映画『ヘンダーソン夫人の贈り物』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『ヘンダーソン夫人の贈り物』

原題:Mrs. Henderson Presents
1930年代初頭の実話を基にしながら、舞台を第二次世界大戦前夜から戦時中に設定し直し、保守的な英国にあって革新的なヌード・レビューを実現させる・・

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ローラ・ヘンダーソン(ジュディ・デンチ)は、70歳にして夫の遺産相続により莫大な資産家となるが、暇を持て余すようになり、試みた趣味の刺繍では手に針を刺す不器用さ、それではと始めた慈善活動もうまくいかず、ウィンドミル劇場売り出しの看板を偶然目にして買い取り、支配人としてヴィヴィアン・ヴァン・ダム(ボブ・ホスキンス)を雇う・・
劇場経営は挫折も味わうが、美術館並みの静止状態のみながら英国初のヌード興行に打って出て大成功、性にあっていたのか戦時下の空襲に見舞われてさえ劇場を閉めることなく自らの命が絶えるまで時代に負けることなく、戦地に赴く若者達に女性のヌードを見せたいという主張を貫き通した・・彼女の思いは第一次世界大戦で女性を知らぬままに毒ガスで戦死した21歳の息子にあることが明かされ、その場面はちょっぴり感動的ではある・・どうしても金持ちの道楽という見方をしてしまいそうになるけど、途中の挫折であきらめず当局との折衝でも許可を取り付け英国初の劇場ヌードを実現させたのだから決してお遊びではなかった・・そんなふうに思える映画です。(wowow)  ヘンダーソン夫人の贈り物