「英雄の中の英雄」楠木正成を、日本人はもう一度見直すべきと、先月私は書きました。しかし正成は、高い志だけでなく、したたかな合理性、そして深い人徳も持っていたのです。

 当時の重要な資源だった水銀を、独自に採掘、流通させる、合理性がありました。また、敵方であった足利尊氏でさえ、戦死した正成の首を丁寧に葬るほどの、人徳がありました。

 歴史は書き換えられます。私たちが知っている歴史が正しいとは限りません。しかし行動はウソをつけない。一族が100年以上反抗を貫く信念の強さや、敵でさえ尊敬する人徳は、本物としか言いようがない。

 日本には、尊敬できる、素晴らしい英雄がいたことを、子供たちにも伝えていきたいです。そのためにも、私たち大人がもう一度、正しい歴史を知らなければならないと私は考えています。
(『いどばた稲毛』2010年9月号掲載)


千葉から、日本維新! 日本維新の会・田沼たかしの挑戦-楠木正成像(写真の出典:Wikipedia)