【英語を教える】正解・不正解に捉われない「練習問題」を出すことを恐れないで。


おはようございます。英語を教えながら
英語の先生の先生をしています、ミツイです。


 

ベレ出版さんのNoteブログにて
私ミツイのブログ記事、公開中です。
良かったらご覧ください。 


第1回目の「英語は道具ではない」という記事はこちら
第2回目の「多様性」に関する記事はこちら

第3回目の「自分の意見」に関する記事はこちら
第4回目の「異文化交流」に関する記事はこちら←最新!

 

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先日、English Teachers Association of Japanの勉強会にて
出版した「前置詞使い分けプラクティカルワークブック」の
お話をさせていただきました。 

 

 

 


勉強会は、ETAJ会員はアーカイブ視聴が可能です。

FacebookのClosed Groupにて公開中ですので
是非、お時間のある方、興味をお持ちの方は、ご覧ください。



さて、その時に
様々なご質問にお答えし、
色んなことについてお話をさせていただいたのですが
「正解・不正解に捉われない練習問題の使用」というのも
そのうちの一つでした。


きっと皆さん、ご存知の通り
言語というのは、常に「これが正解だ!」と言えるような
一つだけの答えがあるわけではなくて
Aでも良いけど、Bでも良いよね。
状況によっては、Cでも良いんだよね。

という感じで、複数の答えがあることが多いわけです。


例えば
I go to school.でも良いし
I go to a school.でも良い。
I go to the school.でも良い。

ただ、話し手が何を伝えたいか?何にフォーカスしているか?
どれを使うべきなのかが変わる、わけですよね。


そうした言語の曖昧さというのは
口頭ではパパッと説明がしやすいわけですが、

全てを、誤解なく分かりやすく文章で説明しようと思うと
結構な文章量になってしまうでしょうし、
あまり説明文が多い参考書だと
読んでいる人が嫌になってしまったりもするので

大抵、参考書というのは
「答えはこれしかないよね」というように
明らかにこれが理想!という言語使用だけを
練習問題や英文の例として、採択することが多いです。


でも、前置詞って
明確に「これしかダメだよ」と言えるものの方が少なくて
Aでも良いし、Bでも良いんだよね。
でもCもあり得るんだよ
、という感じで
ニュアンス次第で複数の回答を正解とし得ることが多いわけです。

なので、この本では
敢えて「そこ」を大事にしました。

 



第3部では、そうした「ニュアンス次第で」
似たような使われ方をする前置詞をまとめ
(こうした役割別で紹介している参考書はあまりありません)
 


 

そこの練習問題4では
日本語のヒントも一切なく、前置詞を使っていく練習を
してもらうわけですが

 


そこの回答欄を見ていただければ分かるように
複数の前置詞の使用をOKとしているものもあります。


それはまさに、実際の言語使用と同じ
〇〇のニュアンスを出したいのなら、Aでも良いし
XXのニュアンスを出したいのなら、Bになるよ

という感じで
回答者の伝えたいニュアンスによって
正解がいくつもあり得るからなのです。
 


実は、この「意識」こそ
私が今、日本の英語の先生方に持ってほしいものでもあります。


日本の生徒さんは
全てを「正解・不正解」を軸にして考えることに
慣れてしまっている
部分があります。

それは日本の教育システムが故、なわけです。

もちろん
試験でのみ測れる部分というのは少なからずあるので
私はそれを否定したいわけではありません。

でも、「正解・不正解」を軸にしている状態でいると
外国語学習ってなかなか進みにくいのです。

実際に「発話をしてみる」としても
常に頭の中に「正解・不正解」がよぎってしまい、
そちらにばかり気を取られてしまったりするんですよね。

そうするとAffective Filterが高まってしまいます。


ですので、生徒さんには
時に「正解・不正解」がないこともあるんだよ、と
教えていってあげましょう。


常に「正解・不正解」を軸に考えなくても良いんだよ、と。

そういうのがない状態で
英語をどんどん使っていけばいいんだよ、と。



もちろん、それは
文法に対して無頓着になるだとか
適当な単語を発話しておけば良いだとか、
そういうことではありません。

ただ、そこに捉われ過ぎないこと。

「これでも良いのか」「あれでも良さそうだな」と
柔軟に、言語使用を観察していく姿勢を持つこと。


それが、本当に大事なのではないかと思います。


もちろん、皆さんの生徒さんの学習目的によっては
「正解、不正解のある英語使用」を教えるべきかもしれません。

でもそこを考えずに教えている人もいると思うので
まずはそこを考え、自分の教育理念、
そして生徒の学習目的を考慮し、
「どういうスタンスで教えていくか」を明確にしておきましょう。
 



正解・不正解に捉われない「練習問題」を出すこと。

そして、
生徒に正解・不正解に捉われない言語使用に慣れてもらうこと。

お薦めです👍

 

 



Happy Learning & Happy Teaching!!!!!
 


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