第10期マイナビ女子オープン本戦1回戦開幕局、
和田あきVS室谷由紀戦は、78手で後手の室谷由紀が
勝ち、2回戦に駒を進めました。

関西出身、大学を中退して関東に移籍し、アマ強豪の
姉を持つ室谷に対し、関東出身、大学進学のため
関西に移籍、アマで活躍する妹を持つ和田と、まったく
正反対の環境の二人の対決は、経験値で一歩リード
する室谷の完勝となりました。

先手和田あき、居飛車銀冠に対し、後手室谷由紀、
三間飛車美濃から四間飛車に以降。後手が浮き飛車に
上がったところで先手から角交換、後手はそのまま
銀を上げて2筋の歩の交換を狙い、そこから飛車を
ぶつけて飛車交換を狙いますが、先手は角をいったん
打ち牽制。後手は当初の狙い通りに飛車をにらませ
ますが先手は交換を拒否。後手はいったん飛車を下げて
棒銀気味に攻めを進める態勢に持っていきます。

後手は先手飛車先をにらむ角打ちで優勢に立つと、
銀交換から角が前進。飛車を上げて角に当てると
後手は飛車が前進、角を捨てての飛車成りか、飛車の
交換を迫ります。ここはやむなく先手は角を取る手を
選択。後手は角を犠牲にして飛車成りを決行します。

竜を重要な拠点に置いた後手は離れ駒となっている
金を中央に上げて防御に生かします。かたや先手は
端攻めで後手玉をおびやかそうとします。
先手は奪った角を相手陣に打ち込みますが、これが
なかなか有効には生かせない。その隙に後手は角当ての
桂馬打ちで一気に先手玉に迫る構えを見せます。

先手は攻めに使いたい飛車を自陣に引きつけますが、
後手はここで奪った香車で飛車を攻めます。受けに歩が
ない先手はやむなく角と交換。駒割的には後手は角を
奪っただけに対して先手は香金を取って2枚替えには
なっていますが、守りに引いた飛車を中央に動かして
しまったのが結果的には敗着となってしまいました。

後手室谷由紀は先に打った桂馬を要に銀打ちであっさり
先手陣を崩し、やすやすと竜が先手玉の真下に侵入
しました。
一手隙ができて手番は先手和田あきに回りましたが、
自玉が詰めろ状態では有効な反撃も出来ず、ほとんど
形作りの状態で投了に追い込まれました。