厨房設計/炭火焼肉店業態特徴とイメージ・コンセプトの確立 | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/炭火焼肉店業態特徴とイメージ・コンセプトの確立




この店の業態コンセプトは、無煙ロースターを使用するのではなく、本物の炭火を使用した七輪で種々な肉を焼いてもらう本格的な焼肉料理店である。BSEの事件以来焼肉そのものが敬遠されていだ時期があったが、近年では、すっかりその人気を取り戻し利用客も増加傾向にあるだろう。

特にこれまでのテープルに組み込んだ下から煙を吸い込む無煙ロースターではなく、炭火を起こし七輪で肉を焼いてもらうスタイルをとっていることだ。また客層のターゲットは、男女、ファミリー客を中心に集客する内装イメージにしているが、比較的これまでの焼肉店の席よりもパーテションで仕切るなど個室感覚を訴求することでファミリー客、アベックなどの固定客化を促進する計画をしている。

主軸となる肉料理については、低価格のみの素材に固執することなく、付加価値の高い肉も品揃えするなど幅広い客層を狙うことを計画していることだ。他店との差別の目玉は、ブランド肉をアピールすることや比較的付加価値価格で提案できるように、流通ルートを独自に開発するなど、これからの「こだわり」時代のニーズを捉えた計画をしている。




ゾーニング計画と設計ポイント

この物件条件は、ビルの2階に立地するものであり、単独に1階から2階へアプローチできる階段があることだ。立地としては都心部に比較的に近い位置に立地しており駐車場もビルの専用駐車場があるため(すべての客席を賄う専用駐車場はないものの)、車でも来店できる立地にあることだろう。

ビルの設備は入口に向かって右側壁側に収集していることや左側と入口側のビルの壁はガラスになっているため、おのずとキチンエリア、その他付帯設備は右側壁側に配置することが理想的な区画となることだ。

また肉を各テーブルで七輪を使用して焼くため、排気システムは、ひとつひとつデザインフードを天井から下げる計画にし、各テーブルのすべての排気ダクトを最終的に一つにまとめて外部にダクトに繋ぎこみビルの屋上までダクトを立ち上げる計画である。

飲食店の場合には、郊外立



地や物件の外部に排気する場所周辺が無窓であるなど特別な条件がない限り、排気設備は屋上まで立ち上げることが常であることを理解しておくことだ。

1)客席計画は、すべて個室化できるようにパーテションや見え隠れする壁で区画し、テーブルにはコールベルを配置するなどスタッフを呼ぶ場合にはベルを鳴らしてスタッフを呼べる仕組みをしていること

2)客席フロアーの床レベルを統一するために、入口で靴を脱いで席に着いてもらう仕組みとして食器類の下膳についてはカートを使用できるように計画している。またメニュー数が多い場合には、カートサービスができることも効率的に料理を提供できる仕組みであろう。

3)キッチンエリアは、客席と完全に区画し洗浄エリアはキッチン、客席とさらに区画している。七輪を使用する場合には、焼網にこげ目が付きやすいために頻繁に網交換を使用することが多く、洗浄エリアの入り口にはロストル(焼網)クリーナー機器を配置していること

4)焼肉店の仕組みによってはドリンク、デザート類などすべてセルフサービスに人件費効率を上げる仕組みも増加しているが、この店の場合には、ドリンクパントリーまでキッチンエリア内に区画し、大人を主客層としたコンセプトに対応できる環境づくりをしていること

5)内装デザインは、各客席エリアを区画する柱は天井梁に至るまですべて古材を使用し落ち着いた和紙や竹格子などポイントとしてはアンティックにブラケット照明を通路の各所の柱の上部に配置し、和のイメージを訴求していること