幕末に燦然と輝く志士たち。その中でもひときわ大きな輝きを放つのが、長州の英雄、高杉晋作です。ちょうど来年の大河ドラマ「花燃ゆ」は、吉田松陰の妹が主人公とのこと。私は松陰先生を心から尊敬していますが、その門下生で最も好きなのは、鬼神のごとき行動者、高杉晋作です。
 

1864年、長州藩は窮地にいました。会津藩や薩摩藩により京都から追放され、四国艦隊下関砲撃事件の失敗、更に幕府による長州征伐部隊が編制されるなど、存亡の危機でした。それを受けて藩内では、幕府に恭順をとなえる「俗論派」が実権を掌握、これまで藩の改革を行ってきた「正義派」は次々と弾圧されます。
 

晋作も身の危険から、藩外に逃亡していましたが、正義派の家老ら7人が処刑されるという衝撃的な事件を聞き、俗論派打倒を決心。長州藩に帰国し、自分が創設した奇兵隊を動かそうとします。しかし賛同者は、伊藤博文などわずか80人ほど。大半は、俗論派を討つためとはいえ藩主に弓ひくことをためらったり、圧倒的兵力を有する藩正規軍と戦うことに反対でした。
それでも俗論派打倒に燃えた晋作は、死を覚悟し遺書を託した上でクーデターを起こし、そのわずかの人数で、2000人規模の俗論派に決死の戦いを挑みます。

続く…



(写真の出典:Wikipedia)