映画『母たちの村』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『母たちの村』

原題:Moolaade
今年の6月、84歳で亡くなったというウスマン・センベーヌ監督、アフリカの悪しき風習を断ち切るためのメッセージを込めたこの「モーラーデ」、遺作となる・・・
moolaade(母たちの村) 母たちの村
男子割礼には余計な皮を取り除いて清潔を保つという合理的な面があるけど、女子割礼(女性器切除)は、女性の性交などによる快感を抑制するためであるという、まさにアフリカなどで女性を抑圧し男が絶対的な権力を持つことの象徴なのだろう。
映画は、アフリカの小さな村で悪しき風習の廃止に向けて敢然と立ち上がり勝利を得る母娘たちの強い思いが描かれる。
コレ(ファトゥマタ・クリバリ)は割礼が原因で2人の娘を流産し、やっとの思いの帝王切開で生れた娘アムサトゥ(サリマタ・トラオレ)には女子割礼をさせないでいる。そこへ4人の少女が女子割礼を逃れるためモーラーデ(保護)を求めて駆け込んできたことから村中の騒ぎとなる。そしてコレは周囲の冷たい視線にも信念を曲げず、村中の衆人環視の中で鞭で打たれる拷問にも耐え抜き、意識の低かった他の女性たちの団結を引き出し見事に傲慢な男達をやりこめた。狭い世界の日常のモメゴトが映し出されるだけのようにもみえるけど、大きなテーマのメッセージが込められた素晴らしい映画です・・・。
(9/12wowow)  母たちの村