挑戦者里見香奈が2連勝し、タイトル奪還まであと1勝とした、第6期リコー杯
女流王座戦五番勝負第3局は、106手で後手の里見香奈が勝ち、3連勝で
タイトル奪取。五冠王に返り咲きました。

後がない先手加藤桃子、居飛車の出だしに、後手里見香奈はゴキゲン中飛車に
出ます。すかさず超速銀で迎える先手。どんどん銀が前に出てくる先手に対し、
後手は角を上げて迎えますが、かまわず先手から2筋の歩の交換。後手が守りに
歩を打つと、いったん飛車を下げますが、先手はさらに歩を打って歩の交換から
銀が進出。金銀交換はしたくない、と後手はかわしますが、ならばと桂頭に歩を
打って無理にでも飛車を侵入させようとします。

ならばと後手は5筋の歩を伸ばし、先手が飛車を成り込むか立ちすれば王手飛車を
かけようとする構え。さすがにそれはごめん、と先手は角交換。邪魔な5筋の歩を
処理しますが、後手も飛車が前に飛び出します。左右に飛車がゆさぶりをかける
ところ、先手はとりあえず桂馬を奪ってと金作り。後手も先手の飛車先に歩を打って飛車が成り込もうという姿勢。先手は飛車が前に出られなくなりましたが、替わりに
と金を後手玉に近づけていこうとします。
後手は角も打ち込んで手前に引いて角成り。さらに飛車を2筋に回して、先に
打った歩を成り込ませて、と金を犠牲にして竜も作ります。
先手は飛車を回して最悪交換ですむようにしますが、後手はせっかく成り込んだ
竜を引いてしまいます。

自陣への脅威が減ったと思い込んだ先手は後手玉狙いに攻めを攻撃を
仕掛けますが、後手が馬を一つ下げると、それは先手玉のこびんに当たり、
さらに竜が回れば一気に先手玉への寄せにつながりました。
これは読みには入っていなかったのか、慌てた後手は自玉の整備。しかし
後手も駒を足して一気の攻めを狙います。
駒が足りていれば後手玉への一気の寄せもあったところ、急遽、予定通りの
攻めを行いながら奪った駒を守りに使う後手。しかし後手は落ち着いた
手順で先手の守り陣を破壊していきます。

自玉への一気の寄せがないと読んだ後手里見香奈はゆっくりと攻める順に
以降。後がない先手加藤桃子は最後の反撃を試みます。しかしここで
先手玉の守りの要の金頭に歩打ちの強烈な一撃。これを取れば先手玉に
詰めろがかけられ、一気に勝負が付いてしまいます。
ここはあきらめきったのか、形作りにするつもりか、先手は受けを放棄して
攻めを敢行。しかし後手玉へ必至をかけるのが精一杯。
手番の回った里見香奈の確実な寄せが決まり、決着がつきました。、

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挑戦者室谷由紀の先勝で始まった、大山名人杯倉敷藤花戦第2局は、
90手で後手の里見香奈が勝ち、1勝1敗のタイに。決戦は最終戦に
もつれ込みました。

先手室谷由紀、四間飛車に対し、後手里見香奈居飛車の出だし。
後手が8筋を伸ばしたので、先手7七に角を上げ、左銀を5七に据えて、
4八に玉を据え金銀4枚で囲む形にすると、後手はイビ穴で迎えます。

先手は4筋に角を上げて飛車先をこじ開けようとするかまえ。後手は
金銀角で守る姿勢に、先手は玉を3九にもぐらせました。
先手が角を5五に上げると、後手は8筋をついて飛車を成り込ませ
ようとします。
先手は角成り。後手も角が上がって飛車成り込みを阻止する飛車に
当て、先手が穴熊攻略にかかろうとする間に、角飛車交換から飛車を
成り込ませます。しかし竜当たりに打った角が後手玉のこびんをも
狙っているので、せっかく成った竜と角を交換します。

しかし先手玉が3九にいるままなので、角打ちが浮き駒の金と香車の
両当たりとなり、やすやすと角成りを許してしまいます。金銀4枚で
一見守りが堅そうな先手陣でしたが、馬を作られてしまうとこれが壁に
なり、先手玉は大ピンチに陥ります。

後手里見香奈は飛車をも9筋に打ち込み一気に先手玉を寄せる構え。
先手室谷由紀は攻め駒で奪った銀を守りに使いますが、挟撃をかける
後手に対しては逆に右側に壁を作ったことにも。
5枚の金銀の守りがこんなにもろいとは誰も信じられないままの、
あっけない幕切れで里見香奈が完勝をはたしました。



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マイナビ女子オープン本戦1回戦第8局、貞升南VS清水市代の対局は
127手で先手の貞升南が清水を堂々と破る金星で勝ち準々決勝に駒を
進めました。

これで1回戦がすべて終了。準々決勝進出者は、西山朋佳、中倉宏美、
上田初美
、貞升南、香川愛生、甲斐智美、里見香奈、室谷由紀の
8名となります。

先手貞升南、後手清水市代、相居飛車の出だしに、双方角を一段目に下げた
状態で、後手が向かい飛車に振りました。玉はお互い7筋まで移動。
後手が6~9筋まで歩を4段目に上げている関係で、後手玉の頭が厳しい
状況。それを見た先手は8筋を上げていきますが、こちらも玉側の歩が
5~9筋まで上がっている状態なので、攻め込まれると危ないのですが、
金銀3枚が守りにかかっている分、先手に分がある出だしと言えるかも。

先手は玉が8八に入り銀冠に整備。その間後手も8二に玉を置き、金銀を
寄せて行きます。時間がかかるところで先手は右銀を繰り出し、それに
合わせて後手飛車が左右に動きます。

先手が3筋に狙いをつけ、飛車を3六に回したところで後手も飛車を
合わせますが、先手は2筋の歩を切って後手の金を釣り上げてから桂馬
先に歩を打ち込みます。これを飛車で取れば金がただになるので取れません。
先手はと金作りから香車を奪い、やりたい放題。

ここで後手から戦いが開始されます。
3五の地点に先手は飛車角銀が狙いをつけ、対する後手は飛車金と
歩越しに間接的に角も合わせています。ここで後手から飛車頭に歩を
打って、金銀交換飛車交換で先手角が前に出たところで後手は飛車の
打ち込み。角の前進を阻止します。対する先手も飛車の打ち込みで守ります。

後手に金があれば先手玉を一気に攻略できるところですが、金は先手が
手持ち。その金を角取りに打ち込みますが、後手にこの金が入れば、
いっぺんに先手玉が寄ってしまうので、これは急ぎすぎたか。

ここをチャンスと見た後手は端攻めで先手玉の逃げ道をふさごうとしますが、
先手は守りに香を打って飛車の横からの攻めを防御、さらには橋に攻め
込まれた歩を銀で取ります。ここでの交換は先手の香車が残り、後手と
しても端が急所のため、安易な交換ができません。やむなく角取りに竜を
上げますが、予定通り先手は角取りから、角の受けがなくなったので
角を4四に上げて、攻撃に加えます。後手の見落としがあったのか、
先手が
一気に有利になっていきました。

しかしただではすまさない後手清水市代は竜飛車交換を狙い、飛車を
手持ちにして9筋で駒を釣り上げて飛車を打ち込む狙い。先手貞升南は
後手の攻めが決まる前に寄せ切りを狙います。飛車を取った清水が
先手玉に詰めろ。そこは読みの内。受けに用意した桂馬はねに清水は
長考。必至をかけた瞬間に寄せられる可能性があり、持ち時間いっぱい
使った結果、必至はあきらめて龍を引いて自玉を守る手を選択しました。

持ち時間がすでになくなっている貞升でしたが、清水が長考したのが幸い。
しっかり読みを入れ、寄せを確認。一気に後手玉を寄せ落としました。

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里見香奈倉敷藤花に室谷由紀女流二段が挑戦する、倉敷藤花戦三番勝負
第1局は、136手で後手の室谷由紀が先勝しました。昨年度の女流名人戦
第4局で清水市代に敗れて以来、15連勝を続けていた里見香奈の連勝も
ここでストップしました。

先手里見香奈居飛車の出だしに、後手室谷由紀は角筋を止めての中飛車から
四間飛車に移行します。玉形はお互い、美濃から銀冠に移行。
先手が3三に上げている後手の角を目標にしたので、後手は飛車を3筋に移動。
先手が5筋での歩の交換から 位を取って角を回したところで、後手は飛車を
再び5筋に。先手も合わせて飛車を中央に振ります。

後手が前に出ている先手の銀を狙って桂馬を上げると、先手は飛車を再び
2筋に回し、飛車の成り込みを狙います。歩の交換から角交換を狙いますが、
後手は角を逃して交換を拒否。そこで成り込みを阻止している飛車を動かせて
先手は飛車を成り込ませます。

後手は飛車角を有効に使う道を選択。なんとか阻止したい先手が駒を繰り出し
ますが、後手はのらりくらりとかわして、先手玉に迫る勢いを見せます。
先手は不利と判断。玉を9筋に逃がしますが、ならばと端攻撃。しっかり端を
押さえた後、前線の7七の地点で金交換、角交換が行われ、先手の守り陣が
薄くなったところで後手からの端攻撃が炸裂します。

里見香奈らしくない裸玉の必死の逃げに、優位を意識した後手室谷由紀の
攻めが炸裂します。金2枚防衛の壁の底に馬を据え、9筋での攻防は
圧倒的に後手有利で進めて、先手玉は逃げ場所がありません。駒を
追加しての守りも焼け石に水。ならばの攻撃も軽くかわされ、終盤得意の
さしもの里見も受けのやりようがなく、今期初黒星を喫しました。、


マイナビ女子オープン本戦1回戦第7局、上田初美VS北村桂香の対局は、
111手で先手の上田初美が勝ち、準々決勝に駒を進めました。。

先手上田初美、居飛車の出だしに、後手北村桂香はゴキゲン中飛車。
先手は超速銀で迎え撃つと、後手は早くも5筋の歩の交換。直後に
先手から角交換で桂馬で取らせた後、その桂馬を狙って3筋の歩を伸ばし、
後手が桂馬を飛ばして5七の地点を狙うと、先手は駒を足して守りながら、
2筋の飛車先の歩の交換で飛車先を軽くしますが、後手は角の打ち込みから
馬を作って、攻めの態勢を作ります。

後手の飛車が最前線に出ていて目障りなので、先手は角打ちで飛車を
追い払い、じっと引いて守りを固めますが、角の直当たりになっていた
後手の金銀が自由になって、後手は遊び駒になっていた金銀を繰り出しに
かかります。

先手は攻められてはいるものの、囲いは十分でまだまだ余裕があるところ。
対する後手は先手の飛車を押さえ込んではいる物の、攻め駒が相手陣形
から遠く、また玉の守りも薄いので攻め込まれると厳しい物があります。
お互いの攻めのどちらが早く相手玉に届くかが勝敗の分かれ目となった
ようです。

後手はようやく金が最前線まで出てきて金銀交換で銀を手持ちに。
先手は後手玉頭の8筋をついて穴を開け、攻められそうな角を前に
押し出して成り込もうという態勢に持っていきます。

攻め駒を残したい後手は最小の受けで守ろうとしますが、ここは先手は
押し切りたいところ。角切りから攻めの拠点を作って後手玉を挟撃態勢で
囲もうとします。

挟撃にされる前に逃げ切りたい後手北村桂香。先手上田初美は守りを
固めながら飛車先を通し、挟撃態勢の維持を図ります。これはどうしても
ほどけない。さりとて持ち駒だけでは攻めきることも難しく。無念の投了と
なりました。