【英語勉強中】「英語を武器」にしたい人に知っておいて欲しいこと。

 

おはようございます。英語を教えながら
英語の先生の先生をしています、ミツイです。


 

日本では「英語」と「英会話」を混同して
認識している人が多いのですが、
英語教育者の視点からいうと、この2つには大きな違いがあります。



「英語」を学ぶということは
つまりは「英語という “木”」を総括的に学ぶということで

「英会話」を学ぶということは
つまりは「英語という “木” の、“一部の枝” と “葉っぱ”」を
学ぶということなのです。


 


 

“大きな幹” は、英語に限らず “全言語に共通する要素” です。

これは日本語にも中国語にもスワヒリ語にも通ずる要素のこと。
 

例えば
「言語を使うには、人間のSpeech Organ(発話を可能とする
身体の器官)が必要」ということ。

舌、口内筋肉、喉、鼻といったSpeech Organがあるから
私達人間は言語を発話することが出来るのです。
また、聞いた言語を脳内で理解する能力(Speech Perception)や
人間特有の感情・思考・学習能力(The Human Mind)も
言語を使うには必須です。

(注:ここでは手話や点字のように
目的をもって “作られた” 言語は含んでいません。)


“大きな幹” は
まさにこういった「人間の言語に特有な要素」であり、
“全言語に共通する要素” なのです。


 

“枝” は “各言語毎に異なる「本質」の部分” です。
 

“英語の大木” の場合は、この “枝” こそが、
英語の四技能(リスニング、スピーキング、リーディング、
ライティング)や英文法(英語特有の文章構造のルール)となります。

「英語の四技能」とまとめてしまっていますが、
例えば流暢な英語を話すためには欠かせない
「英語の話の展開パターン」だとか、
「英語を使う時に大事になってくる思考パターン」だとか、
そういうものも、ここをシッカリと学ぶことで身につきます。


「英語を語るには外せない大事な要素」、
まさに「英語の本質」がこの部分なのです。


 

そして、“葉っぱ” は「個々の単語やフレーズ」です。
 

辞書で調べると出てくるような “apple” や “dog” という単語や
フレーズブックに載っているような定型句はここに属します。

パッと目につきやすいのですが、無数なだけ存在している部分です。

ですから、フレーズブックを読んで定型句を学ぶというのは
“英語の大木”の葉っぱをかき集めている状態なのです。  
 

こう考えると分かりやすいのですが、
“英語の枝”(英語の本質)の部分をしっかりと学ぶと、
自然界でも太い枝には沢山の葉が覆い茂るように、
沢山の葉っぱ(単語やフレーズ)を
自然と身につけていくことが可能となります。

 

逆に、”一部の枝”(リスニングとスピーキング)を強化させながら
“葉っぱ” の寄せ集めをしている状態が「英会話」を学ぶということ。

「英語の大木」全体像を見た時に、
それは決してバランスの良い学習とは言えないということが
よく分かるかと思います。


 

あなたが「英語」を学ぶべきなのか
それとも「英会話」を学ぶべきなのかは、
あなたがどんなシーンで英語を使うかによって異なります。

 

英語圏への出張があったとしても
渡航先でやり取りをするのが日本人ならば
「英会話」の練習をして税関を通りぬけたりする程度の目標を
掲げるだけで問題ないでしょう。

ただ、日本語を話さない相手と文書やメール、ウェブ会議等の
やり取りが定期的に行われるのであれば、表面的な会話に
事欠かない”一部の枝”(リスニングとスピーキング)しか伸ばせない
「英会話」では事足らず、
内面的にも重要な心理戦に欠かせない
”英語の大木” 全体を伸ばすべく「英語」を総括的に勉強することが
必要となるでしょう。

 

あなたにとっての正解を探せば良いだけで
どちらが良い・どちらが悪いということはありません。

でも、グローバル社会で生き抜いていくためにも必要な力として
一度は真剣に考えて頂きたいことです。


 

ここで気を付けて頂きたいことが2つあります。


1つ目は
「どちらかを選んだからといって、
もう1つが学べなくなるわけではない」ということです。 

 

例えば「英語」を学び、
その本質的な部分を重要視した授業を受けながらも、
個々で “英語の葉っぱ” を増やすべく、
語彙増強を図ったり、フレーズ集に目を通したりすることは可能です。

「英会話」を習っているとしても、
会話で出てくる表面的なフレーズを見て
「ここから、”英語の枝” 部分は見えてくるかな?」
「ここに、英語らしさって表れているかな?」と、
”葉っぱ” 部分の観察・分析をして、そこから「英語らしさ」を感じ、
「英語の本質」を把握していくことも可能です。


 

2つ目は
「勝手な思い込みによって
自分の可能性を制限してしまわないようにする」ということです。

 

時々、「出来れば英語全体のレベルを上げたいけど
そこまで英語学習に費やす時間はないんです」と仰る方がいます。

でも、「英語全体のレベルを上げるには、より英語学習に
時間を費やさないといけない」なんて誰が言ったのでしょうか?

 

例えば、私は
管理職や経営者といった方にも「英語」を教えていますが、
皆さんの多忙なスケジュールでも確実に英語力を伸ばせるように、
脳科学やコーチング、行動心理学等の要素を取り入れ、
効率化したカリキュラムを用意しています。

また、英会話の流暢さを強化するコースも教えていますが、
それも多忙な受講生が手ぶらで隙間時間に行えるような
特別なカリキュラム設計となっています。

 

こういった工夫をしている英語講師は私だけではありません。

もしかしたら皆さんは
まだそういった講師に出会っていないかもしれませんが、
皆さんの多忙なスケジュールでも
効率的に英語力アップに導いてくれる講師が絶対にいるはずです。

ですから、「時間がなければ無理でしょう」と勝手に決めつけて

諦めてしまわないようにしましょう。
 

 

何をどうやって、どのタイミングで学ぶかを決めるのはあなた次第。

でも、是非一度
あなたにとって本当に必要な英語力とは何か?ということを
考えてみてください。


 

そして常に “英語の木” を意識して
自分の学習状況
(今、「”英語の木” のどの部分の学習をしているのか?」ということ)を
把握するということも忘れないで頂きたいと思います。

 


 

Happy Learning & Happy Teaching!!

 

 


     

 

 

◆こちらは2016年3月に「紀元ウーマン」さまに
寄稿させて頂いた原稿をアレンジしたものです。
「紀元ウーマン」さまのサービス停止に伴い、こちらに記事を移行させました。