仕事柄、街で見かける広告などが気になり、いろいろチェックしてしまうのですが、たまに「なるほど!そう来たか!」と思うものに出会います。
昨今の広告で言うと、サントリーの新ジャンル麦芽飲料(第3のビール?)、「金麦」の野外ポスター =>リンク
「金麦」のパッケージと同色の濃い青をバックに、同色の衣装を着てにこやかに振り向く檀れいさんと「ハルキン」なる意味不明なキャッチコピー。。。
よく見れば、ジョッキに入った麦芽飲料や金麦のロゴもありますが、本当に「よく見」なければ目に入りません!
インパクト、洗練性、どれをとってもすごい。
キャッチコピーのフォントや位置、ロゴの大きさなど計算しつくされている感があります。
さすが、広告の巧さに定評があるサントリー
しかし、反面、これは中小企業が決してマネをしてはいけない広告の典型でもあります。
なぜなら、これは「サントリー」の「金麦」だから成り立つ広告だからです。
どういうことかというと、これまでの広告展開で「濃い青+檀れいさん=金麦」が消費者の中に浸透しています。
そして、それは同社は発売以来、莫大な広告費を投入し、時間を掛けてテレビCMなどを通してそのイメージ浸透を図ってきた結果なのです。
極端なことをいうと、「檀れいさん=金麦」と思う人もいるのではないでしょうか?
今回の広告は、それを存分に生かした内容と言えます。
逆を言うと、見込み客が全く知らない商品で同じことをしても企業のメッセージは何も伝わりません。
広告に投入できるコストも少なく、知名度も低い中小企業の広告においては、自社や自社製品の優位性を正しく伝えることで、顧客に選んでもらうことが目的です。
誰もが知ってる大企業の広告と中小企業の広告では伝えるべき内容が全く違うのです。
つまり、大企業の真似をして洗練された見栄えのいいポスターを作っても、効果は極めて薄いということです。
では、どうすればいいか?
ベタでもダサくても大丈夫
お客様に共感してもらい、
その商品を購入することがお客様の得になる
というメッセージをダイレクトに伝える広告
それが、中小企業にとってもっとも有効な広告なのです。