勉強会報告「3.11以降郡山市の農業がおかれた現状について」 | 福島県在住ライターが綴る あんなこと こんなこと

勉強会報告「3.11以降郡山市の農業がおかれた現状について」

1月27日に開催された勉強会の報告です。

郡山市労働福祉会館の大ホールに、約80人の方が集まりました。

$福島県在住ライターが綴る あんなこと こんなこと-20120127農学校勉強会

県中農林事務所の講師の方のお話は
福島県と郡山市のHPに掲載された資料とデータの解説です。

かなり専門的なことも出てきたのと
私は当日撮影に専念していたこともあり
記載の間違いを恐れ、ここでは割愛させていただきます。


講義後の郡山市内の3人の農家さんの
震災後と今の報告のみ、させていただきますね。


▼野菜農家 Yさん
 直売所と、市内スーパーで野菜を販売している。
 震災後の売り上げは落ちた。
 今年の野菜の売り上げがどうなるかはわからないが
 頑張っていきたい。


▼なめこ農家 Yさん
 稲わら騒動以来、なめこの売り上げは落ちた。
 消費者の間で「きのこは危ない」という意識が浸透しているため
 売り上げは例年の半分に落ち、大変厳しい状況に置かれている。

 なめこの放射線量は、生協で測ってもらい
「ND」という結果がでたけれど
「フクシマのきのこ」ということで買ってもらえない。
 生産量の1/3は福島県外に出しているが
 売り上げはかんばしくない。


▼米、野菜、野菜苗、種 の
 4つの柱で生計を立てている農家 Sさん

・米
 原発直後はものすごく売れた。
 30キロ入りの米を一度に10袋くらい買う人もいた。
 しかし新米の売れ行きは、通常の3~4割落ちた。
 直売所に出している米も売れない。

・野菜
 まず原発直後に野菜の出荷停止があった。
 春野菜は、例年通りの作付けを行った。
 契約していた取引先から見あわせの連絡をもらった。
 郡山市内の大手スーパーに卸している野菜では
 影響は少なかった。
 夏野菜については、野菜の安値が続いた。

・野菜の苗
 家庭菜園をやめる家庭が多く、
 自家用の苗や種の落ち込みが目立った。

以上を踏まえて、平成24年の農業は
いろいろなことがわかった上での難しさがあると思う。


我々農家は我慢しながら
やっていきたい。




最後に発表された農家さんは、
郡山農学校の指導者のお一人でもあります。

「我慢しながら」の一言に、
昨年味わった思いのすべてが凝縮されているように感じました。


勉強会は、これからも継続していく予定です。
今回参加できなかった方も、ご関心ある方の
次回以降のご参加を、歓迎いたします。