私見「経済財政諮問会議を復活せよ。」 | たまき雄一郎ブログ

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菅総理大臣が、国家戦略室の機能縮小を発表しました。


私は、このこと自体をあまり問題にする気はありません。


もともと国家戦略室については、その法的位置付けが不明確で、しかも、機能強化を目指した法案も、先の通常国会で成立しなかったわけですから、その機能について、今更云々することは、あまり意味がないと思っています。


それよりも、私が問題だと思うのは、国家戦略室が目指した「官邸機能の強化」という政策目標が、未だ実現していないことです。


政治主導とは、つまるところ、官邸主導だと思っています。


つまり、各省庁にまたがる案件について、官邸が、国家戦略的な観点から、トップダウンで各省大臣に指示できる体制をしっかりと確立しなければなりません。


各省庁からのボトムアップで政策を決定していくことは、結局、官僚主導政治と紙一重になりがちです。


以前、本ブログでも述べたように、官邸主導政治を実現するために、


①「国家戦略室」の機能を強化する。

②総理が議長を努める新たな「関係閣僚会議」を設置する。

③内閣府設置法に根拠がある「経済財政諮問会議」を復活させる。


のいずれかを速やかに実施することが必要だと考えています。


このうち、今回、①について、ある意味、断念する宣言をしたわけですから、②あるいは③の実現に向けて早急に取り組むべきだと考えます。


報道によれば、内閣官房に官房長官や玄葉大臣らをメンバーとする会議を設けることが検討されているようですが、それは②に近い構想だと思われます。


しかし、内閣官房に置く会議は、法的な権限が曖昧になりがちですし、事務局体制も脆弱なものになりがちです。


つまり、国家戦略室の二の舞のおそれがあるわけです。


そこで私が提案したいのは、③の経済財政諮問会議の復活構想です。


小泉構造改革の象徴ともいえるこの会議を復活することには政治的なアレルギーがあると思いますし、メンツもあるでしょう。


しかし、幸か不幸か、先の通常国会でこの諮問会議を廃止する法案が通りませんでした。逆に言えば、法的根拠が明確な会議として(活用されずに)存在しているわけです。


私は、むしろ、この経済財政諮問会議の機能を最大限活用して、官邸主導を強化することの方が、政権の目的に合致するのではないかと考えます。


経済・財政諮問会議を復活することには次のようなメリットがあると思います。


①経済・財政諮問会議は、法的根拠を持った会議であり、その権限も明確である。

②会議の所属する内閣府の職員を事務局としてフル活用できる。

③担当大臣が存在しているため、責任の所在も明確である。


経済財政諮問会議を復活させると言っても、実際の運用のあり方については、人事などで菅総理や仙谷官房長官のカラーを十分に出せばいいと思いますし、それは可能です。自民党時代と同じだとの批判はかわせるはずです。


事実、森総理のときは注目されなかった諮問会議が、小泉内閣になって一躍注目を浴びるようになったのは、会議の運用のあり方やメンバーの人選で、小泉カラーを十分に出したからです。


とにかく、今、必要なのは、官邸主導の政治です。各省庁の要望を単に束ねるような政策決定をしていたのでは、それこそ自民党時代と同じになってしまいます。


官邸主導を実現する新しい組織を作る法案を速やかに通せるなら別ですが、ねじれ国会が予想される中で、そのような法律を通すことは現実的ではありません。


それならば、法律に明確な根拠のある「経済財政諮問会議」の仕組みを上手に活用することが、官邸主導政治への最短コースではないかと思います。

あくまで私見ですが、とにかく、官邸機能の強化・充実は、「ねじれ国会」だからこそ不可欠だと思います。



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