映画『リトル・イタリーの恋』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『リトル・イタリーの恋』

原題:Love's Brother
まだ見ぬ愛する人との愛の日々を妄想で綴った日記帳、可憐な押し花を添えたその日記帳は結婚にこじれた問題を打開する愛のキューピッドへと変身する・・
リトル・イタリーの恋 Loves_Brother_movie_poster
今の時代なら海外だってインターネットで簡単だけど、インターネットの無い時代ならちょっと前の日本だってお見合いの写真だけで恋してしまうなんてこともあるだろう、まして1950年代ともなれば時間と距離を越えることなど出来ない。南イタリアの村に住むロゼッタ(アメリア・ワーナー)もまた、もどかしくも写真と文通によるお見合いの1人・・相手はオーストラリアのイタリア人街に住むアンジェロ(ジョヴァンニ・リビッシ)なのだが、彼は容姿に自信が無くお見合いも断られ続きで思い余って自分の弟のジーノ(アダム・ガルシア)の写真を入れてしまったから話がややこしくなる。おまけにジーノには地元に恋人コニー(シルヴィア・ドゥ・サンティス)がいる。哀れなのは写真に一目ぼれ恋してしまったロゼッタ・・船旅の末に辿り着いたオーストラリアで待っていたのは思い憧れた人物とは似ても似つかぬアンジェロなのだから・・おいそれと帰るわけにも行かず兄弟の家族と共に同居するうち4人の男女の心は次第に変化する。
この映画で、可憐にミステリアスな魅力を振りまいているのはロゼッタだけど、信じられないような4人の立場が、救いようのないもつれた関係が、ハッピーエンドへと、船上でのファーストキスへと、向かわせていくのはコニーなんだよね、彼女がいかにも50年代してて、それがいいカンジです・・。
(9月wowow)  リトル・イタリーの恋