都立高校の入試、終わりました。
人事は尽くしたので、あとは天命を待つのみ。
「おともだちと、カラオケ行ってきていいですかっ!」
「はいはい、どこへなりといくよろし」
というわけで、昨日、お昼からカラオケにくりだしたぽんぽん。
夕方、電話で、
「夕ご飯、みんなで食べてきていい?」
「はいはい、なんでも食べてくるよろし」
ところが7時過ぎにまた電話がきた。
「公園で遊んでたら、警察に通報された……」
「!?」
警察に通報→学校に通報→高校合格取り消し(合格してたらね)
という図式が浮かび、
「えっ! なに、やばっ!」
「だいじょうぶ、『もう帰ってね』って言われただけだから。コンビニで夕飯買っちゃったから、うちの駐車場で食べていい?」
「駐車場!? 寒いじゃないの、上がりなさいっ!」
「わーい」
で、どやどやとうちにやってきた男子3人、女子1人。
「すみません」
「おじゃまします」
と、行儀よく入ってきた。
で、ぽんぽんに詳しく話を聞いてみると、どうも夕飯を食べる場所を決めかねて、公園で食べようということになったらしい(この寒空でか……)。で、食べる前にひと遊びしていたら、近隣住民からうるさいと、警察に通報が入ったそうで、警察官がやってきたとのこと。
警察官がぽんぽんと、そばにいたもう一人に声をかけた。
「えーと、何人で遊んでるの?」
ぽんぽんの答えは、
「5人です。でも、いま『ぽこぺん』やってて、三人隠れてるんで、どこにいるかわかりません」
もうすぐ卒業しようという中三の男女が五人であつまって、夜の公園で、よりによって、ぽこぺん……。
警察官は、
「……そうなんだ。でもここにいると、また通報されちゃうかもしれないから、今日は解散してくれる?」
とやさしく行って、念のためにと、一人だけ名前を聞いて、
「気をつけてねー」
くらいな感じで、帰って行ったらしい。
警察官も、「ぽこぺん」というのどかな語感に毒気を抜かれたんだろうなと思う。
「たぶんねえ、『ぽこぺん!!』っていう声が大きかったんだろうな。そんなに騒いでなかったんだけど」
とは、ぽんぽんの弁。
「また、なんで公園だったの?」
「いやあ、中学生だけでファミレス入るよりいいのかなと思って」
夜の公園の方が怪しいよ……。
こどもたちは二階にあがって夕飯を食べていたので、一応そこに行って、
「誰が名前聞かれたの?」
と聞くと、男の子が手を挙げた。
「そか。代表になってくれてありがとね。もし学校から何かいわれたら、ぽんぽんに言ってね。おばさん、説明しに行くから。それにみんなの名前も出すよ。みんなも、それはしかたないよね」そう言って、みんなの顔を見たら、みんなためらいなく頷いて、この子達、のどかに育ったいい子たちなんだなと、ほんわかと幸せな気分になった。
階段を降りて玄関に行ってみたら、子供達の靴がきちんと揃ってて、
「うん、ほんとに、いい子たちだこと」
と、満足して居間に戻って、水割りとか飲みながら、池上彰さんの特番を見ていたのだけど、二階からはコトリとも音が聞こえてこない。なんか不思議に思って、そっと聞き耳を立てていたら、ときどき、楽しそうな笑い声が漏れてくる。
「お家の人がいいって言ったら、10時まではいていいよ」
と言ってあったのだが、そろそろ10時だ。声をかけようかなと思ったけど、あの子たちならちゃんと時間を守りそうだなと思って、放っておいたら、10時きっかりに、ぞろぞろと降りてきた。
「おじゃましましたー」
「ありがとうござましたー」
「はあい、気をつけてね。女の子、送って行ってよ」
「はあい」
「おかあさん、ありがとね。みんな、『屋根がある』『あったかい』って喜んでたよ」
と、ぽんぽんが言うので、
「いいけど何してたの。すごい静かだったよ」
と言ったら、カードゲームをしていたのだそう。
「おばあちゃん寝てるから静かにしてね、って言ったからね」
「へえ」
ぽんぽんは、学校生活は今が一番楽しいのだそうだ。
「今から比べると、一年とか二年とか、つまんなかったんだなと思う」
と言っていて、
「もう、内心関係ないし、学校サボってどっか行こうよー」
と誘っても、
「ごめん、学校楽しいんで、休むのもったいない……」
といって、乗ってこない。
いいお友達に恵まれて、よかったね、ぽんぽん^^