ドラッグ・ウォー 毒戦
1月20日(月) 14:30~ 新宿シネマカリテ
好き度: ★★★★☆ 4/5点
アクション中も物語がグイグイ進みまくるのはやっぱりさすが!
ジョニー・トーの新作ということでとっても楽しみにしていましたし、今週のムービーウォッチメンの課題映画にもなりましたのでシネマカリテにて鑑賞。前作の「名探偵ゴッドアイ」の変化球ながらとっても愉快な作品で大好きでしたが、今回は予告を観る限りジョニー・トー節炸裂のガンアクションを堪能できそうだったので、とっても楽しみにしておりました(´∀`)
そして、やっぱりおもしろかったです(・∀・)!!!!ヤッター
まず序盤なんですが、いきなりゲロ吐きながら車で店に突っ込むシーンや、コンドームに麻薬を詰めてそれをケツから入れて腸にかくして運ぶ麻薬密輸の団体を摘発シーンから、下剤を注入してウンコといっしょに出させるというシーンが展開。
みんな警察署で泣きながらウンコして麻薬をケツからだしてました(´・ω・`)ウウウ こっちまで腹痛くなる。。
というまぁゲロ、ウンコ、ドラッグととっても悪趣味で愉快なスタート。おもしろくなりそうな予感しかしない!
ゲロ吐きながら店に突っ込んだルイス・クー演じるティンミンは、麻薬密売をしていたのですが、麻薬工場が爆発して瀕死状態で車を運転していたのです。でなんやかんやで捕まりまして、死刑を免れたいティンミンは警察に捜査協力をして、麻薬の取引相手を明かして~と、犯罪者と警察がタッグを組んで、麻薬の根源をあげようと奔走。ま、こんな話なのですが、今回はさすがというべきか、予想以上に物語がグイグイ進んでいくのが特徴だと思いました。余計な説明は省いて物語をグイグイグイグイ前に進めていくので、すげぇライド感があるんですよね。
そして、なんといっても魅力なのがジャン警部!(写真左)
この人の頭のキレる感じと体を張る男っぷりにもう惚れ惚れしました。ガンガン潜入捜査をしたり、なりすましをしたり、捜査のために自ら麻薬をキメたり。しかも捜査でぜんぜん寝れていないのに、後輩たちを気遣う優しさまで持ち合わせていて、ほんとカッコイイヽ(;▽;)/
そして、もうひとつの魅力がやっぱり銃撃戦。ひさびさにガッツリとしたジョニー・トーのガンアクションを見たような気がします。2つ大きな見せ場があるんですが、1つ目が麻薬製造員のろうあの兄弟がいるんですがその兄弟が見せる驚愕のガンアクション!「舐めてた相手が殺人マシーンでしたもの」の片鱗を見たような、超燃えるアクションでした。そのアクション以前と以後の演出の落差がほんとにすばらしかった!
そしてもう1つが予告にも大きく出てる、「13分の超至近距離銃撃戦」!
ここはアクション自体ももちろんカッコイイし、すごいんですが、何よりすごいのはアクションシーン中も物語がグイグイ進んでいるところがすごいんですよね。テンミンはみんなが思ったとおり裏切りを働くのですが。。正直最後の方まで「このお話けっこう風呂敷広げてるけど、どうやって畳むんだろう?」と思ってましたが、その全てをラスト13分のアクションでまとめきったというのが、ほんとうにジョニー・トーは監督としてめちゃくちゃかっけぇなと思いました。そして映画秘宝などでお馴染み真魚八重子さんの言葉を借りるなら、「滅びの美学を心得たガンアクション」こそ俺たちの見たいジョニー・トーなわけで、そんなこんなを踏まえてみる今回の「死に際に足に手錠をかけていた!」というシーンはすっごくグッときました。なにを見に行ってるのかっていったら、ガンアクションとカッコイイ死に際なわけで、期待通りのトー映画でした!が、今までのエグザイルや冷たい雨~など、最高の死に際映画に比べると、イマイチスパークしてない感も感じなくはなかったです。それもこれも全て、早すぎる展開のせいだと思います。感情の掘り下げをも省いてガンガン物語を進めることを優先した結果なのかなぁと。まぁどっちを取るか、うーん。それでも、しっかりとエモく仕上げてきてましたし、この両方を両立する最強のジョニー・トーが近々みれるかもしれないなぁなんて期待を抱いております。期待を込めて8点という数字にいたしました。
映画秘宝を読んで知ったのですが、これでも検閲のせいで銃撃戦を半分に減らされたらしいのですが、フルガンアクションもぜひ見たかったなぁ。しかし、あとどこにガンアクションを足すんだろう・・・笑
おわり。
俺たちのラム・シューも出てたよ!役名はファット。なんというか、この仲間うちのキャッキャ感超いいね。
◆◇そーす太郎的注目ポイント◇◆
ろうあの兄弟がアクションを開始するその瞬間
真魚八重子さんによる最速の毒戦レビューと岡本敦史さんのガッツリしたトーさんインタビューが載ってますのでおすすめ
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スタッフ
監督
ジョニー・トー
製作
ジョニー・トー
ワイ・ガーファイ
製作総指揮
リウ・ヤンミン
グ・グオキン
脚本
ワイ・ガーファイ
ヤウ・ナイホイ
ジョニー・トー
リケール・チャン
ユ・スィ
撮影
デビッド・リチャードソン
音楽
グザビエ・ジャモー
キャスト
ルイス・クー テンミン
スン・ホンレイ ジャン警部
クリスタル・ホアン ベイ刑事
ウォレス・チョン グオ刑事
ラム・シュー ファット
ラム・カートン ドン
ミシェル・イェ サー
ロー・ホイパン チュエ
チョン・シウファイ スー
バーグ・ウー チョウ
フィリップ・キョン クロ
作品データ
原題 毒戦 Drug War
製作年 2013年
製作国 香港・中国合作
配給 アルシネテラン
上映時間 106分
映倫区分 PG12