映画「ラストラブ」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「ラストラブ」

高校時代の彼は女子から光源氏と呼ばれていたらしい、究極のダンディズムは生まれながらのもの、磨きをかけることも忘れず、いまだその輝きを放つ・・・
LastLove ラストラブ
ロバート・デ・ニーロ作品を好むという彼は、この映画でもニヒルな一面をみせて好演している。そして名言の数々、恋には命を懸け、結婚には幸せを懸ける、若者に対しては優越感しか感じない・・唐突でさえあるそんなセリフも彼にかかれば極めて自然に観るものに受け入れられる、その存在感からはとても63歳だなんて信じられない・・
阿川明(田村正和)はNYのサックスプレイヤー、妻(高島礼子)を胃がんで亡くしたことをきっかけに帰国、友人(片岡鶴太郎)の会社でツアーコンダクターに転職し、娘の佐和(森迫永依)と二人暮らしも5年過ぎた頃、県庁職員の結(伊東美咲)と出会い、なぜか(?)サックスプレイヤーとして生きる望みを取り戻し、これまた唐突なコットンクラブの娘(ユンソナ)の計らいで、自らの死に場所を得る・・。
題名の「ラストラブ」とは一体どの部分を指すのだろう、当初は「そっとさよなら」だったそうだが、それなら平凡だけどしっくりくる。死地を求めてNYに旅立つ時、律儀で可愛い娘にそっとさよなら、これまでの自分の人生にそっとさよなら・・だけど、ラストラブだと主役が結になってしまうだろう、30以上も歳の離れた男にラストラブ、それも物語として悪くはないだろうけど、主役はあくまで阿川なのだから・・そんなところに不満が残りつつも、前半の退屈さに睡魔に襲われそうになりつつも、後半のシリアスさに泣かされてしまった。勿論、吹き替えでなく本人が吹いている田村正和のサックスがまた素晴らしい。  ラストラブ

追記:サックス、猛特訓したというけど実際の音は吹き替えだったんですね・・・