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《第60話・前半》
「本当の自分」に出逢うというセミナーを
受講してから、約１ヶ月後の6月下旬。
私は別の角度から「本当の自分」を
体感するもう一つのセミナーに参加した。
今回の受講では、「自分の使命、天命は何か」
という明確なテーマを持って臨んだ。
前回のセミナーでは、フルコミッション営業の
業績低迷で、生活すらままならない
八方塞がりの状態から抜け出すために挑んだ。
その時、これまでの人生で感じた事の無い、
深いところから湧き上がる心を味わい、
受講後は、自分の身に次々と起こる、
思いもよらない変化を、まざまざと実感した。
しかし、生活に目を戻せば、
いまだ収入は無く、事実上の
無職の状態だった。
折角、新しい道に進むのだから、
今度こそ、本当に自分の使命を果たせる
仕事に就きたい・・・
そのためにも、使命・天命を
このセミナーで見つけるんだ！
そういう気持ちで臨んだ。
補足になるが、本来、「本当の自分」に出逢う
ということは、何か特定の答えや固定的な目的を
叶えるためのものではない。
私自身も、それは承知してはいたのだが、
この経験を、この先の人生を歩む上での
きっかけにしたいという強い想いがあった。
私たち人間の通常の意識次元で見える景色は、
様々な障害があるように思えるものだが、
もっと高い意識次元から物事を見れば、
そこには何の隔たりも分離もなく、
ただ、使命を果たすために用意された課題が
自分の人生に用意されているに過ぎない。
このことを理屈ではなく体感で理解することで、
「本当にそうだな」
「いや、そうとしか思えない」
と思えたなら、「そう思おう」と
努力する必要などなくなり、
自然と使命に導かれていくだろう。
しかし、前回のセミナー同様に、
周囲がどんどん、体感した時の感動を顕す
著しい表現をする中で、
私自身は、かなり苦戦を強いられた。
それでも私は、とにかくひたすらに、
講師の指示に従って、ワークを続けた。
そして、何度目か、何十回目だったろうか、
講師から指示されたワークを続けていた
ある時、その瞬間は訪れた。
「・・・あぁぁ、そうか！
私は今まで、使命や天命とは
自分の価値観で、
こういう仕事じゃなきゃ嫌だ、
これだけの収入がなければダメとか、
そういう観点で見ていたように思うが、
そうじゃなかった！
この『本当の自分』で生きる事が先で、
その結果として、自分の目の前に
示される仕事を、精一杯の真心で、
一つ一つ全力でこなしていく事こそ、
自分の使命であり、
自分の天命を全うすることに
繋がっていくんだ！
どういう仕事がいいのだろうか、とか、
何をしなきゃいけないのか、とか、
そういう固定的なものを考えていたが、
そうじゃない。
本当の自分で生きていった結果、
工事現場でも、ビル掃除でも、
どちらも私はやったことあるけど、
そんな仕事だって何だっていいんだ。
職種とか、キャリアとか、
何も関係ないんだ。
本当の自分に目覚め、
その普遍意識を現実に顕し、
その意識で人生を生き切ることこそが、
使命なんだ。
その過程で、自分が導かれる仕事が
あるだけなんだ・・・」
【※重要】本記事に表現しているセミナーは、私の本来の役割を果たす上で必要な学びという過去のプロセスであって、私自身がお薦めできる手法ではないことを重々ご理解下さい。
（後半に続く）
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