「白ゆき姫殺人事件」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。





白ゆき姫殺人事件
4月7日(月) 15:45~ 丸の内ピカデリー




好き度:★★★☆☆ /5点



想像よりおもしろかった!


やすーく前売り券が金券ショップにあったので、なんとなーく買って、なんとなーく丸の内ピカデリーに行ってきました。イイという評判は聞いてはいましたが、正直あんまり期待していなかったのですが…想像よりおもしろかったですよ!

菜々緒演じる美人OLが焼死体で発見されまして、テレビ局で働く綾野剛が同じ会社の人や目撃者などに一人づつ証言を録っていく、羅生門スタイル。そして今回はそこにネット炎上というテーマも。証言を録っていく綾野剛がTwitterでむやみにまだ未確定の取材情報や憶測でしかないものをツイートしていきそれがどんどん拡散され炎上していき、いきなりネタバレになるけど、ほんとうは殺人をしていなかった人が殺人者扱いされてしまうということにまで発展していきます~。

「会社で事情聴取されたの!」と綾野剛に電話してきた女友達蓮佛美沙子が一人目の証言者




綾野剛がいわゆるバカッターというか、ものすごく幼稚で安易すぎるツイートをしまくるっててほんとムカつきましたよ~。証拠もないし推測が大部分のものを綾野剛の勝手な推理と思い込みでネットからテレビの情報番組まで行ってしまうのですが、そこでの宮根さん風の生瀬勝久さんも最高でした。あと、やっぱりメディアの怖さを痛感したというか、メディアでの情報操作ってこんなにも簡単にできてしまうんだなぁと思いましたね~。とっても怖かったです。そして、ラストでの謝罪シーンも皮肉がきいてて最高でした。アナウンサーだけが事務的に謝罪してすぐ次の話題っていうああいうシーン何度も見たことありますよね~。またネットの怖さもやっぱりあって、誰かが悪意がなくても安易な気持ちで出した本名から、写真が出て住所が出て経歴が出てどんどん本人認定されてしまうというのもとってもリアル。SNSの使い方、ほんと気をつけなきゃなぁと改めて思いました。証言ごとにそのイメージ映像というか回想シーンが同じシーンでも微妙にちょっとずつ違っていたり、同じセリフでもニュアンスがその人人でちょっとずつ違っているというのが撮り方含めうまかったと思いました~。


「女同士はぜったいみんな仲悪い!」感まんさいで楽しかった




役者陣とってもよかったです。菜々緒の正しい使い方だと思ったし、井上真央は役の割にやっぱり美人すぎる気がしたけどよかったし、「さんかく」でおなじみ小野恵令奈さんはめちゃくちゃハマってたと思いました。綾野剛も軽い感じがすげぇハマってたし、やっぱり染谷くんは画面支配力があるなぁ~とか、脇までみんなよかったですよ~。


菜々緒の正しい使い方でした



犯人の設定とか、ネタばらしの展開にはいろいろ無理があるところも多々あったり。さすがに犯人の行動に無理があるし、その計画にまったくリアリティがなかったかも。車の鍵とかどうしたんだろ… 貫地谷しほりさんまわりのエピソードもちょっと引っかかるところがあったし(なんだよあの教師)、最終的に貫地谷しほりがほったらかしになってるのが残念でした。ここで家を出る・前に進む形のラストがほしかった。あとネット=悪というのにちょっと偏りすぎなんじゃねえかな~って思うところも。

「人の記憶は捏造される。都合のいいことしか語らない」というセリフ、まさにその映画だと思います。じゃぁ終盤の井上真央の告白文もそもそもホントのこと言ってんのかな?殺人はしてないですが、いろいろ都合よく盛ってんじゃないの?あのバイオリンユニットがああなっちゃったの、ほんとにそんな理由?ラストのラスト車で…っていうシーン、あんなことないよね?ということは…とかいろいろ考えられることがいろいろあって見終わってから、思い返すたびにどんどん面白くなってきました。

じゃっかん脚本に無理があるところとかご都合主義なところはあるけど、しっかり最後まで飽きることなく楽しめましたよ~。おもしろかったです。



おわり



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スタッフ


監督

    中村義洋 

原作

    湊かなえ

脚本

    林民夫

撮影

    小林元

照明

    堀直之

録音

    松本昇和

美術

    西村貴志

編集

    川瀬功

音楽

    安川午朗


キャスト


    井上真央 城野美姫

    綾野剛 赤星雄治

    蓮佛美沙子 狩野里沙子

    菜々緒 三木典子

    貫地谷しほり 谷村夕子

    金子ノブアキ 篠山聡史

    小野恵令奈 満島栄美

    谷村美月 前谷みのり

    染谷将太 長谷川

    生瀬勝久 水谷

    秋野暢子 美姫の母

    ダンカン 美姫の父

    山下容莉枝 八塚絹子

    TAIRIKU 雅也(芹沢ブラザーズ)

    KENTA 優也(芹沢ブラザーズ)

    SUGURU 美也(芹沢ブラザーズ)

    宮地真緒 間山

    朝倉あき 女子アナ

    大東駿介 江藤慎吾

    草野イニ 小沢文晃

    川面千晶 尾崎真知子

    野村佑香 島田彩


作品データ

製作年 2014年

製作国 日本

配給 松竹

上映時間 126分

映倫区分 G