一般質問―保健師の活動推進と若手農業者支援 | 田辺かずきのブログ

一般質問―保健師の活動推進と若手農業者支援

福岡県議会の2月定例会は10日、一般質問。


私は今回も、地元・古賀市をはじめ県民の皆さんからいただいたご意見・ご要望を踏まえ、連続12回目となる知事への質問・提案に臨みました。


2014年2月定例会・一般1


今回は、超高齢社会を迎え、地域住民の医療、介護、健康づくりなどにとってその役割が一層重要になっている保健師の活動の推進と、若手農業者に対する支援体制の充実・強化をテーマに掲げました。知事からは前向きな答弁をいただき、県政前進の一助となれたら幸いです。なお、保健師をテーマにした質問は近年、県議会でなかったといいます。


これまで同様、質問と答弁の全文をまとめました。以下をご参照ください。


<記録文書>
※以下の文書を①→②の順に読むと時系列になります。
①田辺の質問全文(PDFへリンク
②知事の答弁、田辺の指摘・要望(PDFへリンク


   ◇


知事とのやり取りのポイントを以下にまとめます。


<保健師の活動の推進>


地域においては、特に保健・福祉サービスの分野で、様々な課題が山積しています。


健康寿命の延伸を目指した生活習慣病の発症や重症化の予防、特定健診・特定保健指導の展開、母子保健、児童福祉、精神障がい、難病、新型インフルエンザをはじめとする感染症、DV・虐待、生活困窮者への対応など、枚挙にいとまがなく、災害対応も求められています。加えて、住み慣れた地域で適切な医療、介護サービスが受けられる社会を実現するため、「地域包括ケアシステム」の構築も目前に迫った極めて重要な課題です。


2014年2月定例会・一般4


こうした中、地域の中で多様な課題に向き合い、医療や介護などの地域資源を「つなぐ」役割を担ってきた保健師の役割は重要性を増しています。私は県内の保健師の方々との意見交換を踏まえ、保健師の配置の不足、多様性・専門性を増す社会に対応するために保健師の資質向上を図る重要性などについて提起しました。


知事は保健師の活動意義について、「今後は地域包括ケアシステムの構築に向け、ますます医療・介護の連携、介護予防の取り組みなどを進めていくことが必要になる。保健師の皆さんの専門的な知識や技術をより一層発揮していただくことが重要になる」と述べ、認識を共有。資質向上につながる現任教育の強化について、「来年度(2014年度)は県が実施する研修に市町村の保健師さんも参加をしていただき、新しい課題に対応できる能力を高めていく」との方針を示しました。


そのうえで、本県がビジョンとして掲げる「生涯を通して健康で過ごせる社会」「高齢者が安心して生活する社会」を実現していくため、県と市町村が一体となった取り組みを推進することを表明。「市町村の幹部を対象として開催している研修で、保健師の方々の役割と活動の重要性について一層理解してもらう。引き続き、現任教育や技術的助言により、市町村の保健師を支援する」と約束しました。


なお、知事は答弁の中で、市町村における保健師の配置状況について、「常勤換算」で3万6090人、3年前と比べて41.5%の増加との急激な伸びを示している実態を明らかにしました。私はこの点に関し、再登壇で「注意をしなければならないのは、36090人のうち9割を超えるほとんどが非常勤保健師という実態であり、これが『常勤換算』をされている。本県の非常勤保健師数の多さは全国トップクラスであり、これは裏返すと、常勤の適正な配置がなされているかどうか、これをしっかりと検証する必要性を示唆しているものとも言える」と指摘しました。


<若手農業者に対する支援策>


私は21213両日、福岡県内の若手農業者の皆さんとともに、東京で開催された「60JA全国青年大会 」に参加。全国各地から高い志を持った同世代の農業者が集まり、「国民に対して責任ある生産者として、地域に根差した生産者として、『食』と『農』の価値を多くの方々に伝えていく」との強い思いが共有された大会だと実感できました。


大会では、九州・沖縄ブロックの代表として出場した福岡県のJA粕屋青年部(安武尚部長、発表者=秋山隆哉さん)の取り組みが最優秀賞に輝きました。


JA全国青年大会1


JA全国青年大会2

また、各地の若手農業者の「若手だからこその創造性と行動力」に裏打ちされた様々な取り組みの発表を聞かせていただき、こうした意欲を引き出し、活動を支援することで農業と地域の振興の可能性を広げていくことが、農政に求められる重要な役割のひとつだと考え、知事に提起しました。


2014年2月定例会・一般3


具体的には、私から2年前に開始した青年就農給付金が福岡県では制度開始の2012年度、就農に向けて研修する「準備型」に46人、就農間もない「経営開始型」に204人の計250人が給付を受け、全体の新規就農者数の押し上げにつながっていることを指摘。知事は、2013年度の給付の見込みが147人(2月末現在)となることを明らかにし、制度について「新規就農者の就農意欲の喚起に役立っており、『農業を始める決断ができた』との声が寄せられている。新規就農の促進に貢献している」と高く評価しました。


そのうえで、私から就農者が離農することを防ぐためのいわゆる「定着支援」が極めて重要性であることを指摘。加えて、新規参入者だけでなく地域づくりも見据えて頑張っている若手農業者の取り組みに対する支援策の必要性を訴えました。知事は「新規就農者、また若手農業者が、地域の重要な担い手となるよう支援を続けていく」と約束しました。


2014年2月定例会・一般2


さらに、私は「農業振興には、農業に対する国民、県民意識の向上、社会的評価をさらに高めていくことが不可欠。この実現こそが、今回テーマとした若手農業者の活動をさらに後押ししていくことにつながる」と述べ、食育を推進する意義を強調。昨秋の決算特別委員会で私が「食育推進の重要性」を提起 し、2014年度予算案に新たな取り組みとして盛り込まれた「県内小学校の調理実習における県産柿の皮むきの実践」を取り上げ、農業振興を実現するに当たっての食育の重要性に対する知事の認識を質しました。


知事は「次代を担うお子さんたちに対し、食、そして食を支える農業に対する理解の促進を図る食育の推進は大変重要。(県産柿を使った調理実習などの県としての新たな)取り組みで、お子さんたちの食と福岡県の農業に対する理解が深まり、県産農産物の需要拡大にもつながる」と意義を強調しました。



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