「摂食の記憶」 シリーズ、

こちらの記事の続きです。


右 Vol.24 摂食の記憶。 ~嘘つき①


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ある日、当時うちで飼っていたネコブタネコが、何かをゴソゴソ漁っていたので

不思議に思った母が、確認してみたら、

私のスカートスカート。でした。



「なんでスカートがここに・・・?」


そう思い、片付けようとそのスカートを手に取ってみたら、

なんと!スカートのポケットの中にいーっぱい、


残飯


が詰まっていたそうです。


当時私は、あらゆる食べ物の、

カロリーカットをすることに必死でした。


分かりやすく言えば、てんぷら海老天は衣を全部外して、中身だけ食べる。

卵も、カロリーの高い黄身の部分は外して、白身だけ食べるとかね。


で、それを、基本的には捨てるのですが

捨てる場所が傍にない時。


一時しのぎとして私は


それらをティッシュに包んで、ポケットに入れていた 


のです。


汚いとか、臭いが洋服につくとか、

そんなんは、全く頭になかった。


ただただ、自分を太らせるものを排除出来れば、

それでよかったのです。




母は、私を問い質したそうです。


「このポケットの中身はなんなのよ!」って。


でも私は、


「知らない。自分がやったんじゃない!」


そう言い張った。


叱られるのが嫌で、言い逃れをしたんじゃない。

当時の私は、本当に、自分がやったんじゃないと、思ってたんだと思います。


「思います」といのは、この問い質されたことすら

私は覚えていないからです。




知り合いの母子で、こんなエピソードもあります。


その子は、過食嘔吐用に、

部屋に何個もバケツバケツを置いていたんだそうです。


こっちのバケツにペロッとしたら、

次はあっちのバケツにペロッとするというふうに。


ある日お母さんが、嘔吐物の溜まった、そのバケツたちに気づいた。


当然のことながら、怒りくるって叱ったら


「私がやったわけじゃない」

「なのにどうしてお母さんは信じてくれないの?」


と、ひたすら子どもは泣いたんだそうです。


このケースも、子どもは罪を逃れたくて泣いてるわけではなく、

本気で 「自分はやっていない」 と思っているのです。




私は医者ではないので、

どうしてこのような、記憶障害的行動が引き起こされるのか

原因は分からないのですが、


自分に都合の悪いことは、なかったことにしよう


と思う気持ちも、そのひとつのような気がします。



私の場合は、ポケットにしまうことで、

とりあえず不愉快(不都合)なものが、目の前から去った。

それだけで、満足なのです。


その後、それをポケットから引っ張り出して、ゴミ箱へ捨てるとなると

「食べ物を捨てた」という事実を、掘り起こすことになってしまうので


「なかったこと」にしてしまい、

結果食べ物も、そのままポケットに残ることになったんだと思います。



でもこれは、病気の症状のひとつなんです。


罪から逃れしたくて泣くぐらいだったら、

最初からゴミ箱に捨てて、完璧に証拠隠滅してますって。


そうじゃないから、こんな理解不能な事態が起きるわけです。



上に話したような無意識行動が、

リストカット万引きの形になって、現れることもあります。


万引きまでして、しらを切りとおされたら、

周りとしてはとても腹が立つかもしれませんが、


どんなに叱られても、子どもにとっては身に覚えのないことなので

反省するどころか、なんで分かってくれないんだろうと、

親子の溝をさらに深めることになるかもしれません。



病気が治れば、この症状も治ります。

もし、親御さんの立場の方がこれを読んでくれているとしたら、


「この子はどうしようもない嘘つきになった」


と、見限らないでください。


どうしてこんなことをしてしまうんだろうと、

悩んでる当事者の方がいたら


それはあくまで、病気の症状のひとつで

あなたの中身がなんら変わってしまったわけでは、ないのです。


自分自身を、見限らないでね。







※ 目次作りました! 前回までの記事はこちらでチェック!人差し指

「摂食の記憶」目次 → メモ本






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