映画鑑賞 OF 2012 | 三日月の憂鬱

映画鑑賞 OF 2012

1月 聯合艦隊司令長官 山本五十六


 国の命運をかけて講和を目指す姿、そして現実を受け入れない同僚・軍人官僚との葛藤、穏やかでありつつも決断を迫られたときの胆力とはどのようにあるべきか、訴えているように思います。

 今の日本人が戦争だけでなく大震災の教訓すらも自分で考えようとせずモラトリアムに陥っている状況。

この作品に描かれている日本人とダブります。


  役所広司、演じる山本五十六、あまりに魅力的な人物すぎます。

 そして、柳葉敏郎、吉田栄作、椎名桔平、香川照之に玉木宏と達者ですな。とにかく大根がいなくて素晴らしい。 95点の評価です。


2月 J・エドガー

 最初にネタバレごめんなさい。

 時間があわなくてしかたなくレオナル・ディカプリオ主演の映画を鑑賞しました。

 ところが・・・ クリントイーストウッド監督、すばらしい構成ですね。

 最初はレオ様がエリートでかつプレイボーイかと思わせておいて実は・・・マザコンでホモで・・・そして・・・男同士の痴情のもつれもあったりで・・・。

 歴史上におけるエドガーの存在や闇将軍ぶりを知らないし、この作品でも前述のアブノーマルぶりに焦点がいってしまいまして・・・。ストーリーのメッセージ性を感じれなかったのが残念。

 ただ色ボケや権力ボケ、老害が痛いほど描かれておりしかも時間軸を壮年時と老年との対比で描きながらキャラクターがあまり変わっていない、むしろ猜疑心が募っていく一生だったように描かれてますね。。。でもきもい話なんで70点かな。


TIME

 通貨や決済、給与などが寿命に置き換えられたSFアクション。

 二通りの見方があるのかな?

 ひとつは単純にスリルあふれるストーリーとして楽しいと思うか・・・・

もしくは貧富の格差や階級闘争史観のようなもものを前面に感じ取って労働搾取・富の再分配などに

大いに関心を抱くか?

 ただ後者であった場合、リーマンショックから欧州債務危機まで金融クラッシュなどを風刺したいのでしょうか?

 個人的にはメッセージ性を感じ取れませんでした。搾取される側としての描かれ方も「生活保護受給者が更に搾取されている様相」といったら言い過ぎかな。。。

 でも興味深いストーリーでもあったのも確かです。80点ってところでしょうか?


3月 戦火の馬

 はっきりいってご都合主義に満ちたメルヘン映画。当初は小作階級農民の自業自得な話に思えて共感できなかったのですがプライベートライアンを思わせる展開で次第に息苦しさに包まれ胸がつまりむしろこれだけ悲哀を生き抜いた人馬がハッピーエンドに至るご都合主義はむしろあってもいいじゃないかと感情移入できる思いでした。

 賛否両論あるでしょうがみなさまにはこの作品のメッセージ性と向き合ってもらいたですですね。90点。


4月 ブラックアンドホワイト

敏腕CIAエージェントが出会い系で知り合った熟女を取り合うストーリー。凄腕エージェントがもてる人脈・能力をつかって諜報活動・妨害活動をくりひろげるコメディ。お約束的にヒロインが悪者にさらわれてしまいますがあっさりてをつないで友情復活→無事救出というチープな三文ラブコメでした。

 でもあえてチープにつくったんでしょうね。 80点。


5月 タイタンの逆襲

とにかく壮大なスケールの東映漫画祭り。よくもま~これだけのご都合主義、敵対関係があっさり仲直りして一緒にビーム発射なんか当たり前だし。巨大化したボスキャラが山をこわしていくって・・・・日本のしかも昭和のキグルミ戦隊・ヒーローものか。。。 続編はもうみないだろうな。 50点。


6月 貞子3D

まず初めにネタバレをごめんなさい。前半は怖く見せる演出が面白かったんですよ。問題は後半(*´Д`)=з。恋人がさらわれてしまい刑事と一緒にとりもどしにいくまでのご都合主義は目をつぶれる。しかし、エイリアンのような貞子キャラの大量出現にはびっくりΣ(~∀~||;) 口を押させて爆笑するのをこらえたよ。石原さとみもバイオハザードばりにたくましくなってしまし、しまいには大量の貞子を一掃できちゃうし:゙;`;:゙;`;・o(ロ≦〃) これまでのリングのシリーズだと呪いや数奇な運命に翻弄される登場人物たちの描写があってこそ怖さも共有できたんだけど・・・。 そこが期待外れでした。 50点。

8月 トータル・リコール
USAでは興行収入が滑っているという前評判を得ていたので嫌な予感がしたのですがそうでもなくけっこう普通かな。ただベースの旧作を踏まえた流れもいいけどヒール側の残虐性が抑えられていて物足りないかな。YAMAHAのピアノの活躍はうれしかったな。このあたりはネタバレごめんなさい。それとスターウォーズでみたことがあるようなシーンもあるんだけど。もしかして単純にオマージュですかね? 60点。

るろうに剣心
 人気コミックの映画化。自分もアニメ放送は面白くてみていたけど余分なストーリーが増えてからは見る気をなくしたっけ。閑話休題。
 本作品は「ハゲタカ」の大友啓史監督がNHKからの独立第一弾としても注目をあびてまして。脚本もご自身で手掛けられているんですな。
 でも、その~なんつ~かアクションは主演の佐藤健も健闘したとは思うけどアニメで追っていたストーリーの深みがあまり感じられない。原作では武田観柳(たけだかんりゅう)邸編は四乃森蒼紫(しのもりあおし)率いる御庭番衆(おにわばんしゅう)の悲劇があってこそのストーリーだと思うのでそこに用心棒として鵜堂刃衛(うどうじんえ)がいる、不殺(殺さず)を問うのはま~スケールダウンに感じられるわけでして。
 たぶん、賛否両論あるんじゃないかな?
 また頬の十字傷に関しても片側の傷のみの行方を明かしているだけに最初から続編ありきのフラグなんだなと思いました。 70点

あなたへ
 高倉健主演。
 寡黙なひとがらで老境ににさしかった刑務所の刑務官が慰問にきた女性歌手と結婚にいたるも先立たれ、そしてその遺言である生まれ故郷の海への散骨を遂行すべくドライブをしていく道中を描いたストーリー。 久々に清々しい(すがすがしい)思いになれました。映画ならではのご都合主義というなかれ、懸命にひたむきに生きている人がささやかな幸せをかみしめることができる、ちょととしたメルヘンストーリーもいいじゃないですか。 95点。

10月 ボーン・レガシー
 ジェイソンボーンシリーズのスピンオフ。次回作がありそうなフラグ満載なんですが。
なんの先入観もなくスピンオフとして認識しただけで鑑賞したんですが。
エドワード・ノートンが悪役だし、久々にみるレイチェエル・ワイズは痩せてるし、アサシン「暗殺者)役のルイ・オザワってどこかでみたと思ったらプレデターズで日本人のヤクザ役で出演した人じゃない。
 総括すると個人のアイデンティティとか尊厳とか、国家の陰謀史論を考え出したら疲れます。
 シンプルにミンッションインポッシブル4(ジェレミー・レナーが主要キャストで登場)のコントを省きターミネーターの要素を取り込んだ娯楽作品と思うことにします。85点

ハンガー・ゲーム(日本語吹き替え版)
声優さんたちが水樹奈々をjはじめとする豪華メンバーなんだけどこれかの日本で物議を醸したバトルロワイヤルのパクリなのか?
しかもこれ「2」が公開されるってクレジットまであるけど・・・。それと美的感覚の欠如をうかがわせる歪んだ世界観て感じがいかにも近未来の設定って感じで80年代SFのチープな設定が復活っていったらいいすぎか。期待値が低かったのでこんなものか。 55点。

終の信託
尊厳死とは・・・ 最後を託すとは・・・ といったテーマ性に魅入られたにもかかわらず、結末には納得できかねる。でも検事役の大沢たかおがまたこんなに実力があったのかとおもわせるほどすごい、そしてキライになりそう。。。 90点

11月 のぼうの城
小勢が大勢を打ち破る日本人の判官びいきをあおるようなストーリー。でも石田光成が武略に疎いなりに両腕の武将の助言をいかしつつリーダーシップをとっていくあたりと小勢を率いた城代(野村萬斎)とが対象的ですな。ただ大勢の死をもってして決着した戦を「いいいくさであった」といえてしまう三成にあまさというか・・・。前半のくだりで大谷好継に「寛美にひたっている」と揶揄される所以をそこで露呈してしまい、本編を通じて実は成長がなかったというのが石田光成ではなかったかと思えます。それにしても城代・長親の人気の源泉がイマイチわからなかった。そもそもなんであんなに簡単に団結できるのか、その神髄が不明なままなのが惜しまれる。80点。

 新劇場版 エヴァゲリオン:Q
期待値が大きかったのとあらすじをまったく知らないでみたのでこの展開には絶句・・・。
帰宅後、各種レヴューも読んだけど賛否両論が白熱。
 それと残念なのは冬月が将棋が好きな愛棋家という設定はうれしいが将棋は「打つ」ではなく「指す」です。「うつ」は囲碁ですよ。そこんところ宜しくお願いします。
 そんなわけでそこも減点対象として(笑) 75点。

悪の教典
 まず最初にネタバレごめんなさい。伊藤英明の一糸まとわぬ肉体がウラヤマシス。なんせ筆者の体のキタナサといったら・・・。
 それはさておき人気で生徒から慕われていた教師がその本性をみせて教え子を虐殺していくストーリー。三池ワールドと形容するには異質・カオスな世界観に呆然とするばかりでした。
 ヤラレキャラと生き残りキャラとがわかりやすかったけど禁断の男同士の性愛などもはいっておりアブノーマルな世界観の人にはたまらないんでしょうな。
 おれはノーマルですけど何か? 
 可もなく不可もなく続編への期待も?がつくけど・・・ 70点。