【セコンド 深津飛成】 | 武田幸三オフィシャルブログ「ローキック魂」Powered by Ameba

【セコンド 深津飛成】

皆様、こんにちは。

武田幸三セコンド 深津飛成です。


26日は本当に大きな力を有難う御座いました。


皆様の応援・声援を結果にする事が出来ませんでした。


それはセコンドの私の責任です。

本当に申し訳御座いませんでした。



そして試合後の経過を、皆様にご心配頂いておりますので

まずは、経過報告をさせて頂きます。


現在、武田幸三は非常に元気にしております。


試合中に右目にパンチを貰い、視力を失っての

ドクターストップでしたが、リングを降りる頃には

視力も戻り、一過性のショック状態との事でした。


試合をしていると、試合途中に視力を奪われる事は

【格闘技】の試合ですので当然あります。

私は1Rから視力を失い、3Rは光さえ確認出来ずに

5R戦った経験もあります。


【格闘技】なので危険は付き物ですが

本当に怖いと再確認しました。


今回は、1Rにパンチを貰い意識が朦朧とする中

1R中に眼球にもパンチを貰ったので


視界がボヤケた上に、視野は狭く、バストアップしか

視野が無い状態で戦って居りました。


ローキックでダウンしたのも、下を蹴られる事を確認出来ず

朦朧とする中、ヒザを真横から蹴られ、崩れるといった形でした。


本人は記憶を飛ばされているので、ダウンしたことや、何Rで終わったのか、

どう終わったのか。と言った様々なことを覚えておりませんでした。


そして、試合後に頭部以外のダメージが無いので

ローキックでダウン宣告をされていた事を

信じておりませんでした。


そして更に、2Rで右目にストレートが直撃し

右目の視力を一時的に失いました。


通常でしたら誤魔化せるのですが

意識が朦朧とする中、左目は元々見え難いので

視点の定まらなさをレフリーに見抜かれ

ドクターチェックを受け、ストップと成りました。


角田レフリーは、リング上で厳しく判断して下さいました。


武田に対する声への反応


体に対する指示の反応速度、

【HAND UPなど体に対する指示の反応速度】


朦朧とする意識の中での戦う意志と動き、


相手を見る目


セコンドとのコミュニケーション能力


様々な状態を判断し、

ギリギリの線で続行させて下さいました。


角田レフリーはインターバル中に、

次のラウンドを告げて下さるのですが、


スリップでの立ち上がりが、今以上に遅い場合は

次からはどんな状態でもダウンを取ります。


そうレフリーとしての判断を、セコンドに伝えてくれました。



2Rになり、リング上の武田幸三の意識が朦朧とする中、

セコンドに付く武田の師・長江先生は


タオルを投げるか?


そう言った事もありました。


ですが僕は、それを止めました。


まだ戦える。


そう思ったからです。


感情論に感じるかも知れませんが、

その時は、武田幸三応援者としてではなく、


武田幸三のセコンドとして

一番近くで見ていた者として

一番近くで見ていた同じ競技者として


フラフラしながらも武田幸三には

戦う意志と、戦うチカラが残って居ると判断しました。


白目を剝いた様にも見えた一瞬がありましたが

元々左目の筋肉は、上手く動かせません。


それと、パンチを貰って麻痺したように

視界を失った眼球のコントロールは出来ません。


それに何より、立ち上がった瞬間にはクラウス

の方を向いておりました。


ボヤケて見える左目だけで戦わせたのは

私です。


皆さんが危険だとお怒りの一番の原因を作ったのは

私です。


セコンドとして、

選手の生死を預かる者として

正確な判断だったのか。


そう思うと、26日の自分の判断は

正解なのか不正解なのか分かりません。


選手が戦いたいと言っても、それを止める責任がある。


それがセコンドです。



最後だから。

そう思ったのも事実です。


ですが、26日の武田幸三は角田レフリーが

ドクターチェックを入れストップになるまで私は


戦える。


そう判断したのは感情論ではありませんでした。



2Rからは右目が見えないのも感付いていました。

でも、タオルは投げませんでした。


長江先生を止めたのは

武田幸三のセコンドとしてだったのか

同じ競技者として、最後の意地を通して上げたかったのか


あの時の武田幸三の眼や、呼吸を肌で感じながら

一緒に戦っていた者として、分かりません。


セコンド失格だと言われる事も分かった上で


これ以上危険ならタオルを投げましょう。


と判断して、先生のタオルを先延ばしにしました。


すると角田レフリーはドクターチェックを受けさせ

試合が終わりました。



僕は、あの戦う意志を持った眼と、

一握りの気迫に懸けて続行を選びました。



もし、戦う意志すら朦朧としていたら

1Rでタオルを投げ入れておりました。


10年前からセコンドに付かせてもらっているのですが

武田さんとは


止める止めないの判断は、感情論抜きで。


と話しておりました。


それなので、同じ競技者としてリング上の武田幸三を見て

戦う意志を持っているのか、

それを遂行する体力や気力、

意識状態は、と様々な問題を一瞬で判断し

続行を選びました。



一般的には危険と思われる状態ですが

武田幸三は【格闘家】です。


リングの上での危険な状態と、一般的に危険と思われる状態は

大きな隔たりがあります。


殴られて倒れる。


これは一般的には危険です。


殴られて意識朦朧とする。


記憶を無くす。


これも危険です。

でも、リングの上では当然続行可能です。


この基本的な大きな隔たりが、皆様に大きな不安と

心配を与える結果になってしまいました。


それは、長くリングで戦い

格闘技に携わって来て

格闘技ボケをしておいた私の責任です。



私の判断のせいで

皆様にご心配をお掛けしたことを

深くお詫び申し上げます。


本当に、申し訳御座いませんでした。



最後だから、やらせてあげたい。


その不要な武田さんへの思いで、

武田幸三を危険な目に遭わせたのではなく


僕の見てきた武田幸三は、まだ戦う事が出来る。


そう判断しての続行でした。



そして、角田レフリーのレフリングに対する

非難の声が有るという事を聞きました。


私達は、セコンドとして、元競技者として

武田幸三の試合での角田レフリーの判断は

非常に正しく厳しい判断だったと思います。


もしローキックでダウンしたのであれば

あの日の武田のようにスッと立ち上がる事は出来ません。


それでも、


立ち上がるのに時間を要したら

ダウン宣告します。


と言う判断や、


ダウンした選手へ【HENDS UP】などの体を動かす様に

指示した時に、どれくらいの反応速度なのか


どのような表情をしているのか、


意識は朦朧としていても、混濁するような事は無いか


頭部へのダメージも影響してスリップしているのであれば

スリップもダウン宣告する。


そう言う形で、本当に細かく厳しく見て裁いて下さいました。


それは武田幸三が最後だから。


などと言うことで、判断基準を甘くしたり、

試合の盛り上がりを意識するような事は一切無く


【格闘家】として戦い抜けるのか。


それをご自身の長く厳しいリングでの経験を踏まえ

レフリーとしての経験を踏まえ判断して下さったと思います。


【戦える】だけならストップだと思います。


それを元一流の選手として、判断しながらも

レフリーとして【危険】じゃないかを細かく判断下さいました。


そして、眼の反応の悪さを察し、ドクターに判断を委ね

その指示に従った裁定を下さして下さいました。


【戦い抜ける】


感情論を一切無視して、元格闘家としてリングに立った経験と

長年培われてきたレフリーとしての知識、認識、勘

全てを持って裁いて下さいました。


セコンドの判断も分かれた今回

本当に武田幸三の安全を考えて裁いて下さいました。



角田レフリーには、心より御礼申し上げます。

私たちのセコンドより近くで表情や呼吸を感じながら

武田を最後まで格闘家として

安全な範疇でに戦わせて下さいまして

本当に有難う御座いました。




お陰様で、武田は今日も元気に引退後を満喫して居ります。


本日、4回もイタズラ電話を掛けて来たり

近々、武田男会を開くから、倒れるまで肉を食べような!


と、笑顔で言っている武田幸三が居ります。


皆様に、多大なる

ご心配をお掛け致しましたことを

心よりお詫び申し上げます。



武田幸三は元気です。


そして今、皆様への感謝の気持ちを綴っております。


なにぶん、あの言葉少ない男で御座いますので


自分の気持ちと、心からの感謝の言葉だけを綴り、

数行で終わってしまったり、自分の感情を上手く言葉に出来なかったり

時間を要しております。


もっと武田幸三を伝えなきゃ!

皆さん待ってるんだから!


と、セコンドの私がダメ出しをして居りますので

時間を要しておりますが


武田幸三。

元気に皆さんへのメッセージを1本指で打っております。


そしてさっき、電話が来まして


やっぱりまず手紙にして書いてみて

それからその文をキーボードで打つから時間掛かるかも。。


と、お爺さんみたいな意味不明な事を申して居りましたので

もうしばらくお待ち下さい。




皆様、本当にご心配お掛け致しまして

申し訳御座いませんでした。



皆様の武田幸三は元気に笑顔です。



セコンド 深津飛成