書道の稽古は、「想像力」を鍛えます。
作者がどんな筆運びで、どんな環境で、どんな心境で書いたのか、イメージトレーニングを繰り返し行うからです。
大学や資格試験予備校で法律講座を担当して10年。
そこで実感しているのは、法知識そのものよりも「想像力」の重要性です。
条文や問題作成者の気持ちを想像できない人は、いかに知識を詰め込んでも活かすことはできません。また、法知識を悪用して詐欺行為を働く輩のように、思いやりに欠ける知識は社会に害悪を及ぼします。
何千年もの歴史によって磨かれた書道。
その稽古を通じて培われる「想像力」は、教科書上のいかなる知識よりも価値があります。