ナミねぇは毎年
関西大学の経済学部や社会福祉学部から
新入生歓迎講演会やゼミなどに招かれてたんやけど
本年4月1日づけで
「関西大学経済学部客員教授」に就任しました。
若い学生の皆さんに直接話しかける機会が増えるのは
とても嬉しいことです!!
年齢差を超え
一緒にユニバーサルな社会の実現に向けて
行動したいと思います。
客員教授就任にあたっての
ナミねぇプロフィールとオピニオンは
下記の通りです。
皆さん、改めてよろしくお願いします(^_^)/~
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☆竹中 ナミ プロフィール
社会福祉法人プロップ・ステーション 理事長
1948年兵庫県神戸市生まれ。神戸市立本山中学校卒。
重症心身障害の長女(現在39歳)を授かったことから、独学で障害児医療・福祉・教育を学ぶ。1991年、草の根のグループとしてプロップ・ステーションを発足、98年厚生大臣認可の社会福祉法人格を取得、理事長に。ICTを駆使してチャレンジド(障害を持つ人の可能性に着目した、新しい米語)の自立と社会参画、とりわけ就労の促進を支援する活動を続けている。
「チャレンジドを納税者にできる日本」をスローガンに、95年より チャレンジド・ジャパン・フォーラム(CJF)国際会議を主宰。
内閣官房雇用戦略対話委員、社会保障国民会議委員、財務省財政制度審議会委員、総務省情報通信審議会委員、内閣府中央障害者施策推進協議会委員、国土交通省歩行者移動支援プロジェクト委員、などを歴任。2009年春、米国大使館より「勇気ある日本女性賞」を授与さる。同年天皇皇后両陛下より「春の園遊会」に招かれる。2010年6月、NHK経営委員に就任。2012年4月、関西大学経済学部客員教授に就任。
ニックネーム「ナミねぇ」で親しまれている超元気な関西人。
著書「プロップ・ステーションの挑戦」(筑摩書房)
「ラッキーウーマン~マイナスこそプラスの種」(飛鳥新社)
2008年より「ナミねぇBAND」を結成し、ヴォーカリストとしても活動中。
☆オピニオン
ICTを駆使してユニバーサル社会(共生・共助社会)の実現を目指す
プロップ・ステーション(略称:プロップ)で学び、働くチャレンジドの多くは、日常生活を営む上で何らかの介助・介護を必要としていますが、ICTが彼等(彼女ら)の潜在的な力を社会に引き出す大きな役割を果たしてきました。
コンピュータは、手指以外に、足、口、瞼など、身体のどんな部分であっても、僅かでも自分の意思で動かせたなら「入力装置」を接続することが出来るからです。また最近ではパソコンのハードとソフトが発達したために、身体障害以外のチャレンジドにとってもICTは重要な道具になっています。プロップのセミナーでは、知的ハンディあるいはLDや自閉症や発達障害、精神障害のチャレンジドもICTを学び、それぞれの個性と能力を発揮しています。
日本では「IT」と言われることが多いのですが、国際的には「ICT」と呼ばれており、「C」は、コミュニケーションの「C」です。つまり情報技術は本来「人と人の、あるいは人と社会のコミュニケーションに役立つこと」が大きな役割なのです。
自分の個性や能力を社会で生かすためには、チャレンジド個人の努力だけではなく、社会全体が「障害によるマイナス部分のみを見るのではなく、一人一人の可能性の部分に着目し、それを引き出す技術や制度を生み出すこと」が欠かせません。人は障害の有無に関わりなく「誰かから期待されている時」自分に誇りが持てます。マイナスだけに着目する福祉は、いくらそこに「慈愛」が込められていても、人の誇りを奪うことに繋がります。 今「もったいない」という素晴らしい言葉が再クローズアップされていますが、「人の力を眠らせるほど"もったいないことはない!"」というのが私の持論です。
人が自分や社会に挑戦する意欲を持つためには、社会全体の意識の転換と同時に、その人が「支えられる存在」であるだけではなく「支える側にもなれる」柔軟なシステムが必要です。
私の娘は39年前に重い脳障害を持って生まれ、重症心身障害者として全介護を要する状態で現在に至っていますが、彼女から私は「色んな人が居る。それが社会なんや!」「人の成長のスピードは、一人一人違って当たり前」ということを心底学びました。ですから彼女は私の恩師であり、同時に私の宝物です。娘は「日本の非行少女のハシリというようなワル」であった私を現在の私に育て上げた人です。したがってプロップの活動は、娘の支えによって続けられているといって過言ではありません。私は自分にとって誇らしい存在である娘を、「可哀想」と呼んで欲しくないと強く思っています。
プロップでは「障害者」というネガティブな呼称ではなく「チャレンジド」(挑戦という使命やチャンスを与えられた人を表す米語)という言葉を使うことによって、すべての人が「支え合うという誇り」を持って生きられる「ユニバーサル社会」の実現をめざしています。
「ユニバーサル社会」を日本語で表現するのはなかなか難しいのですが、敢えていうならば「共生・共助社会」でしょうか。人がみな、自分の身の丈にあった活躍ができ、お互いに尊重しあい、支え合うことができてはじめて、持続可能な日本を生み出すことが出来ると私は信じています。そして、そんな社会が創造された時、私は娘を残して安心して死んで行けると確信しています。
「ユニバーサル社会(共生・共助社会)」の実現をめざして、一人でも多くの方が「人のマイナス部分ではなく可能性に着目し、それを引き出す行動」を起こして下さることを願っています。
<by ナミねぇ>
☆関西大学 平成24年度 客員教授名簿
http://www.kansai-u.ac.jp/presiweb/professor/data/kyakuin240401.pdf
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