ウクライナ汚染地帯の学校480人中、正規の体育授業が受けれるのはたったの14人 | 千葉市議会議員 かばさわ洋平  GET BACK TO DEMOCRACY 

ウクライナ汚染地帯の学校480人中、正規の体育授業が受けれるのはたったの14人


昨日放送のNHKのETV。
シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第2回 ウクライナは訴える」







チェルノブイリ事故におけるウクライナからの報告ということで
多くの方がご覧になられたと思います。

見た感想は率直に言って、日本はこのままで大丈夫なのか?
このままの対応でいいはずがないと改めて思わせる内容でした。


以下日程で再放送の予定があるそうです。

9月30日(日)午前0時50分~ ※土曜日深夜


去年4月、チェルノブイリ原発事故25周年の会議で、ウクライナ政府は、汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを明らかにし世界に衝撃を与えた。
チェルノブイリ原発が立地するウクライナでは、強制避難区域の外側、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以下とされる汚染地帯に、事故以来26年間、500万人ともいわれる人々が住み続けている。

公表された「Safety for the future未来のための安全」と題されたウクライナ政府報告書には、そうした汚染地帯でこれまで国際機関が放射線の影響を認めてこなかった心臓疾患や膠(こう)原病など、さまざまな病気が多発していると書かれている。

特に心筋梗塞や狭心症など心臓や血管の病気が増加していると指摘。子供たちの健康悪化も深刻で2008年のデータでは事故後に生まれた子供たちの78%が慢性疾患を持っていたという。報告書は事故以来蓄積された住民のデータをもとに、汚染地帯での健康悪化が放射線の影響だと主張、国際社会に支援を求めている。



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今年4月、私たちは汚染地帯のひとつ、原発から140キロにある人口6万5千人のコロステン市を取材した。この町で半世紀近く住民の健康を見続けてきた医師ザイエツさんは、事故後、目に見えて心臓病の患者が増えたことを実感してきたという。その原因は、食べ物による内部被ばくにあるのではないかとザイエツさんは考えている。予算が足りず除染が十分に行えなかったため、住民は汚染されたままの自家菜園で野菜などを栽培し続け食べてきた。また汚染レベルの高い森のキノコやイチゴを採取して食用にしている。

学校の給食は放射線を計った安全な食材を使っている。しかし子供たちの体調は驚くほど悪化。血圧が高く意識を失って救急車で運ばれる子供が多い日で3人はいるという。慢性の気管支炎、原因不明のめまいなど、体調がすぐれない子供が多いため体育の授業をまともに行うことができず、家で試験勉強をして体調を崩すという理由から中学2年までのテストが廃止された。

被ばく線量の詳細なデータはなく、放射線の影響を証明することは難しいが、ウクライナの汚染地帯で確かに人々は深刻な健康障害に苦しみ、将来に不安を抱えながら暮らしていた。


今回取り上げられて報告書がネットで公開されてます。

ウクライナ政府(緊急事態省)報告書(日本語訳)PDF
→http://archives.shiminkagaku.org/archives/csijnewsletter_010_ukuraine_01.pdf


とりわけ見てて、重要だなと思った点です。


原発から140kmの町、コロステン。移住勧告地域と放射線管理地域が混在する。ここを含むジトーミル州の住民は、25年の積算で平均26mSv被曝。
5mSv/年以上のゾーンからは移住。5mSv以下には住民が居住しつづけている。
WBCの値は低下しているが、しかし健康状態は悪化傾向。
ブズノフ医師「低線量の放射線の影響が表れているといえるのは
、心臓や血管の病気です」


キエフにある国立記録センター。被災者の情報を一括管理する巨大データベースに
236万人の健康状態と被曝との関係をデータ化している。
①事故処理作業者、②避難民、③汚染地帯の住民、④1~3の子供、に分類。
報告書による問題提起。被災者らは様々な慢性疾患を発症しているという。



ウクライナ政府が行った除染事業は5年間で4000戸除染。費用1億ドル=120億円。
1戸あたり300万円。
日本のGDPの1%程度の国ウクライナにかなり重い負担。
しかし1997年、ウクライナ経済危機。結局のところ目標の半分以上が除染されないまま
残された。
非常事態省のボシャコフさん「もちろん心配です。ここを子供たちは走っている」。


現在、大人の甲状腺ガン・甲状腺疾患が増えている。当時20歳だった女性も、
現在甲状腺に異常があり、ガンになることを心配して検査を続けている。
被曝線量が高かった子供は早期に甲状腺癌になったが、低線量被曝した人は
後から症状が現れる。



医師「チェルノ事故後、心疾患が増えているのは、食物による内部被曝が原因と考えている」 
「セシウムは、あらゆる器官に蓄積します」 市場では、きのこやベリーなどの食品は、
今でもほとんど売られていない。しかし自家栽培の野菜やキノコを食べている人もいる。


ウクライナの汚染地帯で生まれた子供の学校では
480人中、正規の体育の授業が受けられるのはたったの14人しかいない事実。
給食は検査したものを提供しているが、健康悪化に歯止めがかかならない。



日本での低線量被ばくのワーキンググループの映像が流れ、
木村真三さんが「がん以外の病気が25年たって明らかに増えている。チェルノブイリで見てきた。」と
訴えてるのに対して長瀧重信氏(長崎大名誉教授)は
「それは科学的じゃない。甲状腺がん以外は科学的に認められない」と語ってたシーンは
本当に怒りがこみ上げてくるシーンでした。

この御用学者は311以後早々に「スリーマイルではこれまでに健康被害は報告されていない。
チェルノブイリでも、事故直後の急性放射線障害を別にすれば、小児甲状腺がん以外の健康
障害は認められていません」と発言しています。


内閣官房・低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ(担当閣僚 細野豪志原発相)
http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/news_111110.html



日本でも低線量被曝の影響について、御用学者を使って「因果関係を疫学的に証明できない」として因果関係なしと結論づけて施策を決めているのが問題です。
科学的に認められないのではなく、認めないように圧力をかけている。
科学的に認められないから、日本では健康被害が起きないというメッセージを
発信したい思惑があるのでしょうが、事実健康被害を起こした人をきりすれてるための
便利なワードにすぎないと感じてしまいます。


最後にウクライナの医師はこうした発言をされてます。

「大学では低線量について何も教えられなかった。事故直後はまだまだ余裕があると
思っていた。私達の失敗を繰り返してほしくない。いくら注意してもしすぎることはない」


しっかり過去から学び、未来を見据えて対策を取らなければなりません。
名ばかりの復興庁や原発担当大臣などは不要で
こうした原発や放射能問題と専門に向き合う省庁が早急に必要です。
原子力を維持するためだけに知恵とお金をつぎ込む余裕なんて日本にはないはずです。