改めて「議員定数削減なくして増税なし。」 | たまき雄一郎ブログ

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衆議院議員玉木雄一郎のオフィシャルブログです。

昨日から、社会保障と税の一体改革を実現するための法案に関する党内議論が始まりました。野田内閣としては、所得税法附則第104条の規程も踏まえ、今月中に国会提出を目指しています。


確認までに改めて申し上げれば、私は、消費税増税には賛成です。しかし、国民に負担を求める前にやるべきことをしっかりやり切るべきとの立場です。それが多くの国民の皆さんの思いでもあると思います。


とりわけ、特別会計の改革や国家公務員の人件費削減などの「行政改革」、議員定数や歳費の削減などの「政治改革」、円高・デフレ対策をはじめとした「経済対策」の3つが重要だと考えています。


このうち、昨年12月29日に一体改革の「素案」取りまとめを行って以降、「行政改革」や「経済対策」については、不十分とは言え、一定の進展があったと考えています。


例えば、2年間とは言え、国家公務員の人件費や国会議員の歳費については、削減の方針を決定できました。また、特別会計改革の法案や独立行政法人改革の法案についても、まもなく国会に提出されるはこびとなっています。


さらに、経済対策については、4次にわたる補正予算に加え、24年度当初予算も衆議院を通過し、遅くても4月6日までには成立する見込みとなっています。また、金融政策についても、2月14日に日銀が発表したインフレ目標(ゴール)と追加的な国債買い入れ政策によって、日経平均株価も1万円を超えるようになり、また、為替も円安傾向になっています。


このように、「一体改革」を進めていく上でのいくつかの条件は、ある程度満たされつつあると思っていますが、一つだけ全く進展がない項目があります。それが、国会議員定数の削減です。


私は、昨年の野田内閣の成立時点から、この議員定数削減を何としてもやるべきと訴え続けてきました。そこで、昨年末からは、一期生の仲間に呼びかけ、何度も、執行部に申し入れを行ってきました。


しかし、残念なことに、今日まで、具体的な進展がありません。もちろん、党内では、①一票の格差を是正するための「0増5減」と、②衆議院比例定数の「80減」の二つについては決定していますが、野党各党との協議が整わず、定数削減に向けた具体案づくりは膠着状態に陥っています。


各党との協議の中で、①一票の格差の是正、②議員定数削減、③選挙制度の改革の3つを3点セットで解決すべきとの話になっているようですが、それぞれのポイントについて、各党それぞれ意見があるために、話が複雑になっているのと、解散総選挙を意識した各党の思惑もあり、合意に向けたインセンティブが働きにくくなっています。


そんな中、昨日、政治改革を議論する党内組織である「政治改革推進本部」が開催されました。


私も手を挙げて、以下の3点を発言させていただきました。


① 2月25日の区割り審議会の答申期限を過ぎても、一票の格差是正に向けた措置が全く取られていないことについて、我々国会議員は、立法府に身を置くものとして、現在の「違法、違憲状態」をもっと重く受け止めて、早急に結論を出すべきである。

② 衆議院の80定数削減の「80」の旗は降ろすべきではない。各党からは、30削減や50削減の提案もあるようだが、マニフェストに書いてあるとおり、民主党としては「80」の削減を貫くべきである。妥協すれば、必ずマニフェスト違反と言われる。

③ 樽床幹事長代行がまとめた改革「私案」を、早く、党としての(法)案にするプロセスを経て、野党の賛同が得られない場合には、民主党単独ででも法案提出する覚悟で臨むべきである。


何人かの同僚議員からも、同じような意見が出ました。


議員定数をしても、財政の削減効果はほとんどないと言われる方がいます。確かにそうだと思います。しかし、この議員定数削減は、私たち政治家の覚悟が問われる問題だと思っています。


そして、国民だけでなく霞ヶ関の官僚の皆さんも、改革に向けた政治家の覚悟や本気度を見ています。


政府は、来年度の国家公務員の新規採用を7割も削減する方針です。私は、組織マネジメントの観点からも、また、若い人にチャンスを与えるとの観点からも、大幅な新規採用の抑制には慎重な立場です。しかし、国民に増税を求める前にやるべきことをやり抜くとの観点からすれば、一定の削減もやむなしだと思います。


だからこそ、私は、「公務員たたき」的なことには熱心な一方、自らの身分にかかわる議員定数の削減を実現できない今の政治の有り様に、腹が立って仕方がないのです。


最大の「身を切る改革」は、議員定数の削減です。


志を同じくする仲間とともに、定数削減を実現させたいと思います。もう、結果を出すしかありません。

たまき雄一郎の挑戦記 世界の中心で政策をさけぶ