京都東映太秦撮影所 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


映画館の館主だった祖父は、

ときどき京都東映太秦撮影所に、

他の地方映画館の館主さんたちと一緒に招待されて、

撮影所見学に行きました。


子供の頃、僕も何度か連れて行ってもらったことがあります。

昭和30年代、当時は東映時代劇の全盛期でした。

僕の大好きな俳優さんは中村錦之助さんと大川橋蔵さん。

あるとき撮影所内を見学していた僕のそばに、

大川橋蔵さんが歩いていらっしゃいました。

祖父は僕を抱き上げて「ほれ、抱っこしてもらいなさい」

と言ったんだそうです。


橋蔵さんも笑顔で手を差し出してくれました。

ところが僕は火がついたように、

「橋蔵じゃない!橋蔵じゃない!」

と泣きじゃくって抱かれるのを拒絶したらしいのです。

実はそのときの橋蔵さんは素顔でした。

映画の中で化粧をほどこした橋蔵さんと、

素顔の橋蔵さんはまるで別人でした。


このことまったく記憶にありません。

でも、大変失礼いたしました。ひらにお許しください。

ちなみにうちには、

大友柳太朗さんに抱っこしてもらってる僕の写真があります。



▶︎みりん