マイナビ女子オープン本戦準々決勝、貞升南VS里見香奈の対局は、68手で後手の
里見香奈が勝ち、準決勝に駒を進めました。」

先手貞升南居飛車の出だしに、後手里見香奈はゴキゲン中飛車。なので先手は
超速銀で迎えますが、後手は5筋の歩を伸ばして角交換要求。先手は6六歩を上げて
断ります。ならばと歩の交換から後手は銀を活用する手に。

先手は後手の角を角筋からそらさせてから銀を前進させて角を軸に攻め込む態勢を
見せます。ならばと後手は銀をぶつけに上がりますが、先手は拒否。銀を4四に
ずらせて飛車先に歩を打って飛車道を止めます。後手の銀が前に上がったので
チャンスと見て先手は飛車角交換から銀桂両取りに角を打ち込みますが、これが
いささか早計だったかも。銀を守られてみれば、桂取りに角が成ったところで
飛車を通されれば馬の自由度がぐっと減ります。やむなく打ったばかりの歩を
捨てて後手自身の銀で飛車道を遮る手に出ますが、後手も飛車の打ち込みで
玉を横から攻める構えに。こうなると使えていない先手の角が壁になって
先手玉の逃げ場所がない状態に。

先手は飛車狙いに飛車のこびんにある金を狙って銀を打ち込みますが、後手は
銀が上がって飛車道を再度開きます。後手の方が手が早く、飛車は取れない
状態に。やむなく取ったばかりの桂馬を貼って飛車道をふさぎますが、
後手は上がった銀が攻めの拠点となってもう飛車には用なしの状態。先手の
守りの金を攻めることに。

後手里見香奈はとりあえず金の守りに飛車をずらせて金銀交換に。先手貞升南は
馬がすべりこんで飛車取りに出ますが持ち駒が出来た後手は飛車にはかまわず
取った銀を打ち込んで先手の守り陣を崩しにかかります。
取って打って守っての千日手になりそうなところ、後手は不要な飛車を切り捨てて
これでゲームセット。攻め駒十分の五手の攻めの前には防ぎきるだけの余裕もなく、
格の違いを見せつけられた格好で投了に追い込まれました。

準決勝進出を果たした里見香奈ですが、次回の相手は里見咲紀と西山朋佳の
勝者と言うことで、可能性は低いかと思われますが、公式戦での姉妹対決が
見られるかもしれないとの期待が高まります。

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挑戦者加藤桃子が2勝1敗で女流王座奪回まであと1勝と迫った、女流王座戦
五番勝負第4戦は、92手で里見香奈女流王座が勝ち、角番をしのいで、決着を
最終戦に持ち込むことに成功しました。

先手加藤桃子イビ穴に対し、後手里見香奈は中飛車銀冠で後手のゴキゲン中飛車に
先手超速銀と両者想定済みのようで手がどんどん進んでいきます。
両者とも銀が4段目に上がって睨み合う形から先手が角を8六にあがりますが、
後手は8・9筋の歩が上がって、角を追い返します。そこで後手は角を4二に引いて
穴熊玉の正面を狙う作戦に出ます。

先手は金銀2枚と角で穴熊玉を守り、金銀2枚が攻撃態勢。銀をぶつけて出ますが、
後手は3七に上がっている桂馬を目標に歩を突いてきたので、先手は飛車が上がります。
ここで銀交換で先手の金が上がったところで先手角頭の歩を突き、先手は飛車が回って
歩の交換となります。後手は角の紐が付いているので取った飛車頭に銀打ち。飛車が
逃げると続けて角頭に歩を打ち角を下げさせて拠点を作って8筋攻撃に出ます、
後手が8筋の歩を交換して銀が出ると、以外にも先手は角銀交換に出ます。
ここは何か勝算があるのか。先手は後手玉頭の銀を釣り上げて桂頭に銀を打ち込み、
直接後手玉を狙いにいきました。

先手は構わずに直接穴熊玉を守る銀頭に歩を打ち付けます。ここは穴熊を守るために
銀は動かさないところでしたが、先手は銀で取り、穴熊の入り口が開きました。
ここで角の打ち込みからの一気の攻めも考えられるところでしたが、後の展開に
自信が持てなかったのか、後手は角の成り込みだけにとどめて手番を渡しました。
先手は落ち着いて8八の穴に歩を埋め込みます。ただ後手玉頭に歩が打てなくなった
ので、仕切り直しという所でしょうか。後手は安心して成り込んだ馬で桂馬を取って
先手飛車の頭に狙いを付けます。

先手は6筋の歩を突いて闘い開始。後手は予定通り馬で飛車頭の金取りから馬飛車
交換で飛車が前進。飛車取りに角を打つ先手ですが、見捨てての桂馬打ち。
桂馬交換で穴熊から玉を引きづり出した後手里見香奈は再度の桂馬打ちで守りの
金もうわずらせての飛車の打ち込み。穴熊の弱点が露呈した形は先手加藤桃子の
死角になっていたのか、後手の一気の寄せが決まってしまいました。

この二人のタイトル戦では防衛が一度もないという。そのジンクスを破って
里見香奈が防衛を果たすか、あるいは加藤桃子がタイトル奪回で永世女流王座の
資格を得るか、決着は12月22日に持ち越しとなりました。


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マイナビ女子オープン2回戦、伊藤沙恵VS中倉宏美の対局は、109手で
先手の伊藤沙恵が勝ち、準決勝に駒を進めました。

先手伊藤沙恵、後手中倉宏美、相居飛車で開始され、先手は居玉のまま角を
引いて2四の地点を睨みます。対する後手は角を3三に上げて守り、玉を
移動させて矢倉に組もうかとするところです。

お互いの右銀が4段目に上がったところで後手が6~8筋の歩を突いて攻撃開始。
対する先手も2四で攻めを開始。後手が7筋の銀を攻めると先手は銀を上がり
ますが、後手は先に上がっている桂馬を支えに銀をぶつけます。これを食うと
桂馬が飛んでくるので先手は銀を取らせて金が上がりますが、後手は2八に
歩を打って角を上がらせ、7筋に歩を成って先手玉の回りから駒をなくさせて
いきます。

先手が7筋に歩を成り、後手の飛車を端に追いやりますが、後手は先手玉頭に
銀を貼って裸玉を脅かします。
先手は目障りな玉を脅かす銀をさらいますが、後手は代わりに出る歩が再度
先手玉頭を脅かします。

ここで先手は桂馬が飛びだして後手玉頭に楔を打ち込みます。この桂馬が
少々うるさいところですが、後手は端に追いやられていた飛車を中央に回し、
直接先手玉を狙います。
先手は冷静に角が利いている5五に歩を貼って支えます。ここで大きく駒を
交換すると後手玉が寄ってしまうと言うことで、後手は慎重に対応。
角交換から王手で飛車が出ます。王手金取りに見えて、金を取ってしまうと
その先に王手飛車の手があるようなので、底から角打ちの王手で王手飛車を
ふせぎながら。先手先手と攻めを間に合わせようとします。

先手伊藤沙恵は合駒で対応。後手中倉宏美は飛車切りと角成りで最後の攻め。
この攻めが空振れば先手の必勝となるので慎重に手を読む後手ですが、
守り切れば勝ちが見える先手も最善の受けを読みます。

先手は玉が単騎で攻めの要の桂馬を取りに行きます。先手玉への寄せが無く、
逆に後手玉に詰めろがかかっているため、後手は受けの駒を打ちますが、
先手は馬取りに銀を引き、それが同時に飛車道を開けることとなって、
後手玉に詰めろが再度かかりました。

なんとか逃げ道を作ろうとした後手でしたが大駒2枚と桂金を持つ先手の
前では逃げ切ることは不可能。しっかりと寄せきられてしまいました。

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里見香奈倉敷藤花の先勝で始まった第24期倉敷藤花戦三番勝負第2局は、
先手里見香奈が121手で勝ち、2連勝でタイトル防衛しました。

先手里見香奈、居飛車の出だしに、後手伊藤沙恵は向かい飛車に組みます。
駒がぶつかる前に玉を固め、先手美濃に対し、後手銀冠に組みます。
互いの銀が4筋4段目に上がったところで、先手は33にある角を狙い目に
飛車を動かせば、後手も飛車を3筋に合わせます。

先手が3筋に歩を前進させると後手は角を7七に転換させ、飛車がにらみ合う
形に。先手は3三に歩を貼って銀成り。後手は飛車先を止めて角成りに出ようと
いうところ、先手は飛車を1八に回して香車を守ります。
そこで歩を前進させ、歩成りから取った桂馬を奪っての角成り。先手は角を
対抗させて角交換としますが、すかさず後手は角の打ち込みから桂馬の援護で
再び角成りを決めます。

先手は後手玉の横は歩と成銀で押さえたので、今度は正面からの攻め。
後手玉頭を弱体化させた後、歩成りから桂香を奪っていって、持ち駒を
増やしていきます。

後手は攻めがうまく進まず、その間に先手は貼った角を自在に動かして
後手玉を脅かします。ならばと角交換に出る後手ですが、先手は角が切り込んで
眠っている飛車を交換に使い、取った飛車を後手陣に打ち込んで早くも
優勢の形を決めます。

後手も先手陣に打ち込んだ飛車が怖いところ、角打ちとの合わせ技で
先手玉を追いかけますが、先手が馬取りに戻った竜を攻めるところ、
ここは飛車交換を選択。互いに飛車を手持ちにしますが、手番を得ている
先手が途切れない攻めを続けていきます。

手番が取れれば先手玉への一気の攻撃ものぞめる後手伊藤沙恵でしたが、
先手里見香奈はその隙さえ与えないまま、連続攻撃で一気に後手玉を
追い詰めてしまいました。



挑戦者加藤桃子が2連勝でタイトル奪還まであと1勝と迫った、第7期女流王座戦
五番勝負第3局は、117手で先手の里見香奈が1勝を返し1勝2敗と挽回しました。

後がない先手里見香奈は先手番ゴキゲン中飛車で、対する後手加藤桃子は
角道は後回しで飛車先を延ばす居飛車で対抗。先手の角を7七に上げさせて、
超速銀で迎えます。
先手は5筋の歩を伸ばして歩の交換。飛車を1段目まで下げると、5四に歩を打って
拠点を作り、7筋を突っかけるなど早い攻撃をしかけます。

ここで後手は飛車を5二に回して受けますが、かまわず先手は銀を上げて後手の銀に
ぶつけます。これは避けた後手。ならばと7筋の歩を突きだし、桂馬を上げさせて
角が飛び出しますが、歩を貼って桂馬を支えます。先手も桂馬を上げ出てきそうな
後手の銀を下げさせてから攻めの継続で4筋の歩を上げます。
玉はお互い美濃に固めています。

先手は9五に上げた角が動きの取れない状態になっていますが、この角は見捨てた
ように見えます。後手はこの角を取る動きに出ますが、先に先手は角を切って
桂馬を取りますが、この手に採算があるのか。
先手は後手の桂馬が無くなったので桂馬を中央にはね、5三の地点に成り込んで
駒の交換から奪った菌を打ち込み、後手は狙われた飛車を8筋に回します。
先手はと金を作って相手陣に攻め駒を増やしますが、駒損で継続手が難しく
なっています。

先手は最後の持ち駒の桂馬を貼って攻めの継続をはかります。しかしぎりぎり
残せると読んだ後手はここで攻めに転じます。先手が桂馬を交換に出れば
その桂馬をもらったつもりでの態勢に出ます。先の先を読んだ先手は守りの
態勢を崩してまで受けきる手に出ます。
ならばと角一枚を犠牲にする読みで攻防の角打ちとする後手。誘いに乗って
桂銀交換から銀打ちで攻める先手。どちらが読み勝っているのでしょうか。

ここで後手は読みに自信が持てなくなったのか、攻めをあきらめて一旦
受けます。余裕を得た先手もここは一旦守りの手を打ち自陣を固めてから
攻めに入ろうとします。この瞬間、一度は逆転を見せた攻防が、再度逆転した
模様です。

守りを固められてしまうと、後手が打った角は使いづらく、飛車成りと
交換に角を与えることに。飛車成りは出来てもまだ先手玉には遠く、
その間に角を手に入れた先手は一気に後手玉に襲いかかります。

後手加藤桃子は先手飛車をおびき出し、金1枚あれば先手玉を詰ませる
形に持っていきますが、駒を渡さずに後手玉を寄せきれると読んだ
先手里見香奈は宇受けきりから一気の寄せを目指して手番を待ちます。

後手が竜を何とか使おうと言ううちに駒不足となり、先手の飛車を取る
以外の道はなく、先手としては飛車を渡しても受け切れれば勝ちは
見えてきました。
必死の守りを見せる後手ですが、先手は駒を渡さずに後手陣を切り
崩していきます。最後のお願いに飛車を敵陣に打ち込んだ後手ですが、
これは形作り。しっかり受けきった里見香奈が加藤玉をきっちり
寄せきりました。