【中学受験】1月は学校を休むか | 中学受験・高校受験 学力を伸ばす方法

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学習塾「テイクオフ」は2023年2月19日で閉塾しました。
18年間、誠にありがとうございました。

森下武三は、森下和装工業(横浜市)で
畳・襖・障子の仕事をしています。

父:「1月になると受験生は学校行かなくなるって、本当か?」

母:「そういう子もいるらしいわよ。」

父:「家で勉強する方が受験に有利ってことか。」

母:「そうみたい。1月になれば、通知表はもう関係ないから、

どんだけ欠席しても関係ないってことらしいわよ。」

父:「でも通知表の提出が必要ない学校もあるだろう。そうしたら、学校なんて全部

休んだ方がいいってことになるよな。」

母:「確かに。うちも来年受験だから、学校は1年間休ませようからし。塾に行かせて、

後は家でガンガン勉強させれば、いい学校にも入れて将来につながるでしょうし。」

父:「そうだな。そうしよう。」


0.
「1」「2」「3」は前置きですので、飛ばしてくださって結構です。


1.
2013年の私自身の読書の振り返りで恐縮ですが、

河合隼雄先生と佐藤学先生の著作に注目して読んでいました。

これまでもちょこちょこ読んでいたのですが、改めて河合隼雄先生のアプローチの深さに

感銘を受けまして、心とは何かという命題に迫る上で、大変勉強になりました。

昨年1年で数十冊目を通したと思いますが、河合先生は図書館検索で200件を超えるほど、

膨大な著作を残されていますし、内容も多岐にわたりますので、河合先生の思想の源泉

というものがまだ私には掴めておりません。

今年も少しずつ読み進めて、お勧めできる本を紹介したいと思っております。


2.
佐藤学先生は、直近の岩波ブックレットで、安倍政権の教育政策担当大臣含め、

政策担当者を「教育について全くわかっていない」と痛烈に批判しています。

佐藤学先生の思想は一部私には理解しがたい部分がありますが、

学校改革についての分析は極めて深く、まさに教育が何かをとらえている方だと感じます。

河合先生の著作同様、大変勉強になり、自分自身の学習指導上にも大変参考になりました。

1点、ご存知の方もいらっしゃるかしれませんが、佐藤学先生については、

宮台真司氏が「無教養な人」と痛烈に批判しています。

宮台氏からすれば無教養に見える部分があるのでしょうけれども、

教育分野についての著述を読む限り、宮台氏の分析は佐藤学先生のものに比べれば

大変幼稚に見えます。佐藤学先生が内外の学校現場の状況を熟知しているのに対し、

実態を知らずに理論だけで分析しようとしているためと思います。

宮台氏の批判は控えめにとらえておくべきだと私は感じています。


3.
ちなみに、宮台氏はゆとり教育の知恵袋であったと、ご本人発言されていますが、

現場の状況を知らない方々ばかりで設計された点に、ゆとり教育の問題があったのだと

思います。佐藤学先生もその点を批判されています。

ゆとり教育は、結局、「ゆとり教育のせいで学力が低下した」

「学習指導要領を減らしたら大変なことになる」「授業時間数を減らしたからダメになった」

という誤った観念を世間に植え付けたという成果しかもたらさずに終わってしまったのは、

理念はともかく、設計段階でミスがあったためだと考えます。


4.
前置きが長くなりました。

学校を休んで受験勉強するかどうかは、あくまで個人の選択の問題ですが、

そういうことをみんながやり出すと、学校・学級の価値を大きく毀損することになり、

その負の側面はブーメランのように自分に舞い戻ってくる、という点に留意するべきです。

学校や学級は、集団から成り立つものであり、個人の行動は独立ではなく、

相互に影響を与え合います。知的な発達も肉体的な発達も重要ですが、

社会的な発達も重要です。学級の中での個人個人の役割があり、

役割期待を遂行する中に社会性の発達があります。

「自分だけ何とか成績を上げて合格してやろう。別にルール違反じゃないんだ。」

という考えはもちろんわかります。

「私立小学校の中には、1月は6年生はほとんど授業ない学校もある。

不公平だ。うちの子も休ませる。」

という考えもわかります。

しかし、それがどういう人間形成に影響するかということは、考慮にいれるべきでしょう。


5.
日本国憲法では、国民にはその保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う、

と規定されていますが、同条文の前項では、国民は教育を受ける権利を有する、

という文言も存在します。近年、義務教育諸学校での教育を拒否し、

義務教育諸学校以外での教育を受けることは、保護者に当然認められるべき権利である

という思潮が広がっていると指摘されています。

教育の私事化を巡る問題です。

日本ではこれを巡る問題が法廷に持ち込まれたことがないようですが、

アメリカでは既に例があり、日本でも時間の問題なのでしょう。

中学受験の社会全体への影響も考える必要があると思料致します。


6.
「学校を休んでも、家で集中して勉強できないから、学校は行った方がいい。」

「学校に行くことで、生活にリズムが出て、帰宅後、勉強がはかどる。」

という説明がされることがありますが、これはケースバイケースです。

だらだらして終わる、という子も確かにいるでしょうけれども、

勉強する子ならば、何時間でも集中して勉強できますから、

やはり学校は休んだ方が勉強は進みます。

ただ、これまでに相当に勉強してきているわけで、

何日か家で勉強することが、どれほど成績を押し上げられるものか、

というのは何ともわかりません。上がる場合もあるでしょうし、

さほど上がらないという場合もあるでしょう。


7.
中学受験の入試日程の短さを考えた場合、インフルエンザやノロで力を出し切れずに

終わるということは避けたいというのは誰しも考えることでしょう。

そのために2~4日程度欠席するというのは、常識の範囲内という気がします。

もちろん、そんなこと気にせずに、最後まで学校に出席する逞しさというのも

素晴らしいという気が私はします。


8.
ご家庭ごとの判断ですから、よくご両親で検討し、

本人にも包み隠さず状況を伝え、決めることだと思います。

個人的には、正々堂々と闘った、と本人もご家庭も思えるように、導いてほしいと思います。

最終的には、ご家庭のご判断ですから、私がどうこういう筋合いの問題ではないのですが。

ご参考まで。


「1月は学校を休むか」、についての過去の記事です。

ご参考まで。

1月は学校休むか?◆ほんものの合格を超えて◆No.13

1月は学校休むか?2◆ほんものの合格を超えて◆No.14




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