LAS VEGAS TO GRAND CANYON  【DAY6-3】 ~新たな旅立ちへ~ | 「地球探検隊」公式ブログ

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Nobuさんの多国籍ツアーブログNo.29

●Nobuさん(東京都/男性)
参加ツアー:2012年8月 Las Vegas to Grand Canyon 4日間 (トレックアメリカ社)


LAS VEGAS TO GRAND CANYON  【DAY6-3】 ~新たな旅立ちへ~




 「うわぁ~。ダメだ、Nobu。やめてくれー」
「それはできないな、Chris。これで言い逃れはできないぞ」

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「オー、ノー!」
「もう飲酒運転から免れることはできないな」


 などとふざけ合っているうちに、次第に周囲は岩山の景色へと移り変わる。
この橋の向こうがフーバーダムだと言うのだが、巨大な壁に遮られて全く見えない。
このまま通り過ぎるようだし、単純にここに存在するというだけの説明だったのだろう。

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       岩山に囲まれる。


 少し離れたホテルの駐車場でバンを停車させる。
「ここでリアカーを切り離し、身軽にしてからダムへ行こう!」
 あ、行くんだ・・・。
空きだらけの駐車場にリアカーをポツリと残し、先ほどの橋の脇から下っていく。

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         橋の脇に道が・・・。


 坂を下りると巨大な建造物が現れる。ここの駐車場にバンを止めようと、上の階へと走らせる。
「ここはもう止められません。下の階に止めていただけませんか」

 指示通りに下の階へ。いざ駐車場に入ろうとすると、係員のおばちゃんの叫び声が響く。
「ここは止められないよ!上の階に行っておくれ」
 Chrisが事情を説明する。
「上の階に行ったら、下の階へ行ってくれと言われたから来たんだけど」
「でも、ここには止められないのよ」
「上に行けだの下に行けだの、一体どこに行けば止められるんだ!?」

 その後のやり取りは残念ながら聞き取れなかったのだが、結局この建物にはバンを止めることが
出来ないようだ。仕方なく建物を後にする。

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       「止められないよ!」




 ダムの道路を川の対岸へと渡る。幸いなことに、少し上った場所に駐車場がある。
ようやく車から降りると、目の前に広がる眩いダム湖。人為的な風景ではあるが、大規模な自然が
残るためか、どことなく落ち着く雰囲気。

 Chrisが運転席から顔を出す。
「僕はここで待っているから、ダムを渡って向こう側まで行って来るといいよ」
 ダムの向こう側って・・・結構距離があるぞ!この足で歩けるのだろうか。
もはや嬉しいのだか、悲しいのだか、分かったものではない。


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       なぜか落ち着く風景。               これ以上減らせなかった・・・。


 みんなの後に続き、階段を下る。かなり急な階段だ。手すりにつかまり、右足を一段下ろしては、左足を同じ段へと下げる。普段ならわけない階段も、今はつらい作業のひとつでしかない。

 階段の下で我々を待っていたのは、巨大な水路。ポッカリと開いた大きな穴は、まるで地底深くまで続いているかのよう。しかし滑り台として滑った場合、行き着く先はあの世だろう。

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        地獄への一本道。          にもかかわらず湧き上がる、滑りたくなる衝動。


 ダムに沿って歩く。ほぼ垂直に落ちる急な勾配に目が眩む。その麓から続く発電所を思わせる
建物群や、今や目の高さとなったアーチ状の橋を眺めながら先へと進む。

 しかし、思うように歩けない!他のメンバーとの距離は開くばかり。
僕がようやくダムの中央を過ぎるころ、先頭はすでに対岸まで到達している。
つまりは普段の半分ほどのスピードでしか歩けていないということか。
ここまでひどい捻挫は生まれて初めてではなかろうか。

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     ようやくダムに差し掛かる。             先ほどバンで通ってきた橋。

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     あの建物は一体なんだろう?                ようやく半分。


 先頭のグループが折り返してきた。最終的にはバンまで引き返さなければならないのに、
この足で向こう岸へ渡るとなるとあまりに時間がかかってしまう。このタイミングで僕も
折り返そう。

 向こうまで行ってきたメンバーについに追いつかれる。なるべく急いで歩かなければみんなに
迷惑がかかってしまう。とはいえ、これ以上どうやって足を速めれば良いというのだ。
 ところがそんな心配を余所に、「足は大丈夫?」と、みんなが気を使い、ペースをあわせてくれる。
ペースが遅くなった分、記念写真を撮り合ったりして、誰もそれを不便に感じている様子はない
ようだ。本当にありがたい。心から感謝する。

 あの急な階段を今度は上るのか・・・。と思ったら若干遠回りになるが、大きく緩やかな
カーブがあるではないか。誰が口にするでもなく、みんなそちらに歩いて行くので後に続く。
助かった~。

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      どこにいるか分かる?                   戻りはゆっくり。

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          疲労困憊。                二人で撮り合ってるところに便乗。

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         渋々こちらも。


 先ほどのホテルの駐車場でリアカーを連結させ、いよいよラストラン。いざ、ラスベガスへ。
一つの旅がまた終わりを告げようとしている。


 霞の向こうに見えてくる高層ビルのシルエット。ラスベガスに近づくにつれて次第に交通量が
増えてくる。餌を求めて遠出していた蟻たちが、各地から巣穴へと戻ってくるかのように。

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         見えてきた~!                   わらわらと集結。


 車内ではJolieが携帯電話で悪戦苦闘。航空貨物輸送会社Fed○xとの荷物の受け渡しの話が
まとまらないようだ。荷物の中身はもちろんパスポート。せっかく近くまで届いているのに、
今日中に入手しないと本人は明日ワシントンD.C.へ移動してしまう。
 みんなも興奮し、あー言え、こー言えと大騒ぎ。仕舞いには「もうFed○xは使わないように
しよう」という声まで上がる始末。その熱狂ぶりが面白い。

 有名ホテルが建ち並ぶ大通りに差し掛かる。しかしFed○xとの熱い戦いは混戦を極めている。
 「オーケー。僕が電話を変わるから、みんなはここで記念写真でも撮ってきてくれ」
Chrisが連れて来てくれたところ、そこは・・・。

 おおっ!ポストカードとかで見かける、あの看板のところじゃん!!
ごった返しの観光客の隙を突き、写真を撮り合うメンバーたち。
その間に、どうやらあちらの熱戦も一段落ついたらしい。

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     左足に体重をかけられない。           観光客の合間を縫って・・・。



 期間が長かろうが短かろうが、旅が終わる時はいつも一緒。
胸を穿つ寂しさは、そこにポッカリと深く大きな穴を残す。
その穴を埋める作業 ―写真を眺めたり、日記を読み返したり、ブログに載せたりしながら
旅を懐かしむ― が、これから数日、あるいは数週間続くのだ。


 戻って来てしまった・・・。

 アレクシス・パーク・ホテルに、ついに到着してしまった。

 リアカーから下ろされた荷物を無言で拾い上げ、脇へと寄せる。
余った水やビールをみんなで分けて、それぞれの道へと旅立つ。
 ChrisはJolieを連れてFed○xへ。
 Osullivanの4人家族はちょっと豪華にマンダレイ・ベイ・ホテルへ。
 Dominiqueも他のホテルへ。
 残ったメンバーはここで宿泊。しかしこの後、再び会うことはなかった・・・。

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    最後まで息が合わない二人。

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        荷物を下ろす。                     欲張るとこうなる。


 ハグを交し合い、別れの挨拶。
 4日間・・・やはり短かった。ようやく打ち解け、これからだという時に終わってしまった感は
否めない。
しかし、この4日間がとりわけ濃縮された時間として自分の中に生き続けているのは、やはり
彼らの存在があるべくしてであろう。


 こうしてツアーを終えた僕は、部屋をシェアするRyanとチェックインに向かうのだった。

 


◇◆比べてみよう◆◇


旅の終わりはいつだって寂しいもの。それは今も昔も変わらない。

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ビールはほとんど残らなかったので、その場で消費。     このシーンも変わらない。