日中戦争勃発後、
兵士たちを慰めるために派遣されたのが慰問団でした。
有名な慰問団に吉本興業が、
朝日新聞と共同で派遣した「わらわし隊」があります。
当時の帝国陸軍、海軍の戦闘機部隊の愛称であった、
「荒鷲隊」をもじって名付けられました。
柳家金語楼、花菱アチャコ、横山エンタツ、ミスワカナなど、
第一線のコメディアンたちが派遣されました。
大叔父も女剣劇のメンバーたちと一緒に、
慰問団となって中国大陸に渡りました。
踊りの上手だった僕の叔母もこれに加わりました。
戦後、着の身着のままで帰国した叔母は丸坊主でした。
母が聞いた叔母の苦労話は、
列車に乗っているときに山賊に襲われかけたとか、
引き上げてくるときに若い女とバレないように、
髪を切って丸坊主にしたのだとか、
なんとも凄まじいエピソードばかりでした。