政治家の売名行為について~あるブロガーからのメールであらためて考えたこと | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

政治家の売名行為について~あるブロガーからのメールであらためて考えたこと

あるブロガー氏から下記の①~④に関しての質問メールをいただきました。せっかくなので、ここにお返事の一部を掲載して考えを示させていただきます。

①ブログを始めたきっかけ

私は昨年の始めに一ヶ月間入院し、政治活動に大変支障をきたしました。特に、一定期間、駅頭活動ができず、そのため変わりに何か情報発信をする必要性を感じていました。結局その手段として選んだのがブログでした。

なお、それ以前からブログには興味を持っていました。

②売名行為に関する考えとランキング掲載の理由

売名行為の是非について関心をお持ちになっておられるようですが、政治家を目指しておられるようなので、是非その夢をかなえていただくために、他の方は言わないであろうことですがはっきりと申し上げておきます。

政治家は人気商売です。当選しなければ、政治家は思っている政策を行政にあまり反映できません。また、当選するためには名前を知っていただく必要があります。なにしろ、投票用紙に名前を書いていただかなければ当選はできないのですから。ということで、売名行為は今のところ、政治家の必須ツールであると申し上げておきます。

ただ、一つ問題なのは、売れている名前(イメージ)と実態との乖離です。本当の議員の姿とイメージが違うケースが多々あります。そして、これは本来望ましくないものです。

もっとも、ブログというのはどう隠してもその議員の本質が出ると思います(万一、秘書にやらせている場合はその秘書の個性が出てしまいますが。なお、地方議員には秘書はほとんどいません。)。私の個性や考え方を知っていただく手段としても、ブログは思いのほか有効であると感じています。有権者全員とリアルの世界で知り合うことは困難ですが、ブログはそれを補って有権者と政治家をつなぐ一つの有効な手段であると思います。

また、私はブログのアクセスを分析していますが、ランキング経由でのアクセスがかなりの割合で見られます。よって、今のところ私はランキングを有効なツールであると判断しています。

なお、ブログが負担になったり、ランキングにこだわりすぎて本業がおろそかになることはまずいことですから、その観点でホームページは作ってもブログはやらない、あるいはブログは作ってもランキングには参加しない、という議員さんも多々あることはお伝えしておくべきことだと思います。

③後援会のランキングへの協力の有無等

後援会員がランキングアップに協力しているかどうかですが、残念ながら私の後援会員でブログをごらんいただいているのはほんのわずかです(ネット世代の参加が意外に少ない。これは多くの若手地方議員の悩みです。)。また、わざわざサクラ行為を後援会に依頼することは無意味であると思います。あくまでネットは補助的なものです。地方議員の選挙に関しては、若い方がお考えになっているほどは、ネットの影響力はありません。

また、地方議員の後援会員はあまり多くなく、ランキングを押し上げるほどの貢献ができる会員数を私は持ちえていません。(有名な都議などなら別ですが。)ちなみに、同じ労力を後援会員に方にお願いするなら、私はもっと別のことを依頼します。

④サクラ行為があってもランキングは続けてよいか

これは、私がランキングに参加している以上、やむをえないと考えています。今のところ、私はやらないことにしていますが。さらに、私は世の中のいろいろな裏技的な手法(本文に無関係でもヒットしやすいキーワードをわざと入れ込むなど)は使いません。

なお、これを言い始めると世の中のあらゆるランキングは疑問だらけになります。本のランキングは著者や関係者が買いまくっている場合が多々ありますし、社長ブログは社員の協力があってもおかしくありません。また、ランキング自体、透明性という意味では最低です。もちろん、ランキングにも透明性があるに越したことはないのですが・・・・。

とにかく、私はブログ上ではアクセスアップを他のブロガーと同じようにお願いしていますが、それ以上のお願いは今のところやっていませんし必要性を感じていません。


さて、最後に、繰り返しになりますが、もし政治家をめざすのであれば、売名行為は欠かせません。選挙区の人が「この人なら任せてもいい」「とりあえず、この人にやらせてみようか」と思うから投票するのです。いくら政策が良くてもそれだけでは当選はできません。なぜなら、その人の信頼感や政策などの総合点が選挙結果だからです。それが良いか悪いかは分かりませんが、政策が良くても実行できるかどうかに関してある程度の信頼感がなければ人は名前を書いてはくれず、その要素のなかには「名前を知っているかどうか」が必ず入ってくるからです。それが良いかどうかというと、賛否両論だと思います。

ちなみに、私がいろいろな場で参考にさせていただいている埼玉県知事の上田清司さん(元々は地元の代議士)は、中身がともなっていてもそれを伝えられなければ意味がないという考えの持ち主であり(中身がある方なのですが)、徹底的に名前を売る努力をされた方です。私もそれを参考にしています。

なお、私がサインしている納税者保護誓約書は政治家の実行力を担保するツールとしてアメリカで共和党が導入したものです。興味がおありなら、ブログのリンク先のJTRのホームページを一読してください。