【長文です】NHK経営委員就任期間(3年)を終え、今、経営委員会と松本会長に託す想い | ┃ナミねぇのブログ┃

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プロップ・ステーションの活動やユニバーサル・ドローン活動、ナミねぇのライブ活動など、公私にわたる日々の出来事や、多くの方に伝えたいことなどを書かせていただきます。読んで下さいね~❣️





NHK経営委員就任期間(3年)を終え、

今、経営委員会と松本会長に託す想い


1)ナミねぇ、NHK経営委員に就任する


「青天の霹靂」と言うたら大袈裟やけど、2010年6月、私の「NHK経営委員就任」(任期三年)が決まった時は、周りの人達だけやなく、自分自身もビックリしました。


本(ほん)大好き人間で、神戸ー東京間を、毎週のように往復する新幹線の中では、駅書店で文庫本2-3冊を買い込み読み終えるという、まぁ乱読の読書魔(!?)で、テレビはニュースくらいしか見ぃひんというナミねぇやったもんやから、「えっ、NHK? 経営委員、なんで私が?それって何するのん?」と、驚いたわけです。


NHK経営委員というのは「国会同意人事」つまり国会(衆議院・参議院)の本会議での同意を経て内閣、内閣総理大臣又は各省大臣が任命する・・・分かりやすく言うと、衆参両院の全国会議員が一票づつ投票して選ぶ人事ということで、法律・予算・条約よりも厳格な手続要件となっている(以上、一部Wikipedia引用)と知って、ますますビックリ。


しかも、その同意人事で「衆参両院とも全員賛同で選ばれました」と聞いた時は、飛び上がったもんです。
しかも、しかも「NHK会長は、経営委員会が選ぶんですよ」と聞かされ、またまたビックリ。


まず頭に浮かんだのは「責任、重っ!!」という言葉。


だって国会議員というのは、数万、数十万、数百万の人に、投票用紙に名前を書いてもろうて就任する仕事。
一人一人の後にそれだけの有権者がついてるということでしょ。
その国会議員が「一人一票」を投票して選ぶって・・・メッチャ責任重い仕事やと思いません?


それにNHK会長というたら、法律で定められた受信料を支払う世帯だけやなく、支払って無い人たちも含め「公共放送として、全国民に公平中立な放送を届ける、みなさまのNHK」という役割が課せられてる、そのトップなんやもんね。


歴代の経営委員のリストを見てみると、巧なり遂げた(?)経営者や著名企業トップ、著名な学者・研究者という蒼々たる顔ぶれで、私のように自分の事を「ナミねぇ」と自称する非営利組織の主宰者なんて、一人も選ばれてない。


さすがに、しばらく「う~む・・・」って唸りましたよ。
でも数分後には「これはチャンスかもしれん!」って思いました。(早っ!)


なんでかって言うと、私は総務省の情報通信審議会の委員を10年近くやってて、ここ数年は「地デジ政策」の委員として「放送と通信の融合(地デジ)時代になると、テレビの字幕放送をリモコンのボタン一つで誰もが選択して見ることが出来ます。今こそ、字幕を推進しようやないですか!!!」「字幕は決して聴覚障害のチャレンジドへの福祉というだけではなく、赤ちゃんをねかしつけてるお母さん、騒音の場所や反対に音を出せない病院なんかに居る人たちなど、万人の状況に応じた情報取得ができる、ユニバーサルなサービスなんですよ~!!!!」って、叫びつつけてたから、公共放送であるNHKがそれを推進するように経営委員として役立てるかもしれへん、って思ったわけ。


NHK経営委員会の歴史からいうと「色もんの委員っていうか、毛色の変わった委員」やと思うけど、何か一個でも役立てる!と気づいたら、もう迷いなく前進できました。


そうして、ナミねぇのNHK経営委員生活はスタートしたんです。



2)早速の会長選で、

生まれて初めてマスコミの夜討ち朝駆けを体験!


就任してすぐに「次期会長選の準備」というのが始まりました。

NHK職員から絶大な信頼を寄せられていた「福地茂雄会長」が、一期で退任する意思が固く、2011年1月には新たな会長でスタートせねばならない、ということになり、経営委員たちのそれから半年間の仕事は、経理・経営書面の確認以外、ほぼその人選に忙殺されることになりました。


深夜にまで報道機関の記者たちから電話が入ったり「政府の委員会や歯医者さんを出たところ」にまで、取材者が立ってて声をかけらりたり・・・と、生まれて初めて「マスコミの夜討ち朝駆け」というのも経験したんは、この頃です。


半年間の人選作業の結果、JR東海の代表取締役副会長でいらした「松本正之さん」(現NHK会長)に決定するまで、それはもう紆余曲折がありました。


すでに記憶の彼方・・・という方が多いと思うけど、その会長人選の経過で「NHK経営委員会は、何やってんねん!」という視聴者からの抗議が届く、というような事態も起こりました。

長文になるので「松本正之会長就任」の経緯詳細は、ぜひ

「ナミねぇのブログ 2011年1月17日(木)

~NHK会長選任を終えて(NHK経営委員として)思うこと ~」

で、再確認いただけたら嬉しいです。
http://ameblo.jp/takenakanami/entry-10771212982.html



3)松本正之会長の笑顔


松本さん(あえて肩書きやなく、さんづけで呼ばせていただきますね)に初めて会った印象は「強面(こわもて)!」の一言。


上背のあるガッシリした体躯と、鋭い眼光、寡黙、ハンサムには程遠い(失礼!)お顔立ち。
「無駄口一切たたかへんぞ」と決めてはるような厳しい表情で経営委員会に臨まれました。


労組の人たちもマスコミからも「何を聞いても返事が返ってこない。困った、とっつきにくい!」という声が上がりました。


私は「チャレンジドの就労促進のため、無数の企業幹部に会ってきた」んやけど、こういう寡黙なタイプの方は「実は語るべきことがない」か、または「語るべき時までは語らない」のどっちかなんやけど、松本さんには「後者であって欲しい。旧国鉄時代から労務・人事のオーソリティとしてご苦労されてきた人やから、きっと後者に違いない」と期待しつつ、松本さんの「変化」に注目してました。


松本さんの笑顔を、はじめてじっくり拝見することができたのは、3月11日の東日本大震災・大津波のあと、はじめての「ナミねぇBAND チャリティライブ」を都内で開催した時でした。

阪神淡路大震災で自宅が全焼し、被災体験、復興体験のある私にとっては、居ても立ってもいられへん気持ちで開催した「チャリティライブ」やったんです。

「収益の全てを義捐金としてNHKを通じて被災地に送ろう! 復興の日まで続けよう!!」という主旨で、ミュージシャン仲間の協力を得てライブ活動を開始した、この都内で最初の「ナミねぇBAND チャリティライブ」に、松本さんがNHK職員数名とともに来場下さり「NHKを通じて義捐金を送る」というライブ活動がスタートしました。


「松本さん、ぜひナミねぇって呼んでね」と言うと「分かりました、ナミねぇですね・・・」と、含羞むような笑顔で応えてくれはったのが、松本さんの「案外可愛い(またまた失礼!)笑顔」を拝見した最初やったと思います。



4)次々に起きる、様々な課題に取り組む


東日本大震災・大津波におけるNHKの報道は、それはもう「凄い!」の一言に尽きました。

全国にある450台の「ライブカメラ(通称:お天気カメラ)」が刻々と映し出す映像は、全国津々浦々の視聴者だけやなく、全世界の人たちに「日本に今起きていること」を、圧倒的な力で「体験の共有」として送り続け、全世界から「ニッポン頑張れ!」エールが届けられたのです。
まさに、NHKならではの役割を果たしたと言えます。


今年の調査でも「信頼するメディアは?」という問いに、最も多くの国民が応えたのは「NHK」という声やったけど、最も信頼されるメディアという役割をこれからも果たし続けるためには、NHK自身が強靱な放送力を持っていなければならない、ということで、いざという時には大阪放送局を代替局として稼働させる体制を即刻整える必要があるということになりました。


私も経営委員として大阪放送局を視察させていただき、ライブカメラが東京の本局でないと操作できないことが分かったので「代替局にはライブカメラの操作技術と権限が必須」という提言などもさせていただきました。


次に、経営委員会が取り組んだことは「受信料の値下げ」です。
国会では「NHK受信料を20%値下げし(経営の安定のため)税金として徴収する、いわゆる義務化」という議論が過去になされてたけど、税金で運営するということは、NHKが「公共放送ではなく、国営放送になってしまう」ということなので「それではメディアの中立性が損なわれる」という声が多く、平成19年の国会において、義務化は見送られたにもかかわらず「値下げ(10%の還元)」が決議された、という経緯があります。


東日本大震災の経験から、値下げどころか強靱化が必要という状況のNHKにとって、この国会決議に従うことは大変な努力を要したんやけど、日夜を徹する議論の末、7%の還元(値下げ)が決定し、実施され、今に至っています。

大震災対応、値下げに続いて松本さんが断行したのは、役員報酬の値下げです。


これについては、すべての役員が異論なく実施されることになったんやけど、次に「職員給与の削減と、能力給や地方採用職員制度の導入」については、賃下げとともに働き方も変わるということで、日放労(NHKの管理職以外の全職員が加盟する労働組合)との激烈な議論が交わされました。


しかしながら、最後には「日放労としても、総意のうえで、前向きに受け入れる」という決議がなされ、即刻そのような体制に移行が始まりました。
日放労の皆さんが、NHKの果たす役割を深く認識され、決議されたことに敬意を表したいと思います。



5)参院選 政見放送の字幕付与


字幕については、私はNHK放送技術研究所(略称:技研)の世界最高とも言える放送技術に期待し、技研の方々と何度も話し合いをさせていただきました。
そして技研の努力と予算措置などによって「リアルタイム字幕」の技術などが、格段に進展してきました。


技術者が「必要やし、やれる!」と思っても、組織全体のコンセンサス(とりわけトップの)が取れないと、このようなマイナーな部分を推進することは難しいんや、と何度も実感させられました。
でもいざ推進体制ができると、そのスピードは「なるほどNHK!」というものでした。


ある時、総務省から「参院選の政見放送に字幕を付けたいが、NHKがウンと言ってくれないので、協力して欲しい」という要望があり、松本さんに「直談判」させてもらいました。


その時の松本さんの反応は・・・私の目をジッと見て「必要性は分かっています。でもウンと言えない理由があるはずで、担当の者たちからそれをシッカリ聞き取って下さい」というものでした。


私はそんな気はなかったんやけど「単に総務省の威光を傘に着ての依頼やったら、聞かれへんで!」という言下の強い意志と、職員を護る立場にある経営者の眼光に、ちょっと鳥肌が立ったのを覚えています。


会長室に隣接した会議室で、担当者の話を聞きました。
以前字幕を付けたことがあって、その時一人の候補者が「公序良俗に反する言葉をいっぱい発したので、その部分の字幕化を避けたところ、裁判に持ち込まれた」そうです。
勿論、裁判はその候補者が負けたんやけど、NHKが独自の判断で字幕化しなかったことは、瑕疵として残った」ということで、いわば「政見放送の字幕付与に対するトラウマ」が担当者に刻まれた・・・という事情があったことが分かりました。


トラブルには、こうした「人間的な」ことが多々あります。

理由が分かれば対応は出来るので、総務省と話し合い「付けた字幕は候補者や政党が確認し、OKが出たならNHKはそのまま放送する。NHKに(内容に関する)責任はない」という「条例改定」を行うことが決まり・・・そして今年の参院選から「政見放送に字幕が付与された」のです。


ちょとショックやったのは、字幕が付いたとたん障害者団体などから「NHK総合で付けられるんやったら、すべての地方放送も付けんかい!」と速攻で声が上がったことです
「ようやってくれた、おおきに。次は地方もよろしゅうにな」やなくて「一(いち)出来るんやったら、十せんかい!」というのは、まぁ団体交渉や要求運動にはようある論理やけど、予算や人手、技術などの裏付けを確保しつつ前進せねばばらん人たちからすると、決して気持ちの良いもんやないですね(笑)



6)松本正之会長の人柄と手腕


前述したように、多くの経営者に出会い対峙してきた私にとって、間近に見た松本さんの人柄と手腕は、率直に言って「花丸」です。


大震災対応、値下げ、役員報酬切り下げ、職員給与削減と勤務体系の改革・・・そのどれかを出来る人は居ても、その全てを3年間でやり遂げるというのは並大抵のことやないです。
まさに「松本イリュージョン」というても過言やないと思います。


3年間の任期を終え経営委員を退任するにあたって「NHK会長および執行部の皆さん」に、私はこのように挨拶させていただきました。


「この3年間、松本会長のもと執行部と職員の皆さんが一丸となって、国民から信頼されるNHKであるよう取り組んで来られたことに、心から敬意を表します。NHKが、日に日に筋肉質に変化して行くのを目の当たりにできた3年間に、感謝しています。次の3年間も松本会長のもと、一層筋肉質なNHKをめざして、頑張って下さい」



7)場外乱闘が始まった???


その挨拶の中で、気がかりなことが一つあったので、補足的に(議事外で)お話ししたエピソードがあるんやけど、ここ1週間ばかり、私のその話を聞きつけたメディアから、取材攻勢が始まりました。


ついには、対面での取材も受けたことがなく「実名を勝手に出すのは止めてね」と念を押したにもかかわらず「NHK経営委員だった竹中ナミが・・・」と書く雑誌まで現れ、それを読んだ他紙の記者から「どゆこと?」という問合せが続くという状況になってしまいました。


その「議事外」のエピソードというのは、私が10年以上委員をつとめる財務省の「財政制度等審議会」の控室で、新たに委員に就任されたJR東海会長の葛西敬之さんにお会いし、お茶を飲みながら軽い気持ちで「ご挨拶」した時のことです。


松本さんが「JR東海の現役副社長」という職責を投げ打ってNHK会長に就任され、受信料を払うに値するNHK改革を進めておられることに対し「松本さん、ようやってはりますわ、ありがとうございました。」と、元上司である葛西さんに御礼を申し上げたところ「今のNHKは、税金を使って国益に適わない放送を垂れ流してる!」と怒り出された、というエピソードです。


私は「単なる”ご挨拶”やのに、えらい反応しはるんやなぁ」とビックリしつつも、「あのぉ、NHKは税金やなく、受信料で運営されてるんですけど。それに、公正中立というのがキモの組織なんで・・・」と反論したところ、プイッとお茶を持って、席を移ってしまわれた・・・という経験をしました、という話を退任ご挨拶の「議事外」で喋ったんです。


私の話を聞いた松本さんは「元上司が失礼な対応をして、すみませんでしたね」と、頭をかきながら謝られました。


このエピソードを中心に据えて「官邸と葛西氏がタッグを組んでNHK支配を目論んでいる」というような記事が、何紙かの雑誌に掲載され、取材攻勢が始まったという訳です。


安倍総理の「懐刀」である葛西氏が、安倍総理をそそのかして松本会長の首をすげ替え「NHKを支配しようとしている」という記事の裏付けが「ナミねぇの体験談」なんて、そらもうビックリ仰天です。



8)第一次安倍政権で、委員をつとめた私


私は、第一次安倍政権では、前述の財務省や総務省の審議会のほか「再チャレンジ」や「雇用戦略」に関するいくつかの懇話会の委員も拝命し、何度も官邸や内閣府での会議に参加しました。
*ちなみに、いつもジーンズなので、入り口で警視に誰何されること度々やったけど(笑)


「再チャレンジ政策」にはとても期待してたので、体調を崩された安倍総理が任期途中で止めはったのは、ホンマに残念でした。


でも、第二次安倍内閣では体調不安も払拭され、ご自身が「再チャレンジ」。
「持ってる総理」といわれるほどの状況が続いています。


私としては、親友の村木厚子さんが冤罪を乗り越えて「厚生労働事務次官」に就任し、安倍政権の目玉政策の一つでもある「女性の活躍できる社会」の実現に、大いに手腕を発揮していただきたいと期待してるだけに、このような記事に私の体験談が使われることには、忸怩たる思いでいっぱいです。


葛西さんはともかく「持ってる総理」である安倍さんが「メディア支配」など目論めば、一気に政権が不安定になることは間違いありません。


なぜなら、NHKに求められる「公平中立」というのは、多様な出来事に対する、多様な視点と情報をキチンと提供できるということであり、それらの視点・情報をもとに判断するのは国民やということが、すでに日本は定着している国やからです。



9)最後に、個人的な意見(想い)を書きますね


このブログの最初に書いたように「NHK会長を選ぶのは経営委員会の仕事」です。

3年間、瑕疵も無く、情熱を持ってNHKを筋肉質に改革してきた会長をもし変えるとしたら、一つは松本さん自身が(前の福地さんのように)絶対一期で退任すると決断された時。

二つ目は、松本さん以上の手腕を発揮できるという確たるものを持つ人が候補に挙がった時、くらいでしょうか。


残られた経営委員長の浜田さん、経営委員の皆さん、これから新しく交替・就任される委員の皆さんの見識に、心から期待したいと思います。


私は個人的には、組織のトップはその組織を知り尽くし、貢献意欲に満ちた内部の人が昇格すべきやと思っています。
あと一期、松本さんが改革を進められたら、その日が来るのでは・・・とも思います。


NHK職員の皆さんが、一丸となって、真の「みなさまのNHK」を創り上げて下さることを、心から願いつつ、今日のブログを終えたいと思います。


長文を最後まで読んで下さった皆さん、

ありがとうございました!!!


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