先にお断りしておきます。

通称「アル添」の是非を云々するためにこれを書くのではありません。


純米酒じゃなきゃダメとか、アル添は最高の技術のひとつだとか、

そんな低レベルな話(ごめんなさい)をしたいわけでも、もちろんもめたいわけでもなく。

そもそも僕もどっちかというと純米酒の方に好きなお酒は多いですし。


純米酒は日本酒の粋です。

純米酒がなかったら日本酒は存在できません。

純米酒という基本があっての通称「アル添酒」です。


たぶんそれは間違いありません。

が、


通称「アル添酒」にもいい奴いるんです。

知らないで死んじゃったらちょっともったいないなぁ、って奴が。


何度もすみません。

通称「アル添」の是非を云々するためにこれを書くのではありません。


純米酒が好きでもいいです。

通称「アル添酒」が好きでもいいです。

お願いですから同じ日本酒好き同志、相手をけなすのはやめてくださいね。


ま、早い話。


美味けりゃどっちでもいいじゃん。


僕のスタンスはそんな感じです。

ただし、気持ち入れて造った酒に限るけど。の注釈付きで。


(ちなみに「アル添酒は二日酔いする」という迷信を論破することも僕には可能です。

 反論したい方、論破されたい方はネット上ではなくどうかお店に直接来て下さいね。)



前置きが長くなりました。


*本文中では純米酒ではないお酒=アル添酒と表現させていただきます*



先日、地酒屋こだま店内にて「第一回アル添酒なめんなよ(笑)の会」を開催しました。

お酒好きが10人ほど集まって、僕の勝手なセレクトを手作りおつまみで楽しんでくださいました。


TAKE on me ! by 四季酒の会


左から順番に、


1.会津ほまれ 本醸造生原酒(22BY)

2.笑亀 初しぼり直汲み無濾過生原酒(22BY普通酒)

3.相模灘 特別本醸造(21BY火入れ)

4.相模灘 特別本醸造無濾過生酒(22BY)

5.仙介 本醸造(21BY火入れ)

6.本金 からくち太一本醸造(21BY火入れ)

7.夢心 普通酒(21BY火入れ)

8.山の壽 普段酒(21BY普通酒)

9.北安大國 しぼりたて生原酒(22BY普通酒)

10.北安大國 しぼりたて生原酒(21BY普通酒)

11.笑亀 本醸造直汲み無濾過生原酒(21BY)

12.会津中将 特別本醸造無濾過生原酒(21BYこだまスペシャル)

13.笹正宗 特別本醸造三年熟成


第一回目は、アル添酒の中でもあえて「普通酒&本醸造」のみでセレクトしてみました。

ほとんどのお酒が一升瓶で2,200円以下というのも懐に優しくていいねぇ。(自画自賛w)

当然ですが、糖類・酸味料などの添加酒は一本もありません。


みなさん、あれこれ言いながらも楽しんでくださったようです。

中には「とかなんとか言いながらも今日はなめて来たんです(笑)が目から鱗でした」なんて方もいて。

やっぱりそういう意見が聴けると僕も凄く嬉しかったりして。


ここからは僕の感想。


普段は純米酒が混ざるのでこれだけ一気にアル添酒のみをテイスティングしたのは初めてで

僕自身思ってもみなかった結果というか、感じたことのない面白い体験ができたのでした。


出したお酒はもちろん僕が自信を持って販売を手掛けるお酒たちですから

言うまでもなく美味しい、というか「ただのアル添酒に留まらない」それぞれのよさを持っています。


ただね、同じタイプを連続して飲むことでより特徴の細部を見つめることができたんです。

・・・・・例えば?


同じアルコールのキレでも(比べると)適度に感じるもの、ちょっとキツくて浮いてるもの。

同じ四段の仕込みでも(比べると)うまく溶け込んでるもの、ちょっと舌に残ってしまうもの。


なんというか、同じジャンルの音楽を連続して聴くと細部の違いがわかる、みたいな。


純米酒じゃなきゃ、と思う人はこういうアルコールのキツさに反応してしまうんだな、とか

四段の(時としてあざといこともある)甘さではなくもっとナチュラルな甘さを求めるんだな、とか。


そんなことも改めて確認できて、僕自身がとても勉強になり楽しかったです。


やはり柔らかさでは純米酒に敵わないかも知れないし。

でも軽快感やキレのよさでは純米酒の及ばない世界も持っているし。


人間関係とおんなじで、それぞれの個性を尊重して認め合うことが大切なんじゃないかな。


僕は純米酒にこだわって全量を純米酒しか造らない蔵元を尊敬しています。

僕は心血込めて高品質なアル添酒を造り消費者を喜ばせる蔵元を尊敬しています。


何故なら、そこには必ずポリシー、志があるから。


香りプンプンもいいじゃん。

純米酒至上主義もいいじゃん。

安くて美味いアル添酒万歳もいいじゃん。


お互いがお互いを非難して足を引っ張り合う時代は終わらせようよ。

同じ日本酒を愛するもの同志じゃないの、手を繫いで縁を繫いで楽しもうよ。


そんなことが言いたくて、これからもいろいろな会を(小さいけど)頑張っていきたい、のです。



・・・・それにしても自分の文章力の低さがにくい(笑)