【0218】「チーム増強したのに成果上がらない!」を避ける | 成長していないなら死にかけているんだ

【0218】「チーム増強したのに成果上がらない!」を避ける

チームの成果を向上するために増員しても、期待通りの結果を得ることができないケースが多い。相乗効果を期待し1+1の結果を3や5にしたかったはずなのに、それどころか1+1が2を下回ることさえある。


なぜ。


約100年前にドイツの心理学者リンゲルマンがある実験を行いました。

《リンゲルマンが行った綱引きの実験》
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一人で綱を引いた時、二人で綱を引いた時、以下同様に人数を増やしていった時、一人あたりの作業量はどのように発展していくかといった実験。

期待値としては人数が増えるごとに相乗効果が生まれ、より大きな力が発揮されるはずです。

【結果】
一人で綱を引いた場合の力を100%とすると、

・二人で引くときには93%
・三人だと85%
・五人だと62%
・八人だと49%

なんと人数が増えれば増える程、一人あたりの貢献度は低くなるという残念な結果です。
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なぜこういうことが起こるのでしょうか。


■傍観者効果・リンゲルマン効果

集団(自分以外に他者が存在する状況)になると、他者の数が増えれば増える程、また、自分よりも力がある人がいればいるほど力を発揮しなくなるようです。

その理由は【責任の分散】【多元的無知】【評価懸念】で説明できます。
言葉が難しいので簡単に解説。


【責任の分散】

「自分がやらなくても誰かやるでしょ~」っていう無責任な気持ち。
「自分が手を抜いても影響ないでしょ~」っていう浅はかな気持ち。


【多元的無知】

自分自身が行動していないのは、「やる気はあるけどできていないだけ」と思っているくせに、他者がやっていないのは「やる気がないから」と思う矛盾。他者が積極的に動いていないから重要じゃないんだと思って動かないということ。


【評価懸念】

でしゃばったら嫌われると思って、何も言わなかったり、自分の意見よりも相手の喜びそうな行動を選択するということ。



集団になるとこういった群集心理が働いてしまう。仕事でも同じことが起こっている可能性がありますね。

こういった事態を避けるためには、個人一人ひとりの意識を変えていかなければいけないのです。

「誰かがやってくれるから」「責任者ではないから」ではなく、「自分がいなければだめだ」「自分がやらなければ」と変えていく必要があり、自分の仕事の役割について誇りを持つことが重要です。

そして誇りを持つためにも「このプロジェクトは何のために行うのか」「何故実施されるのか」ということ考え、「そのために自分に何ができるのか」ということを一人ひとりが考え実行していく必要があるでしょう。

それができれば1+1が3や5になるのではないでしょうか。