こんばんは、地域リハビリのスペシャリストを目指すたけじゅんです。


私の職場は、地域の障害者を対象とした通所リハビリ施設で、様々な背景をお持ちの利用者さんが集まります。中でも多いのが、脳卒中等による運動麻痺や失語症、高次脳機能障害を持つ方々です。失語症や高次脳機能障害をお持ちの方とのコミュニケーションで難しいことや悩むこともたくさんありますが、今回はもっと根本的な「生活支援者としてのコミュニケーションの難しさ」について考えたいと思います。


私の仕事は、暫し利用者さんの家庭生活に関わります。そして身体機能のみならず、たくさんの情報を集めます。たとえば、対象の利用者さんがどんな環境で生活しているのか。また、どんなことに興味があり、何を大事にしていているのかなど様々な生活に関わる情報を把握することで、プランニングに生かそうという考え方です。多くの方も実感があると思いますが、リハビリの継続やモチベーションの維持するにあたって、これらの情報がとても重要な意味を持ちます。


しかし、通所や訪問でいくら評価を重ねても、その利用者さんの本当の思いや考え方を把握することはできません。自宅では全く別の面があるかもしれません。それに家族関係も絡んでくると、なおさらすべてを把握することは困難になります。つまり、「今見えている(自分が把握できている)部分は、対象者のほんの一部であり、見えてる部分がすべてだと勘違いしてはいけない」ということです。私もたくさんの勘違いをして、多くの失敗をして学んできています。「そんなはずはないのに!」と思う気持ちには、自分自身で作ってしまったたくさんのフィルターを通して相手を見ているからということに最近気づきました。


また、生活に深くかかわっていく際の大切な留意点として、「プライベートな内容に触れている」ことをしっかり自覚することです。当たり前のことですが、例えばセラピストが利用者さんの成功をリハビリの仲間と共有しようと話題提供し、みんなでほめあったが、実は仲間には知られたくなかったなど、セラピストと利用者さんの思いが一致せず、関係性が悪くなってしまうことは度々あります。この例も、セラピストは自分のフィルターで「これは良い報告である」と認識してしまったことと、相手の確認を得なかったことが原因として挙げられます。

こうしたコミュニケーションや支援の難しさに対して、どう対応していけばよいのでしょか。


半月かけて考えた結論が、原点復帰「相手の立場になって考えること」です。
相手の生活やニーズの把握やそれに合わせたプランニングも、プライベートに関する配慮もすべて、相手の立場になって考えることで、対応を考えればよいのではないかという考えに至りました。
…しかし、これがまた難しい。まだまだ利用者さんやそのご家族の立場になって考えることができているとはとても言えません。まずは未熟を自覚し、一旦立ち止まってよく考えるように心がけています。
いつか、自然体で相手の立場になって物事を考えられるように、日々の臨床で意識していきたいと思います。


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