内容ですね。

ロボットにされてみさえから初めは阻害されていましたが、今までまったく手伝わなかった家事を手伝い、ご飯を作って振る舞うことで家族に認められるというフード描写もあり。しかもここのピーマンをラストの見せ場でもってくるあたりもさすが…。そしてやっぱり決定打は、ビル落下救出シーンですな~。やっぱりさスーパーマンからスパイダーマン、アイアンマンに至るまで、高いところから落下する人間を救出するヒーローというものはものすごく魅力的だよなぁとか思ったり。

しかし取り損ねたら大惨事(笑)




で、このあと家に帰ってからのシーン。みさえがロボとーちゃんを「ありがとう」と抱きしめるシーンがなんか今までのクレヨンしんちゃんで感じたことのない生々しさと恥ずかしさがあって、男と女のひろしとみさえ見ちゃった(*´Д`)っていう(笑)でもすげぇいいシーンでグッときましたよ~。それにしてもなんかすげぇ居心地悪かったというか、すげぇ見てて恥ずかしかったんですよね~。自分の親のそういうシーンを見ちゃった感覚っていうのかなぁ。笑  ちょっと気まずくも、いいシーンでした。 そしてやっぱピンチで家族を救える父親になるってあたりまえだけど難しく、でも一番必要な要素だよなぁと改めて思ったり(`・ω・´)オレモガンバロ


理想の父親になったロボとーちゃんは、敵の秘密兵器の付け髭により突如、超亭主関白ロボとーちゃんに変身!ちちゆれ同盟を結成して亭主関白が失われた日本に亭主関白魂を取り戻すため活動を開始。そんなロボとーちゃんの付け髭を取ってもとのロボとーちゃんに引き戻すべくかすかべ防衛隊と共にお尻を出してロボとーちゃんを翻弄し髭をとる作戦に!

まさおくんの「お尻が照れている」という描写がおもしろかった




で、ロボとーちゃんは壊れかけて敵の基地に運ばれますが、ここのロボット研究所シーンはトーンが変わって切なく哀しいシーンがけっこうあって、劇場の雰囲気も一気に変わったカンジありました。必死なしんちゃんに涙しちゃうような『トイストーリー3』的、「もちょいで焼却炉だやばい!」的なハラハラシーンがあったり。焼却炉に向かうロボとーちゃんの頭だけをもぎ取り、無言で暗ーい道にすすんでいくしんちゃんの背中はものすごく切なく、その健気で必死なしんちゃんに思わず泣いちゃったり。ここの暗めのトーンでは劇場の子供たちから「ママ~怖いよ…」っていう声が聞こえてきたのが印象的でした。

で、ついにロボとーちゃんとそのコピー元である本物のひろしが出会っちゃうんですね~。ロボとーちゃんはひろしの記憶をコピーしたものだったんですよね~。だからどっちも中身はひろしで2人とも「俺が本物のひろしだ!」と主張しあうところもとても切なかったですよ…子供はガジェット大好きだからしんちゃんは「オラ、ロボとーちゃんがいい~」といっちゃって、残された本物のひろしも切なかったし、ロボットなのにおれは本物だと信じ込むロボとーちゃんも切ないし…ロボットと人間問題ってリブートロボコップとか最近ではありましたが、こっちのクレヨンしんちゃんも実にまっとうなSFでした。

後半の見せ場としてしんちゃんが家族のために嫌いなピーマンを食べるシーンとかめちゃくちゃ泣いたよ~。でも感動的な場面べったべたにせず、ちゃんと笑いでオチをつけるというか、ちゃんとしんちゃん映画になっててよかったと思います。

ラストのとーちゃんととーちゃんの腕相撲はすごかったよね。いろんな取り方があるみたいですが、僕はロボとーちゃんがひろしに家族を託したんだと思いましたよ。自己犠牲、しかもそれをしんちゃんの目の前でやるという。その時のしんちゃんが泣きながらいう言葉はマジ泣きました…(´;ω;`)ロボ、でもとーちゃん。。

言いたいことはなくはないというか、今回武井咲とコロッケさんが声優として参加していて、2人ともすげぇうまいんだけどこの2人がやるキャラクターがあんまいらねぇんじゃないかなぁって思ったり、特に武井咲のキャラクターはあんま必要性を感じなかったり…。あと、巨大ロボット対決!ってのはいいんだけどもっと見せ場をしっかり作ってほしかったし、最初にロボ映画を見に行くっていうシーンがあるからそこをもうちょい生かしたりとか… あと五木ひろしってのは今の子供にとってどうなんだろうとかちょっと思ったり…


まぁでも、子供はみんなゲラゲラ笑ってたし、大人しかわかんないネタでは大人は笑ってたし、そして親はズルズル泣いてたしさ、みんなが楽しめてるなぁという劇場の雰囲気でしたよ。そしてなにより、劇場が終わった後、観客にいる笑顔の親子づれを観て、この映画をみたあとになにも感じない人間はいないはず。

エンターテイメントとして素晴らしかったと思います!


おわり




…追記…

中島かずきさんの「キルラキル」を最近やっと追いかけ始めてるんですが、これがめちゃくちゃ面白くてビックリ(゚д゚)!今やっと半分くらいまできました。リアルタイムで追いかけたかった…








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スタッフ


監督

    高橋渉 

原作

    臼井儀人

脚本

    中島かずき

主題歌

    きゃりーぱみゅぱみゅ


キャスト


    矢島晶子 しんのすけ

    ならはしみき みさえ

    藤原啓治 ひろし

    こおろぎさとみ ひまわり

    武井咲 段々原照代

    コロッケ 頑馬博士

    遊佐浩二 黒岩仁太郎

    一木美名子 小女鹿蘭々



作品データ

製作年 2014年

製作国 日本

配給 東宝