月1回の楽しみにしているレッスンでした。

「こんにちは~」
と扉をあけました。返事がありません。

薄暗い店内に、酸素吸入ボンベの警告音が
ピ、ピ、ピと鳴っています。

師匠は先日退院したばかり。今は酸素を鼻から
吸入するためのボンベを持っていて、口呼吸に
変わると、警告音がなるようになっています。

音がするということは…
えっ!!叫び薄暗い店内を見渡すと
口をあけて、頭ががっくりとたおれた師匠が
ソファにいました。

「先生!先生!」
声をかけても返事がありません。

だんだん、あせってきます。あせる
ピクリともしない。
私が第一発見者…。
この世界では名が知れている師匠
騒ぎになる…など余計な事が頭の中をグルグル

もう一度声をかけてダメだったら、救急車と
思ったら
「あー、寝てたわ」
と、ご生還されました。

もー、力が抜けますやん。しょぼん

「サッカー観てて寝不足や」
師匠…汗

80歳の師匠は、ダンディで優しくてお茶目で
いまだに老眼鏡なしで楽譜がみれて
そして、ちょっととがっていて。
かっこいい男性です。

ピンクのシャツがよく似合っていて
「先生、そのシャツ素敵ですねドキドキ
と言ったら
「これね、ユニクロっていうお店で買ったの。
びっくりするくらい安いんだよ。今度
行ってみるといいよ。ユニクロって変わった
名前のお店だよ。」
と場所をおしえてくれました。(^▽^;)

さらさらと静かな音が聞こえます。
それは師匠に限らず、みんな平等に流れていくものだけど
私はもう少し師匠といろんな話がしたい。

うまくできた時だけに言ってくれる
「Oh,yeah!」
を聞きたい。

あんなにやさしい「Oh,Yeah!」を
私は他に知らない。