ポルトガルがEURO2016で優勝した翌日、
俺はMontijoを出発する。
町外れのフェリー乗り場。
リスボンには陸路でもいけるのだが、かなり大回りになってしまうので、
フェリーを使うことにした。
時間にして20分ぐらいだったかな。
船はリスボンの市内に到着した。
海岸線をひたすら走っていく、
町中がEURO2016の優勝で賑わっている。
国旗を靡かせた沢山の車が、盛大にクラクションを鳴らしながら、
あちこちを走り回っている。
広場では人が集まり、騒いでいる。
なんだか俺はめだたい日にゴールするんだな、
これも何かの縁だろうか。
Cascaisという街で買い物を済ませ、海岸線ではなく、
内陸を突っ切ってロカ岬を目指す。
このCascaisという街から、ひたすら登り坂だ。
風が強い、
時折押して歩く、
今回の旅で5本の指に入るぐらいの強風が吹き荒れる。
最後にとんでもないステージを用意してくれたものだ。
本線からロカ岬への分岐を曲がると、
下り坂が始まる。
そうして、遂に灯台が見えてきた。
ロカ岬の看板、
観光客が多い、
おかげさまで、最果てという感じは全く無い。
ただの観光地。
自撮り棒を持って、写真撮ったり、
キャーキャー騒いでるのを眺めながら。
正直、車とかツアーで来て、何が楽しいんだ?
と、そういう目で他の人を見てしまう。
別に自転車で来た事が凄いとか、
そういう事を自慢したいわけじゃないと言いたいが、
そう思う自分がいたのは確かだ。
かと言って、それをその場の人に自慢したところで、
凄いと思われる前に、俺の品格が下がるだけだろう。
とりあえず・・・風つぇぇ。
上海を出たのが2015年の6月15日だった。
この日が2016年7月11日。
実に393日を費やして、この日、俺はユーラシア大陸横断を達成したのだった。
中国の上海から、ロカ岬までは17779kmあった。
【ここに地終わり、海始まる】
と、石版に書いてあった。
さて、奮発して買ったお酒。
オリエンタルな装飾に味わい。
東からやってきた俺には旅のゴールに相応しいお酒だ。
風に吹かれながら、最果ての地にてグイっと喉に流し込む。
くぅぅぅぅぅ!!最高ッ
この日はロカ岬でキャンプ、
とはいえ、灯台周辺にはキャンプできそうな場所が無いので、
数百メートル戻り、わき道に入ったところでキャンプ。
風も防げていい場所だ。
そしたら、ストーブに火をつけて、お湯を沸かし、タコをゆで、
それをつまみに、酒を飲む。
そして、ギターを取り出し。ストラップを肩にかけ。
弾き始める。
この歌を歌うのは、今回の旅では最後だろう。
【深夜高速】
この1年間の出来事を思い出しながら歌った。
翌朝、先日とは打って変わり、静かなロカ岬に戻ってきた。
やはり風は強く、自転車を立てかけるにも一苦労だった。
逆光・・・
折角なのでギターを抱えて写真を撮ってみた。
写真を撮った後、ギターを地面において、カメラを撤収しにいった隙に、
ギターが風に吹かれ、地面を滑ってフェードアウトしかける。
すぐさま追いかける。
朝っぱらから何してんだか(笑)
さぁ、大陸横断は終わったけど、
リスボンに戻らなきゃな、
後50kmほど、最後まで集中を切らさずに行こう。
ではでは次回へ続く。