(21)飲食店の業種・業態コンセプト(地鶏居酒屋) 計画のポイント(平面図・スケッチで理解するコツ)
地鶏といっても国内で肉用として生産されている鶏の多くは、若鶏といわれる肉用専用主であり、この他に国内銘柄があることだ。これらの国産銘柄鶏の定義によって生産されており、鶏種、肥料、飼育法、出荷日齢などについて一般の鶏と異なる特別なものが、地鶏と銘柄鳥に分けられている。
地鶏とは、在来種(しゃも、比内鶏、名古屋種など)由来の血液が50%以上のもと)ひな鶏を80日以上飼育したもので、平飼いなどの工夫を加えられたものをいう。
また銘柄鶏とは、在来種由来の血液が50%未満のもとひな飼育したものや、肉専用主を飼料、飼い方など、その飼育方法に、通常とは異なる工夫を加えて生産された鶏をいうことを理解しておくことだ。
地鶏という名称を付けた店の場合には、しゃも、比内地鶏、名古屋コーチン、鳥骨鳥、薩摩鶏などいずれかの鶏を主軸に焼鶏を提供する店だと認識しておければよいだろう。
最近の傾向としては、焼鶏居酒屋もただ単に若鶏を焼鶏にするものではなく、あくまでも素材にこだわりを持っているという独自の差別化やこだわりを主軸メニユーにこだわる店が増加する傾向にあることだ。
焼鶏とは、素材を炭火焼きにして提供するという単純な調理法であるために、素材の美味しさの良し悪しがそのまま味覚にでてしまう食材だけに、鶏肉のこだわりに視点をおき食材選定をしなければならないことだろう。
客層としては、男女問わず、25歳から50歳後半まで幅広い客層をターゲットに集客することができるだろうし、最近では女性客同士で来店する客も増加していることだ。
客単価としては約2500円から2800円以内で設定しておくことが利用しやすいだろうし、店内が焼鶏の煙で先が見えないというよりも、比較的居心地がよい環境の店作りをすることも、集客を高めるポイントであろう。
立地ちとしては街の一角、商業ビルの上層階、1階路面店などターゲットとする客層に合わせて選定することが大切であろうし、アプローチしやすいことは場所としてはよいことは結うまでもないことだ。
特に地鶏居酒屋の場合の差別化としては、鶏肉にこだわることは当然のこととしても、その他野菜類、サイドメニユー構成についても料理へのこだわりコンセプトとしての統一性が必須条件であることを忘れてはならない。
それでなくとも焼鶏居酒屋という業態は街に多く点在する業態であり、焼鶏1本80円から400円まで業態や素材にこだわりによって種々のスタイルが存在することを理解しておくことだろう。
いまや独自のオリジナルティーがしっかりとしていない限り、客を集客できない時代であることを忘れてはならない。
平面計画/ゾーニング計画のポイント
この店のゾーニング計画としては、入口に向かって右側手前にトイレ、事務所、オープンキッチン、その奥に洗浄エリア、ドリンクパントリーを配置し、左側には4人席、2人席、ベンチシート席、大テーブル席、キッチンを囲むように
カウンター席など、種々の客層に合わせた客席形態を配置していることだ。
全体のオペレーションの流れとしては、比較的客席数が多いため、各テーブルの注文についてはオーダーエントリーシステムを利用し、客席とキッチンをキッチンプリンターの伝票伝達方式をとっている。
また地鶏居酒屋という業態イメージを演出するために、オープンキッチンを囲むカウンターの中央に焼き物機ラインを配置し、素材へのこだわりや焼き場コーナーへの視点を集めるデモストレーションをしていることだ。