「ポール・ヴァーホーヴェン/トリック (未体験ゾーンの映画たち2014)」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



ちょっとネタバレあります


ポール・ヴァーホーヴェン/トリック
1月18日(土) 15:50~ ヒューマントラストシネマ渋谷




好き度: ★★★★☆ /5点

6年ぶりの新作はかなり実験的なつくりのサスペンスコメディ!

ブラックブック以来のヴァーホーヴェンの新作なんですが、今回はかなり実験作。映画冒頭の4分を公開し、その続きの脚本を一般応募して、4分ずつ組み合わせて1本の作品にするというもの。

その企画がどのように進んでいくのか、今ヴァーホーヴェンがなにを考えてこの企画を始めたか、というドキュメンタリーが最初の20~30分くらいであります。「一度やったことは二度しない、常に前進しなければならない。ほんとうにロボコップ2はひどい映画だった。」というロボコップ2Disからスタートするヴァーホーヴェン先生によるありがたいお話。撮影風景もちょっと見れたりするんですが、やっぱりヴァーホーヴェンは良い人!ぜったい良い人!ってわかる微笑ましい撮影風景が見れる前半30分。

で、本編に入りますが、はじめの4分が前もって公開された映像。そこからが、応募した脚本を組み合わせたものとなるわけですが。まずこの4分がすごく魅力敵。主人公は会社の社長の中年男でその誕生日パーティが行われてて、ふつうのホームパーティのように見えて、みんながみんな心ここにない感じというか、なにかを取り繕っている、なんとも言えない雰囲気のホームパーティを1階でやっているかと思えば、2階ではドラッグキメた社長の娘とその友達がいてですね、非常に素晴らしいサプライズおっぱいがあったり。かと思えば1階でゲロ吐いてたり使用済みタンポンがトイレに浮いてるのをしっかり見せたり。よっ!ヴァーホーヴェン!よっ!というさすがの演出。

ですが、ここの少ない時間で見せてきたいろんな情報がしっかり後から効いてくるのがやっぱりすごいところで、まさか使用済みタンポンが物語のカギになるなんて思わないわけですよw

主人公はさっきも書いたように会社社長で、傾きかけた自分の会社をなんとかしようと奮闘している中年男なんですが、こいつがすげぇヤリチン!会社の社員に手を愛人にすれば、娘の友達をも愛人にするという絵に書いたようなヤリチン!


オヤジと娘の友達である愛人(←すげぇキレイなおっぱいでした)


で、パーティにいた元愛人である女(妊婦)がやってきて、おっさんを脅して会社を揺さぶってくる、というところからサスペンス展開に入っていきます。


脚本を5分ずつ募集して作っても、しっかりエロくてゲスい、でもちゃんとうまいというヴァーホーヴェン映画になっちゃうんですよね~。まぁヴァーホーヴェンが脚本を選んでるから当たり前なんだけどw でもそんな実験的な作りをしてても、そこらへんのサスペンスコメディまがいの作品よりぜーんぜんおもしろい。めっちゃくちゃ低予算、自主制作なわけで、お金がないとかそういうのはほんとうに関係ないんだなぁと、そしてやぱっりヴァーホーヴェンが大好きだ!と再確認。

60分前後の本編ですが、60分のなかにものすごい情報量やしっかりエロポイント、爆笑ポイントが入ってて、ものすごくおもしろい。

ハサミで腹をぶっ刺しまくる爆笑シーンがオチになるんだけど、ほんとに爆笑しましたヽ(´▽`)/ ピリッと皮肉を込めたラストもまたよし。

そして、ヴァーホーヴェン、またしっかりとした予算で才気ばしった映画をまた見せて欲しい!いや、きっと見せてくれるはず!、とこの映画を見ればそう思えますよ!

小品ですが、かなりの実験作にしてまぎれもない「ヴァーホーヴェン作品」でした。


◆◇そーす太郎的注目ポイント◇◆


ゲテ・ヤンセンさんっていう女優さんのキレイなおっぱい


おわり





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監督
    ポール・バーホーベン
脚本
    キム・ファン・コーテン
    ロバート・アルベルディンク・タイム
    ポール・バーホーベン
撮影
    レナート・ヒレッジ
音楽
    フォンス・メルキース

キャスト

    ピーター・ブロック
    ゲテ・ヤンセン Gaite Jansen
    リッキー・クール
  

作品データ
原題     Tricked
製作年     2012年
製作国     オランダ
配給     アットエンタテインメント
上映時間     89分
映倫区分     PG12