「Seventh code」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




【注】「Seventh code」は前情報をまったく入れないほうがぜったいに良いタイプの作品です。この作品を今後観る予定の人、楽しみにしている人は、この記事はゼッタイ見ちゃダメ!ヽ(`Д´)ノミチャダメ~!!


















Seventh code
1月14日(火) 21:30~ 渋谷シネクイント



好き度: ★★★★☆ /5点

想像してなかったところに連れて行かれる『映画』


Seventh code、都内ではシネクイントで1週間レイト限定の上映ということで、かなり人入ってました。黒沢清監督が、トニーレオンと前田敦子で映画とる企画がありましたが、尖閣問題で流れちゃいましたね。そんなこんなでションボリしてたら、黒沢清がロシアであっちゃんのPVをとってるっていうもんだからとっても楽しみにしてまして、しかもPVが映画としてローマの映画祭で2冠とってたりと、期待値はグングンあがっておりましたよ。

というわけで、映画前半は予告のときに感じた感覚と近くて、前田敦子の確実にある「異常性」もっと言えば「変態性」が抜群に発揮されているような展開。たった一度会ったことのある男性松永にまた会いたい!という一心でロシアまで来ちゃった言っちゃえばストーカー。

どんなに突き放されても、マフィアっぽい怖いおじさんたちに追い出されたりしても、そんなことでは諦めないあっちゃんはずーっと松永を追い続けるのです。

ここまでは予告でもわかる設定ですが、この設定と前田敦子という人間、そしてそれを撮る黒沢清。この座組がすごくハマりまくってると思うんですよね。どんな場面もどこか気味悪く不穏に撮る黒沢清とどこにいても不穏な不安定さが漂う前田敦子。この組み合わせで何本も観たいよね。この前田敦子の変態性とさすが黒沢清!と思わせるしっかりとした不穏な画面作りがほんとうに魅力的です。トウキョウソナタに顕著だけど、ふつうの部屋をほんとうに不気味に撮るよね。常に今いる部屋の後ろにある別の部屋や空間を意識させるんですよね。それが例え昼間であってもすごく不気味。小手先ではない画面作りだとほんとうに思います。

しかも、今回の作品はPVなはずなんですよ。それでもすごく映画的な画面作りがされてて、画面をすごく大きく使うし、引きの画やすごく奥行きを感じさせるショットなど、ほんとうになんて贅沢なPVなんだ、しっかり映画じゃないか!ということですよ。

で、ですよ。想像していた展開から、まったく想像していなかったところに連れて行かれる。しかも一瞬で突発的に連れて行かれるこの感覚はやっぱり黒沢監督的だなぁとか思ったり。でも今回はけっこうまじで想像してないサプライズでした。トニーレオン主演で撮ろうとしていた映画はスパイアクションだったらしいので、その要素も入ってるのかしら。前田敦子がキレキレのアクションで襲ってきた松永をボコボコにして、松永が持っていた銃で松永を殺し、小型核爆弾的なやつを持ってさっそうと帰っていく。まさかのスパイ映画だったという。。前田あっちゃんのアクションは「マジすか学園」ぶりに見たのでなんとなく懐かしくなりましたね(´∀`)

ラストは大金を受け取った前田敦子がヒッチハイクをしてダイナマイトの乗ったトラックの荷台で大声で与謝野晶子の詩を叫び、銃撃戦に突入し、大爆発!という(←観てないとまったくなにがなにやらな文章。)  爆発で終わる映画は100点!と高橋ヨシキさんがよくおっしゃっていますが、この爆発オチはやっぱりまったく想像してなかったのでびっくりしたよ。

その爆発シーンもやっぱりしっかり「映画」として作ってんだなっていうアングルでさぁ、爆発もとっても晴れやか。。

なんにも縛りのないフルスロットルの黒沢清監督だし、間違いなく黒沢清監督がやりたいことをつめこんだ作品であることは間違いないですし、やっぱり大金を黒沢清にわたして自由に映画を撮らせたい!と心底思いましたね~。しっかり黒沢映画でしたし、見たことない黒沢さんを垣間見ることも出来たし、あっちゃんのCDの特典だからといって侮ることなかれですよ!

残念なのは1点。「俺は騙されていたのか~|゚Д゚)))」 ←これ


いや~しかし、変な作品だw

とっても気持ち悪く。気持ちいい。

そんな作品でした。

おわり。



◆◇そーす太郎的注目ポイント◇◆

前田敦子




あっちゃんのアクションが見れるのはこれだけかな?ふつうにおもしろいよマジすか。

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スタッフ

監督
    黒沢清
企画
    秋元康
エグゼクティブプロデューサー
    窪田康志
    磯野久美子
プロデューサー
    荒川優美
    椋樹弘尚
脚本
    黒沢清
撮影
    木村信也
照明
    尾下栄治
美術
    安宅紀史
録音
    藤本賢一
編集
    高橋幸一
衣装
    宮本まさ江
ヘア&メイク
    中村洋子
音響効果
    岡瀬晶彦
劇伴音楽プロデューサー
    和田亨
劇伴音楽
    林祐介
VFXスーパーバイザー
    浅野秀二
アクションコーディネーター
    小池達朗
助監督
    北野隆

キャスト

    前田敦子 高山秋子
    鈴木亮平 松永
    アイシー
    山本浩司


作品データ
製作年     2013年
製作国     日本
配給     日活
上映時間     60分
映倫区分     G